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ジロ・デ・イタリア2017 第20ステージピノが5人のスプリントを制しジロ初勝利 キンタナがマリアローザを守り最終ステージへ

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 ジロ・デ・イタリア第20ステージが5月27日、ポルデノーネからアジアーゴまでの190kmで争われ、ティボー・ピノ(フランス、エフデジ)が総合上位陣5人によるゴールスプリントを制しジロ初勝利を飾った。総合首位のナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)はピノと同タイムでフィニッシュし、マリアローザを守っている。

5人のスプリントを制しジロ・デ・イタリア初勝利を飾ったティボー・ピノ Photo: Yuzuru SUNADA

 翌日に最終決戦となる個人タイムトライアル(TT)を控えた、今大会最後の山岳ステージ。前半は4級山岳があるもののおおむね平坦基調で、後半に勝負どころとなる2つの1級山岳が登場する。登坂距離24.2kmのモンテ・グラッパは、下りも約26kmと長丁場。残り約30kmから始まるフォーザは、14.1kmで平均勾配約7%、頂上フィニッシュではなく上り切ってからゴールまで15kmほどアップダウンのあるコースが続く。

 総合2位につけるTTスペシャリストのトム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ)は前日にマリアローザを失ったものの、最終日に29.3kmの個人TTが控え、まだ総合優勝争いで有利な立場といえる。首位のキンタナは38秒のアドバンテージを持っているが、山岳ステージでさらにリードを広げておきたいところ。総合3位のヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)は43秒差、4位のピノが53秒差と総合優勝とともに表彰台をかけた争いも熾烈な状況だ。また、総合10位につけていたステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNL・ユンボ)は胃腸の不良により出走できずリタイアとなった。

逃げるドリス・デヴェナインス(左)、ディラン・トゥーンス Photo: Yuzuru SUNADA

 この日の逃げはディラン・トゥーンス(ベルギー、BMCレーシングチーム)、ドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップフロアーズ)ら6人で、序盤は順調にメイン集団との差を広げていった。1つ目の1級山岳、モンテ・グラッパに入ると逃げの選手が遅れはじめ、トゥーンスとデヴェナインスの2人に絞られた。

 メイン集団では総合5位のイルヌール・ザカリン(ロシア)を擁するカチューシャ・アルペシンが、ロベルト・キセルロウスキー(クロアチア)らアシストを使って猛烈なペースアップを見せた。他チームのアシストを引きはがし、各チームのエースだけが残るようなハードな展開に持ち込んだ。

集団内で走るマリアローザのナイロ・キンタナ Photo : Yuzuru SUNADA

 この攻撃に対しザカリンと僅差の総合6位につけるドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル)をはじめ上位陣は素早く対応し、デュムランは離されそうになりながらも一定ペースで走り食らいついた。頂上が近づいてくると集団は10人に絞られ、逃げとのタイム差は3分ほどまで縮まった。しかし上りでライバルとの差をつけられなかったカチューシャは下りではペースを落とし、多くの選手が集団復帰を果たした。

 今大会最後の山岳、フォーザに入るとニーバリがアタックを仕掛けキンタナ、ピノ、ザカリン、ポッツォヴィーヴォがチェック。モンテ・グラッパでも動きのよかった5人が集団から抜け出したが、デュムランはここでも着実に追い上げてライバルたちに合流し、レース展開を落ち着かせる。しかし、ザカリンとポッツォヴィーヴォが再び集団から飛び出し、さらにキンタナ、ニーバリ、ピノの追走グループも形成された。

アタックしたヴィチェンツォ・ニーバリPhoto: Yuzuru SUNADA
先頭に立ったドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(左)とイルヌール・ザカリン Photo: Yuzuru SUNADA

 窮地に立たされたデュムランは、総合7位のバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)、新人賞を争うアダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)とボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)らと同じグループ。上りで逃げの2人を吸収し先頭に立ったザカリンたちから、デュムランのグループまでは約30秒差がついた。

 上りを終え、アップダウンの区間に入ると追走が合流し、先頭は5人のグループになった。このままデュムランやモレマを引き離したいところだったが、デュムランのグループではステージ優勝とボーナスタイムを視野に入れたユンゲルスが先頭交代し、タイム差を広げさせない。ステージレースでは、アシストのいなくなった総合リーダーが自分の脚を使わされて消耗し、タイムを大きく失う場面がしばしば見られる。しかしデュムランは展開に恵まれ、TTが得意なユンゲルスの協力を得てライバルとの差を縮めることに成功した。

ティボー・ピノ(先頭)ら5人が追走グループを引き離しにかかる Photo: Yuzuru SUNADA

 結局、先頭の5人はデュムランのグループと15秒ほどの差で残り1kmにさしかかった。ステージ優勝とボーナスタイムのかかったスプリントは、後方にいたポッツォヴィーヴォが先に仕掛けた。その動きを見逃さなかったピノがすぐさま反応し、ポッツォヴィーヴォを抜き去る。ザカリン、ニーバリもスプリントを試みたが、ピノは前を譲らず、ガッツポーズでフィニッシュラインを通過した。2位にザカリン、3位にニーバリが入り、デュムラングループは15秒遅れでフィニッシュした。

 ピノにとってはジロでの初ステージ優勝。ボーナスタイムを獲得できたことも大きな成果だ。この日の結果を受け、キンタナが総合首位、ニーバリが39秒差の2位、ピノが43秒差の3位、デュムランが15秒遅れたことで53秒差の総合4位となった。ザカリン、ポッツォヴィーヴォも総合表彰台を狙える位置につけており、最終ステージの総合争いは緊迫した展開となりそうだ。

第20ステージ結果
1 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ) 4時間57分58秒
2 イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン) +0秒
3 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
4 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル)
5 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)
6 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ) +15秒
7 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)
8 セバスティアン・ライヒェンバッハ(スイス、エフデジ)
9 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)
10 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ)

個人総合(マリアローザ)
1 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 90時間0分38秒
2 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) +39秒
3 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ) +43秒
4 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ) +53秒
5 イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン) +1分15秒
6 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +1分30秒
7 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) +3分03秒
8 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) +6分50秒
9 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ) +7分18秒
10 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール・ドラパック) +12分55秒

ポイント賞(マリアチクラミーノ)
1 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) 325pts
2 ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) 192pts
3 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) 117pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ミケル・ランダ(スペイン、チーム スカイ) 224pts
2 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム) 118pts
3 オマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ) 104pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) 90時間07分28秒
2 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ) +28秒
3 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール・ドラパック) +6分05秒

チーム総合
1 モビスター チーム 270時間36分48秒
2 アージェードゥーゼール ラモンディアル +57分06秒
3 エフデジ +1時間20分58秒

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