ツール・ド・熊野2017 第1ステージ逃げメンバーでの勝負を入部正太朗が制す リーダージャージも獲得

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 和歌山、三重両県にまたがる熊野地域を舞台に開催されているツール・ド・熊野は6月2日、和歌山県新宮市の赤木川清流コースで第1ステージを行い、序盤から逃げ続けたメンバーによる勝負を最後は入部正太朗(シマノレーシングチーム)が制覇。ステージ優勝と同時に、個人総合でも首位に立った。

逃げ切った17人によるスプリントを制した入部正太朗(先頭右) Photo: Syunsuke FUKUMITSU

有力選手17人が先行

 前日に行われたプロローグ(0.7km個人タイムトライアル)の結果を受け、シモン・サジノック(ポーランド、アタッキ チームグスト)がイエローの総合リーダージャージで出走。大会最初のロードレースステージは、細かなアップダウンが続く16.3kmの周回コースを7周する114.1kmで争われた。道幅が急激に狭まるトンネルや、テクニカルなコーナーなどがあり、周回を追うごとに有力チームの選手たちが集団前方をキープするのが例年の流れ。展開としては、スピードに富んだものとなることが予想された。

熊野川温泉さつき前からリアルスタート Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 新宮駅前を出発した一行は、スタート・フィニッシュ地点の熊野川温泉さつき前までをパレード走行した後、リアルスタート。1周目こそ出入りの激しい流れだったが、2周目に入ってすぐに逃げグループが形成。次々とメイン集団から飛び出した選手たちが合流し、やがて18人が先行。その後、1人がメイン集団へと戻ったこともあり、17人が2~3分のリードで逃げを試みた。

 逃げメンバーは以下の通り

チームUKYO:オスカル・プジョル(スペイン)
キナンサイクリングチーム:マルコス・ガルシア(スペイン)、山本元喜
タブリーズ シャハルダリチーム:ミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン)、イリヤ・ダビデノク(カザフスタン)
宇都宮ブリッツェン:阿部嵩之
ブリヂストンアンカーサイクリングチーム:鈴木龍、西薗良太、大久保陣
LXサイクリングチーム:パク・サンホン、チャ・ドンヒョン(ともに韓国)
セブンイレブンロードバイクフィリピンズ:マルセロ・フェリペ(フィリピン)
シマノレーシングチーム:入部正太朗
マトリックスパワータグ:ホセビセンテ・トリビオ(スペイン)、佐野淳哉
タイコンチネンタルサイクリングチーム:ペーラポル・チャウチャンクワン(タイ)
セントジョージコンチネンタルサイクリングチーム:ブロディ・タルボット(オーストラリア)

 有力チームがいずれもエースクラスの選手を前方へと送り込んだことにより、各選手・チームの思惑が交錯し、逃げメンバーでの統率がいまひとつ。一方で、後方に取り残されるような形となったメイン集団は、セントジョージのほか、リーダーチームのアタッキ チームグストが主にコントロール。しかし、両チームが徐々にアシストを減らしていくにつれ、前を行く17人とのタイム差が縮まりにくくなる。残り3周を前後して愛三工業レーシングチームがコントロールに加わると、その差は約1分となったが、それ以降は逃げグループに迫る勢いが失われていった。

1回目の山岳ポイントを1位通過する鈴木龍 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
メイン集団は逃げグループとの差を約1分にまで縮めるが、その後ペースが上がらなかった Photo: Syunsuke FUKUMITSU

メイン集団の追撃を振り切る

 いよいよ残り1周へ。逃げとメイン集団との差は1分15秒といったところ。逃げグループでは、総合2連覇を目指すプジョルが自らペースアップを図る場面も見られ、逃げ切りに向けて勢いが増す。そうした動きの中から、山本、ダビデノク、入部、トリビオが飛び出し、後続に一時は10秒以上の差をつける。だが、残り2kmを切ったところで吸収され、ふりだしに戻る。そのまま、勝負は17人によるスプリントにゆだねられた。

補給地点を通過する逃げグループ。そのままフィニッシュまで逃げ続けた Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 フィニッシュまで1kmを切って佐野、阿部と牽引力のある選手が率いたが、最後の直線に入り入部が加速。短い上りを挟んでのフィニッシュでパワーを見せつけて先着。ステージ優勝を決めた。

 逃げ切りを許したメイン集団は、中島康晴(キナンサイクリングチーム)を先頭にフィニッシュへ。結果的に、トップから1分22秒差でのステージを終えることとなった。

 この結果、ステージ優勝の入部にリーダージャージが移動。フィニッシュや中間スプリントでのボーナスタイムを生かして、阿部が総合2位、プジョルが同じく3位に浮上している。また、逃げメンバーによる争いとなった山岳ポイントは2度とも鈴木が1位通過し、山岳賞ジャージを手にしている。

個人総合首位に立ちイエローのリーダージャージに袖を通した入部正太朗 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
ツール・ド・熊野恒例の餅まきで会場は大盛り上がり Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 表彰式後のポディウムでは、この日各賞ジャージを獲得した選手、熊野地域を拠点とするキナンサイクリングチームの選手らによる毎年恒例の餅まきが行われ、大勢の観客や子供たちが飛んでくる餅を手にしようと盛り上がる姿が見られた。

 3日の第2ステージは、今大会のクイーンステージといわれる109.3kmの本格山岳。大会の目玉でもある激坂「千枚田」を2回上り、最大の山岳ポイント札立峠を越える難関コース。第1ステージで逃げ切った選手の中には、個人総合優勝候補も含まれており、彼らによる駆け引きや逃げ切りを許した選手たちによる捨て身の攻撃など、あらゆるレース展開が考えられる。いずれにせよ、今大会のハイライトとして激しい戦いとなるはずだ。

ツール・ド・熊野 第1ステージ(114.1km)結果
1 入部正太朗(シマノレーシングチーム) 2時間33分30秒
2 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン) +0秒
3 ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ) +0秒
4 大久保陣(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +0秒
5 オスカル・プジョル(スペイン、チームUKYO) +0秒
6 パク・サンホン(韓国、LXサイクリングチーム) +0秒

個人総合時間賞
1 入部正太朗(シマノレーシングチーム) 2時間34分12秒
2 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン) +3秒
3 オスカル・プジョル(スペイン、チームUKYO) +7秒
4 鈴木龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +7秒
5 ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ) +8秒
6 大久保陣(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) +9秒

ポイント賞
阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン) 26pts

山岳賞
鈴木龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) 4pts

ヤングライダー賞
チャ・ドンヒョン(韓国、LXサイクリングチーム) 2時間34分23秒

チーム総合
ブリヂストンアンカーサイクリングチーム 7時間43分5秒

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UCIアジアツアー ツール・ド・熊野2017

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