今シーズンの石畳系クラシック3勝目ヴァンアーヴルマートがヘント~ウェヴェルヘム初優勝 マッチスプリントで貫録

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
  • 一覧

 石畳系クラシックの1つ、「ヘント~ウェヴェルヘム・イン・フランダースフィールズ」が3月26日にベルギー北部のフランドル地方で行われ、2人に絞られた勝負をマッチスプリントで制したグレッグ・ヴァンアーヴルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)が初優勝。これで今シーズンの石畳系クラシック3勝目となった。

マッチスプリントを制してヘント〜ウェヴェルヘム初優勝を挙げたグレッグ・ヴァンアーヴルマート Photo: Yuzuru SUNADA

 今年で79回目を迎えたこの大会。過去の優勝者をさかのぼっていくと、スプリンターの名が挙がることもあり、パヴェ(石畳)のセクションがカギを握る「北のクラシック」の中でもスプリンターズクラシックの色合いも見せる。249kmにおよぶ戦いのポイントは、最大勾配24%、直後の下りもテクニカルなケンメルベルグ。2回通過するが、その2回目はフィニッシュ前34km地点。この区間で集団の人数が絞り込まれることが多いのが特徴だ。

レーススピードが上がったメイン集団で落車が相次いだ Photo: Yuzuru SUNADA

 まずレースは9人がリード。最大で7分45秒のリードを確保する。フィニッシュまで100kmを切ると、メイン集団が少しずつペースコントロールをはじめ、徐々に逃げグループとのタイム差が縮まってゆく。ペースが上がるにつれて、集団ではパヴェや道幅の狭い区間で落車が起きはじめ、風を利用した集団分断も見られる。すぐに勝負に影響するケースはなかったが、選手たちにとってはストレスになる時間帯が続いた。

難所のケンメルベルグを上るトム・ボーネン Photo: Yuzuru SUNADA

 やがて迎えた1回目のケンメルベルグは、トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップフロアーズ)がメイン集団の先頭で上る。直後にはラルス・ボーム(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ)、オリヴィエ・ネーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール ラモンディアル)が、残り58kmではパヴェでズデニャック・シュティバル(チェコ、クイックステップフロアーズ)のペースアップを機に、数人で追走グループを形成したがいずれもレースを動かすまでには至らず。メイン集団へ戻されている。

 そうしている間に、逃げはプレーベン・ヴァンハック(ベルギー、スポートフラーンデレン・バロワーズ)ただ1人に。この状況はそう長くは続かず、レースは残り39kmとなったところでふりだしへと戻った。

 散発のアタックはどれも失敗に終わったが、2回目のケンメルベルグでレースは大きな局面を迎えた。この石畳の上りでヴァンアーヴルマートがアタック。これにペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が合流。直後の下りを経て、平坦区間に入っても次々と力のある選手が加わり、残り30kmとなったところで先頭グループは14人となった。

グレッグ・ヴァンアーヴルマートを先頭に、優勝争いの人数が絞り込まれていく Photo: Yuzuru SUNADA

 優勝を意識するうえで、集団の人数を絞りたいヴァンアーヴルマートは、残り20kmで再び牽引を開始。すると、先頭グループに中切れが発生。ヴァンアーヴルマート、サガンのほか、ニキ・テルプストラ(オランダ、クイックステップフロアーズ)、イェンス・クークレール(ベルギー、オリカ・スコット)、ソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、チーム サンウェブ)の5人が先行し、後方に取り残された選手たちはブリッジを狙うも追いつくことができない。

 さらに進んだ残り16km地点では、ヴァンアーヴルマートとクークレールが抜け出すことに成功。同調したかったサガンらは互いに牽制してしまい、前方をうかがうも合流はできず。先頭2人と追う3選手は10秒前後の差でラストの数キロを進んでいくこととなった。

優勝を賭けたマッチスプリント。グレッグ・ヴァンアーヴルマート(右)に軍配が上がった Photo: Yuzuru SUNADA

 追走グループとのタイム差が一時10秒を切ったタイミングがあったものの、協調を続けた先頭の2人はそのまま優勝を懸けた勝負へ。ラスト1kmを切って、前へ出たのはヴァンアーヴルマート、ピッタリとクークレールがマークする。そして残り200m。ヴァンアーヴルマートがスプリントを開始すると、クークレールもその脇から加速する。スピードには自信のある両者の争いは、前を譲らなかったヴァンアーヴルマートに軍配が上がった。

 おなじみとなった雄たけびを上げて、勝利をアピールするヴァンアーヴルマート。今シーズンの個人での勝利はいずれも石畳系クラシックによるもの。2月のオンループ・ヘットニュースブラッド、2日前のレコードバンク・E3ハレルベークに続いての優勝となったが、1シーズンのこの3レースを勝利するのは実に36年ぶり。昨年のリオデジャネイロ五輪を制し、波に乗る31歳はこの先のビッグクラシックでは優勝候補筆頭として臨むことになりそうだ。

 健闘したクークレールは優勝こそならなかったが、殊勲の2位。表彰台最後の枠となる3位にはメイン集団の猛追をかわしたサガンがその座を確保している。

 この先数レースをはさんで、北のクラシックは4月2日のツール・デ・フランドル、4月9日のパリ~ルーベでピークを迎える。今レースで活躍した選手たちが、引き続き主役としてビッグクラシックの頂点を目指す。

上位3選手の表彰。左から2位イェンス・クークレール、1位グレッグ・ヴァンアーヴルマート、3位ペテル・サガン Photo: Yuzuru SUNADA

ヘント~ウェヴェルヘム結果
1 グレッグ・ヴァンアーヴルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム) 5時間39分5秒
2 イェンス・クークレール(ベルギー、オリカ・スコット) +0秒
3 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) +6秒
4 ニキ・テルプストラ(オランダ、クイックステップフロアーズ)
5 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード)
6 トム・ボーネン(ベルギー、クイックステップフロアーズ)
7 イェンス・デブシェール(ベルギー、ロット・ソウダル)
8 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ)
9 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)
10 サーシャ・モドロ(イタリア、UAE チームエミレーツ)

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

UCIワールドツアー

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載