イタリア発・自転車演劇自転車集団が街を劇場に GWに静岡県各地で上演

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静岡市内に現れた黒服の自転車集団が観客を1920年代のリスボンへと誘う静岡市内に現れた黒服の自転車集団が観客を1920年代のリスボンへと誘う(米山一輝撮影)

 黒のスーツに山高帽を身にまとった自転車集団が、歌や音楽を奏でると、そこはもう20世紀初頭のリスボン-。「旅」という名の不思議な演劇作品が、ゴールデンウィークの静岡県内を、文字通り「旅」をして回っている。4月30日に静岡市内で行われた公演を現地で体感した。(産経デジタル 米山一輝)

商店街の屋根の上に現れて歌う詩人達(米山一輝撮影)商店街の屋根の上に現れて歌う異名詩人達(米山一輝撮影)
そこへ現れた白服の青年(米山一輝撮影)そこへ現れた白服の青年(米山一輝撮影)
青年は異名詩人達に誘われるまま…(米山一輝撮影)青年は無名詩人達に誘われるまま…(米山一輝撮影)

 休日の繁華街に集まった観客はまず、建物の屋根から登場する役者に驚かされた。すぐに始まる音楽と歌。ひとしきり演奏した役者達は、今度は路上に下り、黒い自転車にまたがって歌い、走る。そこに現れた、ただ一人白服の青年。彼は黒服の集団に誘われて…。

自転車パフォーマンスを路上で繰り広げる演劇作品「旅」。静岡県各地で無料上演される =4月30日、静岡市内(米山一輝撮影)

 作品はポルトガルの20世紀前半を代表する詩人、ペソアの詩をモチーフにしており、ペソアの詩の朗唱がたびたび挿入される。ペソアは様々な異名でも創作し、その異名ごとに独自の作風を持つことで知られる。今回の作品で、黒服の集団はペソアの異名詩人たち、白服の青年はペソア自身を表し、彼が自らの精神世界の中でひと時の旅をするストーリーになっている。

 とはいえ、そんな事を考えなくても楽しめるパフォーマンスが満載だ。哀愁漂う音楽や歌。自転車は観客をかき分けて縦横無尽に走り、人と自転車がダンスをしたり、時にはひっくり返ったりしながら、不思議な世界を作りあげる。路上の「劇場」が場所を変えると、観客も誘われるままに移動を繰り返し、いつしかリスボンの雑踏にいるような錯覚に陥る。約50分の上演時間はあっという間に終わってしまった。

自転車パフォーマンスを路上で繰り広げる演劇作品「旅」。静岡県各地で無料上演される =4月30日、静岡市内(米山一輝撮影)自転車パフォーマンスを路上で繰り広げる演劇作品「旅」。静岡県各地で無料上演される =4月30日、静岡市内(米山一輝撮影)

 作品はイタリアの「ポンテデーラ演劇財団」が制作。今回は、静岡県舞台芸術センター(SPAC)が、「ふじのくに せかい演劇祭2012」のプレイベントとして招聘した。公共スペースで無料上演する作品として、事前に演出家が県内各地を視察して場所を選んでおり、その場所によって演出方法などを細かく変えていくという。

 演出家によると、元々は単にペソアの扮装をして街中を自転車で移動するイベントだったが、自転車のパフォーマンスを追求するうちに、自転車とペソアという登場人物が非常にマッチし、分ち難い関係であることを発見したという。

◇            ◇

 ■「旅」の公演日程
5月1日(火)12時10分、静岡文化芸術大学構内(浜松市)
5月3日(木・祝)14時 サイクルスポーツセンター(伊豆市)
5月4日(金・祝)14時 遠州横須賀街道(掛川市)
5月5日(土)14時 富士山静岡空港(牧之原市・島田市)
5月6日(日)14時 エスパルスドリームプラザ(静岡市清水区)

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