ツアー・オブ・ジャパン第3ステージ(いなべ)総合トップのカノーラが2日連続の勝利 NIPPOのチームワークで上りスプリントを制す

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 日本最大の国際ステージレース「NTN presents 第20回 ツアー・オブ・ジャパン」の第3ステージが5月23日、三重県いなべ市で開催され、総合リーダーのマルコ・カノーラ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)がスプリントを制して優勝。2日連続のステージ勝利を果たした。土井雪広(マトリックスパワータグ)が日本人最高位の8位に入っている。

2日連続のステージ勝利を飾ったマルコ・カノーラ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) Photo: Shusaku MATSUO

初山が山岳賞ポイントを積み重ねる

今年、新設されたフィニッシュラインには大勢の観客が詰めかけた Photo: Shusaku MATSUO

 今年3回目を迎えた「いなべステージ」は、いなべ梅林公園周辺に設定された1周14.8kmの起伏が激しいコースレイアウトを使用。途中、斜度17%の激坂「イナベルグ」を通るタフなステージで、8周回、全127kmで争われた。同コースは2021年、三重国体のロードレース競技でも活用するという。

 集団は阿下喜(あげき)駅を出発し、三重県の鈴木英敬知事とパレードを行った。アクチュアルスタートが切られると、ホームチームのキナンサイクリングチームから山本元喜や、ジャイ・クロフォード(オーストラリア)らが逃げグループ形成へ向けて積極的に動くも、決定的なリードを築けない。

いなべステージは1周14.8kmで、起伏が激しくタフなコースだ Photo: Shusaku MATSUO
激坂「イナベルク」を上る逃げの3人 Photo: Shusaku MATSUO

 逃げグループが生まれては吸収される展開が繰り返されるなか、10人程の先行グループに山岳賞ジャージを着る初山翔(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム)がジョイン。2周目の山岳賞を危なげなく先頭通過し、ポイントを重ね、翌日の山岳賞ジャージ着用を決定的にした。

逃げる3人とのタイムギャップを詰めるバーレーン・メリダ Photo: Shusaku MATSUO

 初山のグループが間も無くメイン集団へと飲み込まれるなか、単独で飛び出したのはクリス・ハーパー(オーストラリア、アイソウェイ・スポーツ・スイスウェルネス)。後続からダミアン・モニエ(フランス、ブリヂストンアンカー サイクリングチーム)とフィリップ・マーモス(ドイツ、チーム・ダウナー・D&DQ・アーコン)がハーパーヘと追いつき、3人の逃げが形成された。メイン集団は3人を容認し、ようやく落ち着いた展開が生まれた。

 メイン集団はバーレーン・メリダ勢がコントロール。激しい展開が終わり、一時はサイクリングペースまでスピードを落とした。逃げの3人はその間にタイムギャップを稼いだ。しかし、残り3周目となり、ゴールの時が近づくにつれ、バーレーン・メリダ勢はスピードを上げ、先行する3人との差を詰める。この間にマーモスが脱落し、先頭はモニエとハーパーの2人となった。

17%の激坂を上る集団 Photo: Shusaku MATSUO

 ラスト周回に入るとハーパーが仕掛け、モニエが追う展開となった。後方では、イナベルグから山頂までをオスカル・プジョル(スペイン、チームUKYO)、カノーラ、中根英登(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)らがブリッジを仕掛け、先行する2人に合流。すかさず、モニエが下りでアタックをし、単独でゴールを目指した。

ラスト4.5kmまで逃げたダミアン・モニエ(フランス、ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) Photo: Shusaku MATSUO

 残り4.5kmまで粘ったモニエだったが、隊列を組むNIPPO、ユナイテッドヘルスケア勢が牽引する集団へと吸収。勝負は上り基調のスプリントへともつれ込んだ。スプリント体制に入ると、選手の枚数を残していたNIPPOトレインが機能。リーダージャージを着るカノーラがエースとなり、先頭でフィニッシュラインを切った。前日の逃げ切りに続く、ステージ連勝となった。

