「ラファ・ライド東京」ほか20か国で開催ラファが教えてくれた、いつもと違う東京…真夜中と朝、都心と郊外を走った3日間

by 澤野健太 / Kenta SAWANO
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 ロンドン発のサイクルウェアブランドのラファが「Rapha Rides」と題し、「街」にスポットライトを当てたライドイベントを行っている。シドニーからスタートし1年をかけて世界20ヶ国で開催しフィーチャーするプロジェクト。ラファ東京でも5月19~21日の3日間で、4つのライドと2つのトークショーを開催。様々な時間帯の東京で、様々なルートを走った。そのうち、19日に行われた「ミッドナイト・メッセンジャーライド」と20日の「GRVライド」にCyclist編集部が参加した。

「GRVライド」で線路の脇を走る Photo:Rapha Japan

カジュアルにゆったりライド

 これまで、「苦痛の先にある栄光」をテーマにしたラファのハードなライドやグラベルライドにいくつか参加してきたが、ラファが町中を走ったらどんなライドになるか、とても興味があった。仕事を終え、午後10時にラファ東京へ着くと、矢野大介代表とスタッフはいつものライドのような自転車ジャージでなく、カジュアルなシャツと短いパンツのラフなスタイルでライドの準備をしていた。店の外には明るめのライトをつけたサイクリストが続々と集まって来る。

夜風に夏が近づいてきたことを感じる Photo: Rapha Japan
寝静まった東京都庁を見上げる Photo: Kenta SAWANO
一日が終わろうとする時間に、私たちのライドは始まった Photo: Rapha Japan

 午後10時30分頃、いよいよ出発。今回のライドを企画した「Gogo」さんことスタッフの合田光宏さんから「オフィスエリアと住宅街の境界線を走ります。くれぐれも大声で騒いだりしないように気をつけましょう」と説明がありスタート。スピードもゆっくり、夏が近づいた生暖かい夜の空気を吸いながら、裏道を通って新宿へ向かう。元メッセンジャーの合田さんについていくといつの間にか、東京都庁の前に到着した。

 東京五輪に向けて中心の役割を担う建物だが、午後11時過ぎは静まり返っている。「この新宿エリアでクリテリウムレースができるようになると、本当に楽しいんですけれどね」などと話しながら再び走り出し、山手通りを南下した。居酒屋で盛り上がるサラリーマン(自分もだが)、肩を抱き合って歩くカップルの横を一列になって走る。

金曜日で盛り上がる居酒屋の横を走る Photo:Rapha Japan 

昼間と全く違う景色

午前0時、ミッドナイトライドを終え、ラファ東京に戻るサイクリスト Photo:Rapha Japan

 東京で育ち、いくらか東京の街を知っているつもりでいたが、合田さんがナビゲートするルートは未知のものばかり。やっとどこにいるか分かったかと思うと、また迷路に迷い込んだように分からなくなってしまう。視覚情報が少ない「夜に走る」という行為がとても新鮮で、これまでのラファのライドとは違った印象を受けた。その分、感覚が研ぎ澄まされて、いつもと全く景色に見える。新宿、原宿、恵比寿、青山などを回り、午前0時過ぎ、ラファ東京に戻った。

世田谷公園には、「GRV RIDE」に参加する大勢のサイクリストが集まった Photo:Rapha Japan 
左からグルーヴィジョンズの原徹さん、ラファの矢野代表、伊藤弘さん Photo: Kenta SAWANO 
19日夜には「グルーヴィジョンズ」と矢野代表の東京についてのトークショーも Photo:Rapha Japan

グル―ヴィジョンズと走る世田谷、杉並

 それから約9時間後の5月20日午前9時、ラファ東京から南西に約5㎞、噴水がトレードマークの東京都民の憩いの場の一つ、世田谷公園に再びサイクリストが集合した。前夜のミッドナイト・メッセンジャーライドに参加した人も多かったが、快晴の噴水の周りに子供たちが遊ぶ風景は前日のライドと全く違う雰囲気だった。

 この日のライドには、90年代から東京を拠点に世界を舞台に活躍するデザインユニット「Groovisions」(グルーヴィジョンズ)の伊藤弘さんと、原徹さんが参加。伊藤さんは90年代から自転車に造詣が深く、原さんはラファ・ジャパンが設立する前からラファを着ていたというサイクリスト。前日19日夜には、二人のトークショーを開催し、サイクリストのみならず、多くのファンがかけつけた。

世田谷区には多くの鉄道が走る。踏切を渡るにも楽しい Photo: Kenta SAWANO
松陰神社では矢野代表が外国人サイクリストに英語で説明 Photo: Kenta SAWANO

 世田谷公園近くに事務所があり、近郊の自宅からの通勤には毎日自転車に乗っているというお二人。その通勤ルートをアレンジしたものが、この日の「GRVライド」となった。世田谷公園を二組に分かれ出発すると、裏道を使い、三軒茶屋から世田谷線の踏切を超え、世田谷区役所へ。スタッフの三井裕樹さんから「1960年代に建築家の前川国男が設計したモダニズムの建物ですが、建て替えの計画が決まっており、保存を求める声も出ているそうです」と、町の中心でもある建築の歴史を解説してくれた。

世田谷文学館の前で小休止 Photo: Kenta SAWANO 

 筆者が参加したグループは半数以上が外国人サイクリストだったが、吉田松陰を祀った松陰神社でストップすると、ラファ・ジャパンの矢野代表から日本語と英語で解説が行われた。筆者にとっては生まれ育った世田谷ながら、ラファのフィルターを通して走る町はとても新鮮で改めて地元を見直す機会にもなった。

沖縄タウンではシーサーがお出迎え Photo: Kenta SAWANO 
ザ・スズナリの前でひと休み Photo: Kenta SAWANO
オリジナルキャラクター「チャッピー」と同じ格好で決める原さん(中央) Photo: Kenta SAWANO

 約3時間のライドはあっという間に終了。世田谷公園に戻ると、日光浴する人や、ボール遊びをする親子連れなどで賑わっていた。後半のほとんどがほぼ通勤ルートだったというグルーヴィジョンズの原さんだったが「良くもまあ、こんなに複雑なルートを作ったなという感じ」と感心しきり。伊藤さんも「初めてラファのイベントに参加しましたが、大勢で走るのは楽しく、いつものルートが違うものに感じました」と満足そうに振り返った。

グルーヴィジョンズ・原さんのバイクはフルオーダーのチタンバイク「MOOTS」をカンパニョーロで組んだもの Photo: Kenta SAWANO
グルーヴィジョンズ・伊藤さんのバイクはAbove bike Storeで組んだ「OPEN CYCLE U.P. GRAVEL PLUS」。コンポはSRAM FORCE Photo: Kenta SAWANO
参加者には人気キャラクター「Chappie」による伝説のサイクリストシリーズのポストカードが配られた Photo: Kenta SAWANO 

 イベントが終了しても、世田谷公園の木陰で自転車談義を続けているファンも多かった。21日には奥多摩を発着に東京都の山間部を走るイベントも開催。3日間の「TOKYO」を堪能する締めのライドが行われ、参加者は東京ながら大自然の残る地域を満喫していた。

世田谷公園に集まったサイクリストは木陰にはいり記念撮影 

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