ツール・ド・とちぎ2017 最終・第3ステージフェルナンデスが集団スプリントを僅差で制す 総合優勝はリードを守ったヒル

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 栃木県内を舞台としたUCIロードレース「第1回ツール・ド・とちぎ」は4月2日、最終第3ステージが、矢板市から宇都宮市までの道のりで開催され、集団スプリントをエゴイツ・フェルナンデス(スペイン、チームUKYO)が制して優勝を飾った。タイム差を守ったベンジャミン・ヒル(オーストラリア、アタッキ・チームグスト)が記念すべき第1回大会の王者に輝き、また、山岳賞、スプリント賞を獲得。地元チームの岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が新人賞ジャージを守りきった。

ワンツーフィニッシュを果たしたチームUKYO。中央が優勝したエゴイツ・フェルナンデス(スペイン) Photo: Shusaku MATSUO

石橋学が後半を独走

 スタート地点とゴール地点が異なるラインレース形式で開催されたツール・ド・とちぎも最終日。レースは矢板市役所をスタートし、「JBCF宇都宮クリテリウム」の会場となる清原工業団地までの102kmで争われた。コース序盤に山岳を越えるが、残りは下りと平坦路が続き、ハイスピードな展開が予想された。

スタートラインに4賞ジャージが並ぶ Photo: Shusaku MATSUO
矢板市役所からスタートする選手たち Photo: Shusaku MATSUO

 スタートが切られ、ダミアン・モニエ(フランス、ブリヂストンアンカー)や岸崇仁(那須ブラーゼン)らが飛び出すも、上り口までに吸収。上りでもメイン集団のスピードは速く、縦一列に伸び、後方では選手が溢れ落ち、中切れも起きた。

KOMをトップで通過するベンジャミン・ヒル(オーストラリア、アタッキ・チームグスト) 写真:ツール・ド・とちぎ2017

 山頂をヒルがトップで通過し、山岳賞ジャージを着るサルバドール・グアルディオラ(スペイン、チームUKYO)らが2位で通過。スピードを落とさない先頭集団が下り終える頃には大きなグループが2つに割れたが、スプリントポイントまでには1つとなった。スプリントポイントでは総合3位につける鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)がトップで通過し、ボーナスタイム3秒を獲得。2位につけるジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム)との差を3秒に詰めた。

ホットスポットでは鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)が先頭で通過し、ポイントとボーナスタイムを獲得 写真:ツール・ド・とちぎ2017

 総合リーダーを擁するアタッキ・チームグストがコントロールを開始し、メイン集団が落ち着きをみせると、石橋学(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム)がアタック。メイン集団から1分50秒のリードを築き、2014年のU23個人タイムトライアルチャンピオンが独走で実力を示した。

後半を独走してレースをリードした石橋学(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) 写真:ツール・ド・とちぎ2017

 50kmあまりを逃げた石橋だったが、メイン集団のアタッキ・チームグストや、オリヴァーズ・リアル・フード・レーシングの牽引によりラスト10kmで吸収。スプリンターの吉田隼人を擁するマトリックスパワータグも隊列に加わり、メイングループは集団スプリントの体制へと入った。

「小指の半分の差」の大接戦

 オリヴァーズ・リアル・フード・レーシングらが前方を固める最中、ラスト500m地点で大会側のバイクが側道へそれる際、先頭付近の選手たちが誤ってコースから外れるアクシデントが発生。メンバーがシャッフルされた状態でラストの右コーナーを曲がると、先頭に躍り出たのはチームUKYO。フェルナンデスと、畑中勇介(チームUKYO)が並んだ状態でもがき、ほぼ同時にゴールラインを切った。

横一線でフィニッシュする集団。僅かな差でエゴイツ・フェルナンデス(スペイン、チームUKYO)が勝利を収めた Photo: Shusaku MATSUO

 勝利の雄叫びを上げたのは畑中だったが、写真判定の結果、僅かな差でフェルナンデスが勝った。フェルナンデスは昨年までスペインのアマチュアレースを走り、今季初のプロ入りを果たした。プロ初勝利に対し「自分はオールラウンダーでスプリンターではないが、うまくアクシデントを避けられたので勝利をつかむことができた」とコメント。2位の畑中は「感覚としては先着したと思った。結果的に僅差で勝利を逃したが、相手がチームメートだったのが幸いだ。写真判定を確認したが、小指の半分、おそらく画面のドット1つ分あるかないかの差だった」と振り返った。

リーダージャージに加え、獲得した山岳、ポイントジャージを手にするベンジャミン・ヒル(オーストラリア、アタッキ・チームグスト)と新人賞の岡篤志(宇都宮ブリッツェン) Photo: Shusaku MATSUO

 3日間で約320kmを走り、個人総合優勝に輝いたのはヒル。最終ステージも3位でフィニッシュし、危なげなくリーダージャージを守りきった。また、KOMをトップで通過したことでポイントが逆転し、山岳賞を獲得。また、ポイント賞もバトムンク・マラルエルデネ(モンゴル、トレンガヌ サイクリングチーム)から奪還し、3賞ジャージを全て獲得した。

昨年はスペインのアマチュアレースを走り、プロ初優勝を果たしたエゴイツ・フェルナンデス(スペイン、チームUKYO) Photo: Shusaku MATSUO
毎ステージをアグレッシブに攻め、チーム総合優勝を果たしたキナンサイクリングチーム Photo: Shusaku MATSUO

 また、新人賞ジャージは初日から着用していた岡が守りきった。「昨年は100%自転車に打ち込める環境ではなかったが、プロになり集中して競技に臨めているのが結果に表れた。初日で2位、総合でも上位でゴールできたので、次回は総合優勝を狙える実力があると確認できた」と自信を見せた。

ワンツーフィニッシュを飾ったチームUKYOの畑中勇介(左)とエゴイツ・フェルナンデス Photo: Shusaku MATSUO

第3ステージリザルト
1 エゴイツ・フェルナンデス(スペイン、チームUKYO) 2時間19分34秒
2 畑中勇介(チームUKYO) +0秒
3 ベンジャミン・ヒル(オーストラリア、アタッキ・チームグスト)
4 徳田匠(鹿屋体育大学)
5 鈴木龍(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム)
6 モハマド・シャルゥ・マット・アミン(マレーシア、トレンガヌ・サイクリングチーム)
7 アイラン・フェルナンデス(スペイン、マトリックスパワータグ)
8 マリオ・ヴォクト(ドイツ、アタッキ・チームグスト)
9 土井雪広(マトリックスパワータグ)
10 柴田 雅之(那須ブラーゼン)

個人総合成績
1 ベンジャミン・ヒル(アタッキ・チームグスト) 6時間59分2秒
2 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、キナンサイクリングチーム) +14秒
3 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン) +19秒
4 ホセヴィセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ) +22秒
5 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、チームUKYO) +1分14秒
6 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +1分20秒
7 畑中勇介(チームUKYO) +1分22秒
8 マリオ・ヴォクト(ドイツ、アタッキ・チームグスト) +1分27秒
9 鈴木龍(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) +1分28秒
10 土井雪広(マトリックスパワータグ)

個人ポイント賞総合成績
ベンジャミン・ヒル(アタッキ・チームグスト)

個人山岳賞総合成績
ベンジャミン・ヒル(アタッキ・チームグスト)

新人賞総合成績
岡篤志(宇都宮ブリッツェン)

チーム総合優勝
キナンサイクリングチーム

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