泥と戦った選手たち 「野辺山シクロクロス」竹之内が大会3連覇

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11月18日、雨の上がった牧場でシクロクロスのレースが開催された=野辺山シクロクロス(長野県)11月18日、雨の上がった牧場でシクロクロスのレースが開催された=野辺山シクロクロス(長野県)

 長野県南牧村の滝沢牧場を舞台した「野辺山シクロクロス」は11月18日、UCI(国際自転車競技連合)登録のクラス2レースを含む4カテゴリー、10レースが行われた。2.5kmのコースは、牧草地、泥、舗装路、砂利とバラエティ豊か。傾斜は少なく、昨年より段数が増えて12段となった「フライオーバー」(立体交差)や、前日の雨で水を含んだ泥での戦いに注目が集まった。

地力を発揮した竹之内

泥セクションで竹之内悠(チームユーラシア)を追う小坂光(宇都宮ブリッツェン)泥セクションで竹之内悠(チームユーラシア)を追う小坂光(宇都宮ブリッツェン)
「フライオーバー」(立体交差)を華麗にこなしていく選手ら「フライオーバー」(立体交差)を華麗にこなしていく選手ら

 メーンイベントとなった男子UCIエリートクラスは、スタートから小坂光(宇都宮ブリッツェン)が飛び出した。これは1周目で吸収され、先頭集団は全日本チャンピオンの竹之内悠(チームユーラシア)、丸山厚(マッサ・フォーカス・スーパーB)、それに小坂光と父の小坂正則(スワコレーシングチーム)の親子を含む4人に。その後、小坂光が遅れ、5周目には15秒の差が開いた。

 レースが動いたのは6周目。「途中で疲れたが、後半持ち直した」と話す竹之内がペースアップをはかり、小坂正、丸山は散り散りに離れていく。後方では、トップ選手のラップタイムにプラス80%、つまり1.8倍の時間がかかった選手がタイムアウトとなる“80%ルール”が適用され、コース上の選手は徐々に少なくなっていった。

 ラスト1周までに後続の小坂正に26秒の差をつけた竹之内が、1時間を超す泥のレースを制して大会3連覇を果たした。表彰台で竹之内は、「最初から仕掛けたかった」と振り返り、体調が万全でなかったことをうかがわせたが、「コース上のどこでも応援の声があり、嬉しかった」と、熱い声援を送った観客に感謝の気持ちを伝えた。

 2位の小坂正は、王者・竹之内について「ここぞという時に力を発揮できるのはすごい」と称えた。また3位の丸山は、「ペースアップには焦ったが、タイムを気にしつつ集中した走りができた」と満足そうに振り返った。前日のシングルスピードで優勝したブレナン・ウォットリ(アメリカ)は6位だった。

男子UCIカテゴリー/C1結果(8周回)

1 竹之内悠(チームユーラシア) 1時間02分54秒
2 小坂正則(スワコレーシングチーム) +32秒
3 丸山厚(マッサ・フォーカス・スーパーB) +1分09秒
4 小坂光(宇都宮ブリッツェン) +2分00秒
5 沢田時(チームプリヂストンアンカー) +2分39秒
6 ブレナン・ウォットリ(アメリカ) +3分04秒
7 中井路雅 +3分46秒
8 モリー・キャメロン(アメリカ、ポートランドバイシクルスタジオ) +3分51秒
9 山本和弘(キャノンデール・レーシングチーム) +3分58秒
10 前田公平(スピードヴァーゲン・シクロクロスチーム) +4分10秒

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女子はメカトラに負けず豊岡が圧勝

女子UCIカテゴリーレース、スタートからトップスリーが並んだ女子UCIカテゴリーレースがスタート
ゴールストレートで観客とタッチする豊岡英子(パナソニックレディース)ゴールストレートで観客とタッチする豊岡英子(パナソニックレディース)

 女子のUCIレースは1周目、連覇の期待がかかる豊岡英子(パナソニックレディース)の後輪にメカトラブルが発生。「ピット通過後に気づいた」と話す豊岡は、途中でバイクを担がなければならない場面もあった。

 バイク交換後は、不安のない走りでトップに躍り出て、最終周へ入る頃には後続に40秒もの差をつけた。リードを保ったまま最終コーナーをクリアし、手を出して迎える観客にタッチしながらゴール前のストレートを走り抜けた。2位には、ローラ・ウィンベリー(アメリカ、スピードヴァーゲン・シクロクロスチーム)との争いを制した宮内佐季子(クラブビエント)が食い込んだ。

 序盤のメカトラブルについて「焦ったけれど、自分のためになる」とあくまで前向きに受け止める豊岡。12月上旬に控えた全日本選手権に向けても「今日のような“神がかった”走りができたら最高」と意気込みを語った。

女子UCIカテゴリー/CL1結果(4周回)

1 豊岡英子(パナソニックレディース) 38分42秒
2 宮内佐季子(クラブビエント) +42秒
3 ローラ・ウィンベリー(アメリカ、スピードヴァーゲン・シクロクロスチーム) +44秒
4 ティナ・ブリュベッカー(アメリカ、スピードヴァーゲン・シクロクロスチーム) +2分07秒
5 アレクサンドラ・バートン(アメリカ、アッパーエシェロンフィットネス) +2分51秒
6 齋藤磨実(チーム マサ プラス/ボーマ) +3分03秒

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ホビーレースもシクロクロスの醍醐味を満喫

 UCIレースに次ぐレベルで競われるカテゴリー2(C2、CL2)レース。シングルスピードの愛車でスタートから攻めの走りをみせた現役メッセンジャー、オースティン・ホース(アメリカ、KING KOG/ROSKO)が勝利を手にした。

カテゴリー2レースのスタートカテゴリー2レースのスタート
メダル代わりのカウベルを持ってみせるオースティン・ホース(KING KOG/ROSKO)メダル代わりのカウベルを持ってみせるオースティン・ホース(KING KOG/ROSKO)

 
カテゴリー3(C3A~C、CL3)では、200人近い参加者らが重い泥に苦しみながらもレースを楽しんだ。中には「キツイ!」と叫びながら走る参加者も。会場には、応援するカウベルの音が鳴り響いていた。

緊張した表情でスタートを待つ緊張した表情でスタートを待つ
コース上には観客の集まる東屋を抜ける場所もコース上には観客の集まる東屋を抜ける場所も

 
40歳以上のマスター(CM)レースでは、ベテランの男性らが熱い走りをみせた。東京から参加した大須賀敏光さん(43)はレース後、「“オヤジ”たちのレースです。こけたけど、今日の走りは100点!」と爽やかな笑顔で話した。

カテゴリーマスターのスタート前カテゴリーマスターのスタート前
子供と表彰台に登る参加者も。カテゴリー3Aレース表彰台。左から2位平井啓資、優勝渡辺将大、3位斎藤朋寛(GJ EMP)子供と表彰台に登る参加者も。カテゴリー3Aレース表彰台。左から2位平井啓資、優勝渡辺将大、3位斎藤朋寛(GJ EMP)

文・写真 柄沢亜希
 

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