ジロ・デ・イタリア2017 第15ステージユンゲルスが総合上位陣そろい踏みの小集団スプリントを制しグランツール初勝利

by 平澤尚威 / Naoi HIRASAWA
  • 一覧

 ジロ・デ・イタリア第15ステージが5月21日、ヴァルデンゴからベルガモまでの199kmで開かれ、総合上位陣がそろった少集団スプリントをボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)が制しグランツール初勝利を飾った。マリアローザのトム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ)は同タイムでフィニッシュし総合首位を守っている。

総合上位陣によるスプリントを制したボブ・ユンゲルス Photo: Yuzuru SUNADA

100kmに及ぶ消耗戦

 第2週の最終日は、ラスト50kmに5大クラシックレースの一つ「イル・ロンバルディア」と同じコースレイアウトが採用された山岳ステージ。序盤から平坦基調で、ロンバルディアのコースに合流すると2級、3級と山岳が続き、フィニッシュの約4.5km手前にはステージ優勝争いの行方を左右する急勾配の丘が設けられた。

序盤から逃げたドリス・デヴェナインス Photo: Yuzuru SUNADA

 超級山岳ステージが連続する最終週に比べると難易度が低く、休息日前にあたるこの日、多くのチームが逃げ切り勝利の可能性を追い求めるレース展開となった。序盤にドリス・デヴェナインス(ベルギー、クイックステップ・フロアーズ)ら5選手が逃げ集団を形成するが、メイン集団は逃げを容認せず、タイム差を1分以内にキープ。集団は縦に長く伸び、複数のチームが集団前方に選手を送り込んで逃げを追い続けた。

 逃げとメイン集団の消耗戦が100kmほど続き差が縮まってくると、メイン集団からブリッジを試みる選手が現れ、逃げ集団からはデヴェナインスが単独で飛び出すなど目まぐるしい展開が繰り広げられた。結局、デヴェナインスも含め逃げていた5人が吸収され、残り85kmで10人の逃げが生まれるとようやくレースに落ち着きがもたらされた。

ジャック・ヤンセファンレンズバーグ(先頭)らの逃げ集団 Photo: Yuzuru SUNADA

 この逃げにはマリアチクラミーノを着るフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)が入り、中間スプリントを先頭通過するなど、積極的な姿勢を見せた。メイン集団のコントロールにはデュムランを擁するサンウェブだけでなく、オリカ・スコットも加わりステージ狙いへの意思を示した。

 2級山岳の上りで、逃げ集団はルディ・モラール(フランス、エフデジ)、ジャック・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ディメンションデータ)、フィリップ・ダイグナン(アイルランド、チーム スカイ)の3人に絞られた。メイン集団からはピエール・ロラン(フランス、キャノンデール・ドラパック)、ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム)がアタックし、逃げ残りの2選手と下りで合流。ダウンヒルが得意なサンチェスを先頭に追走を図った。

追走を図る(先頭から)ピエール・ロラン、ルイスレオン・サンチェス Photo: Yuzuru SUNADA

総合上位の落車で明暗

 この下りで、メイン集団前方に位置していたナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)がコーナーを曲がりきれず落車するアクシデントが発生した。落車を確認したマリアローザのデュムランは、ペースを落とすように周囲に指示を送った。キンタナはすぐに再スタートでき、間もなく集団に復帰した。

 続く3級山岳ではサンチェスとロランが追走のペースを上げ先頭3人に合流した。オリカ・スコットの牽引で集団は約30秒差まで迫っていたが、3級山岳を越えたあとはコーナーが多くテクニカルな市街地に入ったため、容易には逃げを捉えられない。さらに、総合7位につけていたタネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ プロチーム)が、前の選手で死角になっていた道路の中央分離帯に乗り上げ、バイクから投げ出されるように落車。このステージでリタイアとなった。

集団前方で終盤の攻防に備えるヴィンチェンツォ・ニーバリ(右) Photo: Yuzuru SUNADA

 最後の上りとなる急坂に向けてメイン集団はバーレーン・メリダが牽引を始め、10秒にも満たない差で上りに入った。先頭ではロランが最後まで粘りを見せたが、メイン集団からはマリアビアンカのユンゲルスがアタックしロランを捉えた。この動きにニーバリ、ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル)が続き、さらにデュムラン、キンタナ、ティボー・ピノ(フランス、エフデジ)、アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)、バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)と総合上位陣が顔をそろえた。

 下りに入るとダウンヒルが得意なニーバリが先頭に立つが、ライバルを引き離すことはできず平坦区間へ。総合上位陣8人によるスプリントが濃厚になると、ユンゲルスが積極的に先頭に出てペースを上げた。最終ストレートに入ると、モレマが早めに仕掛けたが抜け出せず。ピノやイェーツがスプリントの体勢に入ったが、ここでユンゲルスが抜群の加速を見せた。総合勢のなかで一際力強さを感じさせるスプリントで、バイク1台分の差をつけてフィニッシュした。

 ユンゲルスは昨年のジロで3ステージ、今年は4ステージでマリアローザを着用してきたが、ステージ優勝は今回が初めて。2位にはユンゲルスの後ろにつけていたキンタナが入り、ピノが3位でボーナスタイムを獲得した。

 休息日明け23日の第16ステージは、チマ・コッピと2つの1級という過酷な山岳が3つ登場する222kmで争われる。

第15ステージ結果
1 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ) 4時間16分51秒
2 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +0秒
3 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ)
4 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)
5 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル)
6 パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)
7 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
8 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ)
9 イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)
10 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)

個人総合(マリアローザ)
1 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ) 63時間48分08秒
2 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +2分41秒
3 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ) +3分21秒
4 ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) +3分40秒
5 イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン) +4分24秒
6 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) +4分32秒
7 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +4分59秒
8 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ) +5分18秒
9 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +6分01秒
10 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNL・ユンボ) +7分03秒

ポイント賞(マリアチクラミーノ)
1 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) 325pts
2 ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) 192pts
3 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) 117pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ) 51pts
2 オマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ) 49pts
3 ヤン・ポランツェ(スロベニア、UAE・チームエミレーツ) 46pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ) 63時間53分26秒
2 アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット) +2分25秒
3 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール・ドラパック) +2分51秒

チーム総合
1 モビスター チーム 191時間44分22秒
2 アスタナ プロチーム +5分52秒
3 UAE・チームエミレーツ +20分19秒

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

UCIワールドツアー ジロ・デ・イタリア2017 ジロ2017・レース詳報

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載