ツアー・オブ・ジャパン第5ステージ(南信州)総合首位のカノラがスプリントで勝利し大会3勝目 初山翔は山岳賞を決定的に

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 国内最大の国際ステージレース「NTN presents第20回 ツアー・オブ・ジャパン」第5ステージが5月25日、長野県飯田市で開催され、総合首位のマルコ・カノラ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)が22人の集団スプリントを制して優勝。大会3勝目を挙げた。初山翔(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム)は山岳ポイントを重ね、山岳賞を決定的にした。

接戦を制したのはマルコ・カノラ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)で、2位は僅差でネイサン・アール(オーストラリア、チームUKYO)だった Photo: Shusaku MATSUO

後半戦初日は雨のスタート

雨が降りしきり、レインウェアに身を包んでのスタートとなった Photo: Shusaku MATSUO

 8日間のツアーは折り返し、後半戦を迎えた。南信州ステージは平坦がほとんどないアップダウンが連続するコースで、獲得標高は2500mを超える。飯田駅から7.3kmのパレードへと向かい、コース合流後は1周12.2kmのラップを10周する全123.6kmで争われた。朝から雨が降りしきり路面を濡らした。気温も15度ほどで肌寒く、選手たちは防寒具やレインウェアをまとっての出走となった。

 レースのスタートが切られると入部正太朗(シマノレーシング)やフェン・チュンカイ(台湾、バーレーン・メリダ)の動きをきっかけに8人の逃げ集団が形成された。中には山岳賞リーダージャージを着用する初山が入り、4日連続逃げる展開を作った。

名物の「焼肉コーナー」前を通過するイヴァン・サンタロミータ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)と初山翔(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) Photo: Shusaku MATSUO
逃げに乗っていた山本元喜を戻し、逃げグループとの差を詰めるキナンサイクリングチーム Photo: Shusaku MATSUO

 この日、2回ある山岳賞はポイントリーダーの初山が全て先頭で通過。ポイントをさらに重ねた。これで他の選手が大会中に獲得する山岳ポイントで初山を逆転することが不可能となった。初山は最終ステージまでの完走を条件に、山岳賞を確定させた。

 逃げのメンバーは強力で、中盤に6人まで人数を減らしながらもハイペースで逃げた。一方のメイングループでは、個人総合を落としたくないキナンサイクリングチームがペースアップを試みて集団を牽引。逃げグループに入っていた山本元喜をあえてメイングループへと戻し、逃げのメンバーとのタイム差を縮めにかかった。

 約1分差で推移していた逃げとメイングループの差だったが、2分近くまで拡大。メイングループではキナンサイクリングチームに加え、アイソウェイ・スポーツ・スイスウェルネスなどもコントロールに加わり、レース後半に向けて再び1分を切るタイム差まで縮めることに成功した。

後半にはアイソウェイ・スポーツ・スイスウェルネスが集団を牽引 Photo: Shusaku MATSUO
南信州名物の逆バンクヘアピン「TOJコーナー」をクリアするメイン集団 Photo: Shusaku MATSUO

 残り2周を切るとイヴァン・サンタロミータ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)、チュンカイ、クリストファー・ジョーンズ(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)の3人となったが、最終周回には吸収され、20人強の集団のまま上り頂上をクリアした。

中根が好アシストでカノラへ繋ぐ

 下りに差し掛かると、オスカル・プジョル(スペイン、チームUKYO)が単独でアタック。雨で滑りやすいテクニカルな下りコーナーを、ぎりぎりのラインを攻めていく。残り3km付近ではイヴァン・コルティナ(スペイン、バーレーン・メリダ)がブリッヂをかけプジョルに合流。2人でゴールを目指すも、メイングループの先頭を中根英登(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)が牽引する働きをみせ、ラスト1kmまでに吸収された。

