旅サイクリスト昼間岳の地球写真館<50>自転車で観てきた美しい世界 旅の終わりを惜しむように上った箱根峠
【2015年3月上旬から4月上旬】日本
韓国・釜山からフェリーで、福岡に降り立った。

日本を走って改めてその魅力に驚いた。大陸から伝わった文化が、日本人の手で独自に開花させられたのは当然知っている。だけど、ここまで体感できるほど個性のある国だとは思わなかった。
沢山の友人と再会しながら、実家がある神奈川県の小田原を目指した。今までいくつの町を、いくつの川を、いくつの峠を越えてきただろう。

世界一周の最後には、東海道の難所、箱根峠が立ちはだかる。60kg近い荷物を積んだ自転車で、なんども休憩をいれる。
しんどいのではない。上りきってしまうのが名残惜しかった。永遠にこの坂道が終わらなければいいのにと思った。
しかし、最高地点の標高874mはあっという間に過ぎ、桜が満開の小田原に一気に滑り降り旅を終えた。
自転車で観てきた世界は本当に美しかった。
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2015年6月からお届けしてきたコラム「旅サイクリスト昼間岳の地球写真館」は今回で最終回となります。長期にわたり、ご愛読いただきありがとうございました。

小学生の時に自転車で旅する青年を見て、自転車で世界一周するという夢を抱いた。大学時代は国内外を旅し、卒業後は自転車店に勤務。2009年に念願だった自転車世界一周へ出発した。5年8カ月をかけてたくさんの出会いや感動、経験を自転車に載せながら、世界60カ国を走破。2015年4月に帰国した。ブログ「Take it easy!!」