三毛猫駅長「たま」の貴志駅も拠点1台10万円“高級自転車”をレンタル 和歌山・紀ノ川エリアで観光サイクリングを推進

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JR和歌山線岩出駅前で、レンタサイクルの使い方の説明を受ける利用者JR和歌山線岩出駅前で、レンタサイクルの使い方の説明を受ける利用者

 和歌山県の岩出、紀の川両市を含む紀ノ川流域で、サイクリングをキーワードにした地域振興策が進められている。県や両市などでつくる「紀の川エリア観光サイクリング推進協議会」は1台約10万円の高級自転車をレンタサイクルに活用。観光客誘致のため、JR和歌山線粉河駅(紀の川市)の駅前だけだった設置場所を10月19日から同線岩出駅(岩出市)、和歌山電鉄貴志川線貴志駅(紀の川市)の駅前にも増やすなど積極的な取り組みを続けている。(藤崎真生)

自転車に熱視線

 紀ノ川沿いには紅葉の名所としても知られる根来寺(岩出市)や、三毛猫の駅長「たま」がいる貴志駅といった観光地があるものの各ポイントが点在。バスや電車の本数も少ないため、各地をつなぐ交通手段が十分に整っていなかった。

 一方、岩出市から紀の川市までの紀ノ川の堤防沿いの道路は、車の通行量も少なく、自転車の旅を安全に楽しめる。そうした環境を活用しようと、県や地元有志らは平成22年度にサイクリングのイベントを開催したり、各地の見どころを記したマップを作ったりと地域の魅力を発信。さらなる観光客誘致にと24年3月末に沿線自治体なども加わって「協議会」を立ち上げた。

 「都市化の進んだ地域と違い、自転車で少し走って信号で止められることもない。走る爽快感が味わえるサイクリングに適した場所です」と協議会事務局の阪本浩之・県那賀振興局企画産業課長は、この地域の魅力を説明する。

高品質で勝負を

 一連の取り組みは、今年5月、粉河駅前にレンタル自転車を設置することから始まった。価格は1日1000円で、4時間までなら500円。他のレンタサイクルと違う点は、米「ダホン社」の最新型折りたたみ式自転車が準備されたこと。18段変速が可能なタイプで価格も約10万円という高級品であるだけに、注目度は高かった。

 さらに協議会は、売り込みを図るため10月初旬、大阪市内で開催された、関西最大級の総合展示・試乗会「サイクルモードフェスタ」に出展。協議会のブースには3日間で約2500人が訪れ、来場者から「この自転車が1000円で乗れるんですか」と驚きの声もあがったという。

 高品質にこだわった理由について阪本課長は「注目度を高め、『サイクリングをしたい』と多くの利用者に思わせる仕掛けが必要だった」と話す。

点と線どう結ぶ

 今回の設置場所拡大で10月19日から、利用者は3駅前いずれかで自転車を返却できるようになった。折り畳んだ自転車を列車内に持ち込めるため、利用者は「運転に疲れたときは電車でどこかの返却場所まで帰る」ということも可能になった。

 岩出駅前で自転車を借りた大阪府阪南市の男性会社員(55)は、大阪のフェスタで設置場所拡大を知った。男性は「折り畳んだ自転車を電車に持ち込めることで、使う側は行動範囲も広がる。この取り組みが他でも広がってほしい」と話すなど反応は上々。

 現在、協議会は「ここでは桃の花を見ることができる」など今年度中の更新を目指し、サイクリングマップに載せる新観光スポットを探している。阪本課長は「観光地という『点』とサイクリングコースという『線』を結び、PRを進めることが重要」と強調。さらなる魅力発信に向けて挑戦は続いていく。

産経新聞和歌山県版「ズームアップ2012」より)

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