スマートフォン版はこちら

僅差のゴールスプリントで決着クウィアトコウスキーがミラノ~サンレモ初制覇 サガンのアタックで生まれた3人の勝負

by 平澤尚威 / Naoi HIRASAWA
  • 一覧

 5大クラシックレース“モニュメント”のシーズン初戦「ミラノ~サンレモ」(UCIワールドツアー)が3月18日に291kmで争われ、ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ)がペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップ・フロアーズ)とのゴールスプリントを制し初優勝を飾った。初出場を果たしたNIPPO・ヴィーニファンティーニの内間康平は194位、中根英登はDNFだった。

ミカル・クウィアトコウスキー(中央)が3人のゴールスプリントを制しミラノ~サンレモ初優勝 Photo: Yuzuru SUNADA
海岸沿いを駆けるプロトン Photo: Yuzuru SUNADA

 今年で108回目を迎えたミラノ~サンレモは、約300kmというサイクルロードレース界で最長のレース距離が特徴。イタリア北部のミラノから南下し、地中海沿岸を走ってフランス国境近くのサンレモへゴールするルートをとる。コースは平坦基調だが、ラスト30kmを切ってから登場する2つの丘「チプレッサ」と「ポッジオ」は、スプリンターにとってはスプリント勝負のために乗り越えなければならない関門であり、パンチャーにはアタックを仕掛ける数少ないチャンスとなる勝負どころだ。

 スタートからまもなく10人の逃げが形成され、メイン集団は昨年の王者アルノー・デマール(フランス)を擁するエフデジを中心にスプリンターチームが牽引。最大でも5分だったタイム差はレース中盤から徐々に縮まり、メイン集団が逃げを視界に捉えた状態でチプレッサを迎えた。

チプレッサで仕掛けたティム・ウェレンス Photo: Yuzuru SUNADA

 チプレッサではティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・ソウダル)らパンチャーたちがアタックを仕掛けるが、上りでも下りでも抜け出せず。平坦区間では各チームのトレインがポジション争いを繰り広げ、スカイが先頭でポッジオへ突入した。

 ポッジオは登坂距離3.7km、平均勾配3.7%の上りで、頂上に近づくと最大勾配8%の区間が現れる。ポッジオに入るとトム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ)が先頭に上がり、ジワジワと差を広げたりカーブでアタックしたりと抜け出しを図った。しかし、スカイのトレインがその動きを封じ込める。

 デュムラン以外の目立った動きがなく頂上が近づくと、勾配が厳しくなりスカイトレインのペースが落ちた瞬間、背後からサガンが飛び出した。ミラノ~サンレモ初制覇を狙う世界チャンピオンが、集団スプリントという展開を待つのではなく、自ら勝負を決めに行った。

ポッジオでアタックしたペテル・サガン Photo: Yuzuru SUNADA

 このアタックにクウィアトコウスキーとアラフィリップが食らいついた。今シーズン好調のクラシックレーサーたちがサガンの独走を阻み、3人で下りへ突入。メイン集団との差はあっという間に広がっていった。

 下りはサガンが先頭を引き、その後ろにアラフィリップ、クウィアトコウスキーと続く。残り3kmを切ると後ろの2人も先頭交代に加わり始めたが、サガンは消耗することを意に介していないかのように、すぐに前に出て自ら引き続けた。

 3人は20秒のリードで残り1kmへ。スプリンターとしてトップレベルの実力を持つサガン、少人数のスプリントを得意とするクウィアトコウスキー、スプリントではやや不利なアラフィリップの順で、牽制気味にゴールへ近づいていく。

 サガンとクウィアトコウスキーは、しきりに視線を送って背後の動きを確認。メイン集団が迫るなか、クウィアトコウスキーが後ろを数回振り返ると、サガンとの差がほんのわずかに開いた。そのタイミングでサガンがスプリントを開始した。先行されたクウィアトコウスキーだったが少しずつ間を詰め、残り25mでサガンを捉えた。最後はともにハンドルを投げ、クウィアトコウスキーがわずかな差で接戦を制した。

ペテル・サガンがバランスを崩しミカル・クウィアトコウスキーに接触 Photo: Yuzuru SUNADA
チームメイトと抱き合って喜ぶミカル・クウィアトコウスキー Photo: Yuzuru SUNADA

 フィニッシュラインを通過した直後にサガンがバランスを崩しクウィアトコウスキーに接触してしまったが、落車などのトラブルはなく、サガンが差し出した手をクウィアトコウスキーが握り返し健闘を称えあった。アラフィリップは同タイムの3位、メイン集団は5秒差でフィニッシュした。

 クウィアトコウスキーは3月4日のストラーデ・ビアンケに続く今シーズン2勝目で、モニュメントのタイトル獲得は自身初。2014年に23歳という若さで世界選手権を制した経験をもつクラシックレーサーが、現チャンピオンを下し新たな称号を手にした。

(左から)ペテル・サガン、ミカル・クウィアトコウスキー、ジュリアン・アラフィリップ Photo: Yuzuru SUNADA

■ミラノ~サンレモ結果
1 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) 7時間8分39秒
2 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) +0秒
3 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップ・フロアーズ)
4 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ・アルペシン) +5秒
5 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップ・フロアーズ)
6 アルノー・デマール(フランス、エフデジ)
7 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、トレック・セガフレード)
8 ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ)
9 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、チーム スカイ)
10 カレイブ・ユアン(オーストラリア、オリカ・スコット)
194 内間康平 +17分22秒
DNF 中根英登

関連記事

この記事のタグ

UCIワールドツアー

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

ショップナビ

新春初夢プレゼント2018

スペシャル

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載