1周目から逃げ続けた集団 Photo: Shusaku MATSUO

 勝負は小集団のスプリントへと持ち込まれ、残り500mまで見合う展開となるも、残り350m付近からペースアップを開始し、スプリント体制に入ったかカノラが、背後から迫るネイサン・アール(オーストラリア、チームUKYO)を押さえ込み今大会ステージ3勝目を挙げた。アールも勝利を確信し手を上げるほど僅差の争いだった。

大会3勝目を挙げ、総合首位を守ったマルコ・カノラ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ) Photo: Shusaku MATSUO
マルコ・カノラ(イタリア・NIPPO・ヴィーニファンティーニ)はレイン用タイヤを選択 Photo: Shusaku MATSUO

 カノラはレース後のインタビューで「今までのステージのなかで最もハードなステージだった」と振り返り、安堵の表情を浮かべた。カノラのバイクには普段トレーニングで使用しているIRCのウェットコンディションタイヤ「アスピーデプロ WET」を装着。カノラのみクリンチャーホイールを用意し、雨予報だった今ステージに合わせてタイヤを準備したという。

山岳賞をほぼ確実なものにした初山翔(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) Photo: Shusaku MATSUO

 山岳賞をほぼ確実なものにした初山は「きょうの逃げメンバーは強力で、ここまでのステージを逃げ続けてきた自分にとってはハードだったが、ポイントを獲得することができた。山岳賞というものは2位になっても全く価値がありません。1位はほぼ確実になったが、明日からのステージもチームのアシストを頑張りたい」と述べた。

 翌日の第6ステージは今大会のクイーンステージ。富士山の5号目まで上る「あざみライン」を舞台に開催される。全長11.4kmで平均勾配10.5%、最大勾配22%の激坂が続き、総合タイムが動くとこは必至だ。

レース後に行われた“シードル”ファイト Photo: Shusaku MATSUO

第5ステージ(南信州)結果
1 マルコ・カノラ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) 3時間10分5秒
2 ネイサン・アール(オーストラリア、チームUKYO)
3 イヴァン・コルティナ(スペイン、バーレン・メリダ)
4 西薗良太(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム)
5 ベンジャミ・プラデス(スペイン、チームUKYO)
6 雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)
7 土井雪広(マトリックスパワータグ)
8 ホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
9 オスカル・プジョル(スペイン、チームUKYO)
10 ロビー・ハッカー(オーストラリア、アイソウェイ・スポーツ・スイスウェルネス)

個人総合成績
1 マルコ・カノーラ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) 12時間31分8秒
2 イヴァン・コルティナ(スペイン、バーレン・メリダ) +29秒
3 ネイサン・アール(オーストラリア、チームUKYO) +34秒
4 ロビー・ハッカー(オーストラリア、アイソウェイ・スポーツ・スイスウェルネス) +37秒
5 ベンジャミ・プラデス(スペイン、チームUKYO) +38秒
6 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +39秒
7 オスカル・プジョル(スペイン、チームUKYO) +40秒
8 土井雪広(マトリックスパワータグ) +46秒
9 ホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)
10 ラックラン・ノリス(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア) +47秒

ポイント賞
1 マルコ・カノーラ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) 93pts
2 ジョン・アベラストゥリ(スペイン、チームUKYO) 68pts
3 イヴァン・コルティナ(スペイン、バーレン・メリダ) 60pts

山岳賞
1 初山翔(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) 39pts
2 ベンジャミ・プラデス(スペイン、チームUKYO) 7pts
3 山本大喜(日本ナショナルチーム) 6pts

新人賞
1 イヴァン・コルティナ(スペイン、バーレン・メリダ) 12時間31分37秒
2 雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン) +24秒
3 ドメン・ノヴァク(スロバキア、バーレーン・メリダ) +26秒

チーム総合
1 チームUKYO 37時間35分19秒
2 NIPPO・ヴィーニファンティーニ +7秒
3 アイソウェイ・スポーツ・スイスウェルネス +19秒

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