ティレーノ~アドリアティコ2017 第5ステージ厳しい上りで生き残ったサガンが今大会2勝目 総合2位のイェーツがリタイア

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 イタリアで開催のUCI(国際自転車競技連合)ワールドツアー「ティレーノ〜アドリアティコ」は3月12日、第5ステージが行われ、世界チャンピオンのペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が壮絶なアップダウンコースを生き延びた先頭集団のスプリントを制して優勝した。総合2位に付けていたアダム・イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)が発熱でリタイア。首位はナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)が堅守した。

虹色の世界チャンピオンジャージを着るペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が、厳しい上りを生き残り、総合勢を相手に圧巻のスプリントで勝利 Photo: Yuzuru SUNADA

 前日に山頂ゴールのクイーンステージを終えた翌日、勝るとも劣らない厳しいコースが用意された。リエティからフェルモへの210kmのコースは、中盤に山岳を1つ越え、後半はゴール地点のフェルモ周辺を複雑に周回するルートをとる。

 丘の斜面に張り付いたフェルモ旧市街の道は、狭い石畳と急勾配、急カーブが連続。また最大22%の急坂を、ラスト2.5kmの終盤を含め2度上るなど、ノコギリのようにアップダウンを繰り返すコースプロフィールだ。

スタートに並んだ総合4賞ジャージ。右端の新人賞、イェーツは体調不良でレース途中リタイアした Photo: Yuzuru SUNADA

 レースは前日不調に沈んだファビオ・アル(イタリア、アスタナ プロチーム)が、気管支炎で未出走。また前日まで総合首位のキンタナから33秒差の総合2位に付け、新人賞ジャージを着るイェーツが、胃炎からくる発熱で、レース中盤を過ぎたところでリタイアする波乱があった。

 前半は繰り下がりで山岳賞ジャージを着るダヴィデ・バレリーニ(イタリア、アンドローニジョカットリ・シデルメク)ら数人が先行。最初の山岳賞を過ぎて追走が合流し、代わってミケル・ランダ(スペイン、チーム スカイ)、ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)ら4人が先行する展開になった。

 しかし最初のフェルモ旧市街池に入り、4人の逃げは吸収。ここで攻撃を見せたのはミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ)だ。再三のアタックから抜け出し、2つ目の山岳賞を先頭で通過した。フェルモの市街地でのアタック合戦は続き、残り20kmを前にヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チーム スカイ)、ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム)が抜け出す。これを追うメイン集団も、活発な動きを続け人数を減らしていく。

クウィアトコウスキーに集団が迫る Photo: Yuzuru SUNADA
先行するキリエンカとサンチェス Photo: Yuzuru SUNADA

 先行の2人からはキリエンカが脱落し、残り10km地点はサンチェスが単独先頭で通過。ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)らが後退する中、メイン集団先頭はラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)がペースを作る。驚くことにボーラのエース、サガンがこの時点でメイン集団に生き残っていた。

 残り9kmからはティージェイ・ヴァンガードレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)がメイン集団からアタック。サンチェスと合流して先行するが、集団も10秒ほどの差で追いすがり、最後の急勾配区間の入り口で逃げは捕えられた。さらに急勾配では総合首位のブルージャージを着るキンタナが満を持してのアタック。ここで集団は粉々に分解した。

 急勾配を過ぎてキンタナに付くのはティボー・ピノ(フランス、エフデジ)、ゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ)、プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNL・ユンボ)の3人。ここにトム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ)ら4人が、さらに遅れてサガンもここに追い付くことに成功した。

新たな可能性を見せた世界チャンピオンのサガン Photo: Yuzuru SUNADA

 こうなると残り1kmからはサガンの独壇場。ウランのアタックを簡単に潰すと、集団先頭に立ってライバルの攻撃を牽制する。ゴールスプリントを前に一旦ポジションを下げ、全てを視界に収めてから加速すると、先行するトーマスをいとも簡単に抜き去って先頭に立ち、狭いゴールをそのまま駆け抜けた。

 サガンは今大会、第3ステージに続く2勝目。単純なスプリントステージではなく、総合争いの選手らがしのぎを削る厳しいアップダウンステージで生き残っての勝利。27歳の世界王者のさらなる可能性を感じさせる、驚異的なステージ優勝となった。

 総合首位と山岳賞はキンタナが守り、ポイント賞は再びサガンの手に移った。新人賞はエガンアルレイ・ベルナル(コロンビア、アンドローニジョカットリ・シデルメク)が新たに獲得。NIPPO・ヴィーニファンティーニの中根英登、内間康平はともに後方集団で完走を果たしている。

第5ステージ結果
1 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 5時間00分05秒
2 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ) +0秒
3 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNL・ユンボ)
4 ゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ)
5 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)
6 リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック)
7 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ)
8 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)
9 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
10 シモン・スピラク(スロベニア、カチューシャ・アルペシン) +6秒
104 中根英登(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +24分12秒
150 内間康平(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +24分58秒

個人総合
1 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 21時間34分51秒
2 ティボー・ピノ(フランス、エフデジ) +50秒
3 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +1分06秒
4 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNL・ユンボ) +1分15秒
5 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ) +1分19秒
6 ゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ) +1分23秒
7 リゴベルト・ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック) +1分30秒
8 ホナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター チーム) +1分32秒
9 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) +1分37秒
10 シモン・スピラク(スロベニア、カチューシャ・アルペシン) +1分59秒
137 中根英登(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +1時間03分03秒
160 内間康平(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +1時間16分46秒

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