ジロ・デ・イタリア2017 第19ステージランダ、待望の今大会初勝利 デュムランがタイム失いキンタナ総合首位に

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 ジロ・デ・イタリア第19ステージが5月26日、サン・カンディドからピアンカヴァッロまでの191kmで争われ、山岳賞ジャージのマリアアッズーラを着るミケル・ランダ(スペイン、チーム スカイ)が、山頂フィニッシュを独走で制した。今大会では2位が2回と勝利を逃してきたが、待望のステージ優勝を飾った。総合首位のトム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ)は総合争いのライバルたちから1分以上のタイムを失い、ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)が総合首位に立った。

第19ステージで独走勝利を飾ったミケル・ランダ Photo : Yuzuru SUNADA

モビスターが下りで奇襲

 3つのカテゴリー山岳が設けられたステージ。スタート直後から3級山岳が始まり、コースの中盤までは下り基調となる。2級山岳を越えると平坦基調になり、最後は頂上フィニッシュの1級山岳へ。登坂距離15.4km、平均勾配7.3%、最大勾配14%という厳しい上りが待ち受ける。

ユルゲン・ヴァンデンブロックら14人の逃げ集団 Photo : Yuzuru SUNADA

 最初の3級山岳ではペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ プロチーム)ら3人が飛び出し、頂上を通過。さらにルイ・コスタ(ポルトガル、UAE・チームエミレーツ)、ピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック)、ユルゲン・ヴァンデンブロック(ベルギー、ロットNL・ユンボ)らが合流し14人の逃げ集団が形成された。

 逃げには総合上位の選手は含まれず、リードは6分ほどに広がった。リーダーチームであるサンウェブは落ち着いてレースを進められる展開だったが、思わぬ奇襲を受けることになった。下り区間でキンタナのモビスターがペースを上げて集団を分断した。前にはヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)、ティボー・ピノ(フランス、エフデジ)、イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン) 、ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル)らが入った。

総合首位のトム・デュムラン(左)と同2位のナイロ・キンタナ Photo: Yuzuru SUNADA

 一方、マリアローザのデュムランやバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)、ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNL・ユンボ)らが後方に取り残された。前の集団との差は1分ほどに広がり、各チームはアシストが次々に減っていく状況に陥った。ついにアシストがいなくなり窮地に立たされたデュムランだったが、自分の総合順位のためにも前を追いたいアダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)らの協力を得られ、自分だけが消耗する展開は避けられた。

 キンタナグループは、逃げ集団を2級山岳で吸収した。こちらは複数のチームがアシストを残し差を広げたところだったが、デュムランのグループもエース勢が自ら脚を使って追い上げる。さらに逃げていたヴァンデンブロックのアシストなどもあり、2級の上りのうちに総合上位陣が再び一つの集団にまとまった。

キンタナはニーバリをマーク

 振り出しに戻り、総合上位陣が落ち着きを見せると、コスタ、ロラン、ビルバオ、ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム)、セバスティアン・エナオ(コロンビア、チーム スカイ)、エフゲーニ・シャルノフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ)がメイン集団を抜け出した。

 メイン集団はアシスト不在のマリアローザと、アシストの力を使いたくない総合系チームの牽制状態となり一気にペースダウン。ランダをはじめステージ優勝を狙う12人の選手たちが、メイン集団に見切りをつけて先頭6人を追った。サンウェブのアシストが合流するまでメイン集団のスローペースは続き、先頭とのタイム差が広がり続け逃げ切りを容認するムードが漂った。

ステージ優勝を目指すピエール・ロラン(右)とルイ・コスタ Photo: Yuzuru SUNADA

 逃げと追走が合流し、逃げ切りの見えてきた先頭集団からは、1級山岳を前に動きがみられ始めた。ロランやサンチェス、コスタらがアタックし、目まぐるしく先頭が入れ替わるが、上りに入って圧倒的な強さを見せたのがランダだった。コスタやロランの追走をものともせず、独走で後続との差を広げていった。メイン集団との差は10分ほどあり、ステージ優勝が近づいてきた。

 メイン集団では、一度は窮地をしのいだデュムランが上りの序盤で失速。キンタナやニーバリら総合上位陣は突き放しにかかった。デュムランは遅れながらも粘りを見せ、1分程度の差に留めながら長い坂を上っていく。

 フィニッシュが近づくと、総合勢の集まる集団からはピノがペースアップを図り単独で抜け出した。総合2位のキンタナが同3位のニーバリをマークするなか、ポッツォヴィーヴォやザカリンがピノを追いかけるという、総合順位に応じたそれぞれの戦いが展開された。

最後の上りでアタックしたティボー・ピノ Photo: Yuzuru SUNADA

 快走を続けたランダは、コスタやロランに2分近くの差をつけ頂上へたどり着いた。最後はゆっくりと勝利を噛みしめながら、天を指さし、両手を広げてガッツポーズ。フィニッシュ後には目に涙を浮かべた。総合エースとして臨んだ今大会は序盤に落車のハプニングでタイムを失ったランダ。山岳ジャージは手にしたものの、一騎打ちに敗れてのステージ2位が2回、3位が1回と、チャンスを逃してきた。第19ステージにして、ようやく念願の勝利を手にした。

 総合上位陣の争いはピノが先頭で、ランダから8分9秒遅れの11位でフィニッシュ。6秒差でポッツォヴィーヴォとザカリン、キンタナは12秒、ニーバリは14秒差で、デュムランは1分21秒遅れでのゴールとなった。これにより、31秒差だった総合首位と2位が逆転し、キンタナが10ステージぶりとなるマリアローザに袖を通した。

 翌第20ステージは、2つの1級山岳が勝負どころになる、今大会最後の山岳ステージ。総合上位陣がどれくらいのタイム差で最終日の個人タイムトライアルを迎えるかが注目される。

マリアローザを獲得したナイロ・キンタナ Photo: Yuzuru SUNADA

第19ステージ結果
1 ミケル・ランダ(スペイン、チーム スカイ) 4時間53分00秒
2 ルイ・コスタ(ポルトガル、UAE・チームエミレーツ) +1分49秒
3 ピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック) +1分54秒
4 ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ プロチーム) +2分12秒
5 セバスティアン・エナオ(コロンビア、チーム スカイ) +3分06秒
6 エフゲーニ・シャルノフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ) +3分51秒
7 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム)
8 マッテーオ・ブザート(イタリア、ウィリエール トリエスティーナ) +5分05秒
9 ロレンツォ・ロータ(イタリア、バルディアーニ・CSF)
10 イリア・コシェヴォイ(ベラルーシ、ウィリエール トリエスティーナ) +6分44秒

個人総合(マリアローザ)
1 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 85時間02分40秒
2 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ) +38秒
3 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) +43秒
4 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ) +53秒
5 イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン) +1分21秒
6 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +1分30秒
7 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) +2分48秒
8 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) +6分35秒
9 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ) +7分03秒
10 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNL・ユンボ) +7分37秒

ポイント賞(マリアチクラミーノ)
1 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) 325pts
2 ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) 192pts
3 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) 117pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ミケル・ランダ(スペイン、チーム スカイ) 224pts
2 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム) 118pts
3 オマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ) 104pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) 85時間09分15秒
2 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ) +28秒
3 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール・ドラパック) +2分02秒

チーム総合
1 モビスター チーム 255時間26分04秒
2 アージェードゥーゼール ラモンディアル +1時間03分27秒
3 バーレーン・メリダ +1時間05分55秒

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