ボーナスタイム獲得で2位に15秒の差

 カノーラは「とてもハードで疲れたステージだったが、チームメートのおかげで勝利することができた。彼らとはチームメート以前に友達だ。明日は今日よりも起伏が少なく、イージーなコースなので、集団スプリントが予想される。チームで連係して優勝を目指したい」とレース後に語った。

ボーナスタイムを獲得し、2位とのタイム差を15秒に広げたマルコ・カノーラ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) Photo: Shusaku MATSUO

 山岳賞ジャージを守った初山は「できれば逃げに乗ってポイントを重ねたかったので、チームメートの力を借りて、うまく動くことができた。ジャージを着ていたので、あまり争うこともなくスムーズにポイントを獲得できた。昨日の逃げと、今日の前半に脚を使ったため後半が辛かったが、よくまとめられたと思う」と振り返った。

山岳賞ジャージをキープした初山翔(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) Photo: Shusaku MATSUO
6位でフィニッシュし、新人賞ジャージを守ったイヴァン・コルティナ(スペイン、バーレーン・メリダ) Photo: Shusaku MATSUO

 学生中心で、23歳未満のメンバーを中心に構成された日本ナショナルチームの孫崎大樹は「個人的には昨年よりは楽に走れたと思う。自分が強くなったからかもしれない。きつかったが、上りは集団前方で入り、徐々に下がりながら余裕を持ってクリアできた。チームとしては山本大喜選手、吉岡直哉選手の総合順位をなるべく上位にさせるのが目標。今日は上りの手前で前に引き上げるなど、アシストが上手くいった。大成功とまではいかないが、悪くない結果だと思う」と力強くコメントした。

第3ステージ(いなべ)結果
1 マルコ・カノーラ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) 3時間11分54秒
2 ルーカス・セバスチャン・アエド(アルゼンチン、ユナイテッドヘルスケア)
3 ジョン・アベラストゥリ(スペイン、チームUKYO)
4 ロビー・ハッカー(オーストラリア、アイソウェイ・スポーツ・スイスウェルネス) +2秒
5 ベンジャミ・プラデス(スペイン、チームUKYO)
6 イヴァン・コルティナ(スペイン、バーレン・メリダ)
7 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)
8 土井雪広(マトリックスパワータグ)
9 オスカル・プジョル(スペイン、チームUKYO)
10 ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)

個人総合成績
1 マルコ・カノーラ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) 5時間59分9秒
2 ジョン・アベラストゥリ(スペイン、チームUKYO) +15秒
3 イヴァン・コルティナ(スペイン、バーレン・メリダ) +27秒
4 ルーカス・セバスチャン・アエド(アルゼンチン、ユナイテッドヘルスケア)
5 オスカル・プジョル(スペイン、チームUKYO) +30秒
6 ネイサン・アール(オーストラリア、チームUKYO)
7 岡篤志(宇都宮ブリッツェン)
8 ロビー・ハッカー(オーストラリア、アイソウェイ・スポーツ・スイスウェルネス)
9 ベンジャミ・プラデス(スペイン、チームUKYO) +31秒
10 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +33秒

ポイント賞
1 マルコ・カノーラ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) 56pts
2 ジョン・アベラストゥリ(スペイン、チームUKYO) 43pts
3 ルーカス・セバスチャン・アエド(アルゼンチン、ユナイテッドヘルスケア) 36pts

山岳賞
1 初山翔(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) 15pts
2 山本大喜(日本ナショナルチーム) 6pts
3 ダミアン・モニエ(フランス、ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) 5pts

新人賞
1 イヴァン・コルティナ(スペイン、バーレン・メリダ) 3時間11分56秒
2 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +3秒
3 鈴木龍(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) +14秒

チーム総合
1 チームUKYO 17時間58分52秒
2 NIPPO・ヴィーニファンティーニ +7秒
3 アイソウェイ・スポーツ・スイスウェルネス +14秒

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