スマートフォン版はこちら

夫婦でトップカテゴリ―を制覇【詳報】シェネルが圧勝、パワーズと竹之内は砂浜でデッドヒート シクロクロス東京

by 平澤尚威 / Naoi HIRASAWA
  • 一覧

 東京・お台場海浜公園で開催された国内最大級のシクロクロスイベント「シクロクロス東京 2017」は2月12日午後、男女トップカテゴリーであるエリート男子とCL1が行われ、スティーブ・シェネルとルーシー・シェネル(ともにフランス、Cross Team by G4)が夫婦で優勝を飾り、2位争いは海外招待選手と日本勢の勝負となった。

お台場で開かれた「シクロクロス東京2017」男子エリートを制したスティーブ・シェネル Photo: Naoi HIRASAWAお台場で開かれた「シクロクロス東京2017」男子エリートを制したスティーブ・シェネル Photo: Naoi HIRASAWA

ファンを沸かせた巧みなテクニック

 大雪や雨、強風など悪天候に見舞われることも多いシクロクロス東京だが、今年は大会を通して快晴に恵まれた。風は冷たいが、青空が広がり日差しは暖かい。来場者は2日間合計で2万人を超え、会場は寒さを吹き飛ばすような大きな声援とカウベルの音に包まれた。

最初のコーナーへ突入していく選手たち Photo: Ikki YONEYAMA最初のコーナーへ突入していく選手たち Photo: Ikki YONEYAMA
密集してスタートしていく選手たちを大勢の観客が見つめる Photo: Kyoko GOTO密集してスタートしていく選手たちを大勢の観客が見つめる Photo: Kyoko GOTO

 大会のラストを飾る男子エリートは、1周目でシェネルと竹之内悠(東洋フレーム)が抜け出し、クリス・ジョンジェワード(オーストラリア、Flanders-Nemisis)とアンソニー・クラーク(アメリカ、Squid Bikes)が合流。2年連続、3度目の優勝を狙うジェレミー・パワーズ(アメリカ、ASPIRE RACING)は出遅れたが2周目で追い上げ、5人が先頭パックを形成した。

巧みな体重移動で砂浜を攻略するジェレミー・パワーズ Photo: Naoi HIRASAWA巧みな体重移動で砂浜を攻略するジェレミー・パワーズ Photo: Naoi HIRASAWA

 全日本チャンピオンの沢田時(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム)や小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)、前田公平(弱虫ペダルシクロクロスチーム)ら日本勢はその後方でレースを展開することなった。

 シクロクロス東京の名物であるサンドエリアでは、トップ選手たちが巧みなバイクコントロールと体重移動を駆使して見事なライディングを披露。シケインをバニーホップで越えたり、フライオーバーでエアを決めたりとテクニックでもファンを沸かせた。

前から沢田時、小坂光、前田公平 Photo: Naoi HIRASAWA前から沢田時、小坂光、前田公平 Photo: Naoi HIRASAWA
バニーホップでシケインを越えるクリス・ジョンジェワード(左) Photo: Naoi HIRASAWAバニーホップでシケインを越えるクリス・ジョンジェワード(左) Photo: Naoi HIRASAWA

潮の満ち引きが生んだサンドエリアの攻防

 60分で行われる男子エリートは、11周回で争われた。先頭パックではジョンジェワードがリードして、竹之内が巻き返すなど、めまぐるしくトップが入れ替わる。3周目に入ると竹之内が前を引く場面が目立つようになり、4周目にはジョンジェワードとクラークが遅れ3人に絞られた。また、後方の日本勢のパックからは前田が抜け出し、前を行く海外選手を追った。

先頭に立った竹之内悠 Photo: Naoi HIRASAWA先頭に立った竹之内悠 Photo: Naoi HIRASAWA
追い上げる前田公平 Photo: Kyoko GOTO追い上げる前田公平 Photo: Kyoko GOTO

 5周目にはシェネルがリードを奪った。竹之内とパワーズはシェネルを追いながら、どちらかにミスがあればすぐに逆転するような、抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り広げた。一方で、先頭を行くシェネルは30秒、40秒とタイム差を奪い勝利に近づいていく。

トップのスティーブ・シェネルを追う竹之内悠 Photo: Naoi HIRASAWAトップのスティーブ・シェネルを追う竹之内悠 Photo: Naoi HIRASAWA
竹之内悠にジェレミー・パワーズが迫る Photo: Naoi HIRASAWA竹之内悠にジェレミー・パワーズが迫る Photo: Naoi HIRASAWA

 シェネルの優勝が決定的となり2位争いが激化するなか、10周目のサンドエリアでパワーズが竹之内を抜き去った。竹之内はレース後、走りやすかった波打ち際のラインが「潮が満ちてきたことによってなくなってしまった」ことが、勝負の分かれ目になったと解説した。残された難しいラインで、バイクに乗ろうと試みたことが裏目に出てしまったという。

ロードレースからシクロクロスへ

フライオーバーでガッツポーズするスティーブ・シェネル Photo: Naoi HIRASAWAフライオーバーでガッツポーズするスティーブ・シェネル Photo: Naoi HIRASAWA

 大きくリードしたシェネルは、最終周回終盤のフライオーバーでガッツポーズして観客にアピール。フィニッシュラインまでのウイニングランを味わいながら2位に50秒以上の差をつけての優勝を飾った。2位争いはパワーズが制し、ジョンジェワードが4位、追い上げた前田が5位に入った。

 優勝を飾ったシェネルは、ロードレースでエフデジなどフランス籍のプロチームを渡り歩いた経歴をもち、新城幸也が在籍したBボックス・ブイグテレコムにも所属していた。2年前にシクロクロスチームを結成し、現在のUCIランキングは今大会出場選手で最高位。実力通りの成績を収め「たくさんのファンの前で勝てて本当にうれしい」と喜んだ。

 パワーズは「悠とのバトルは楽しかった」と語り、2位という結果に満足した様子。表彰台常連の竹之内も、念願の優勝には手が届かなかったが「外国のスター選手に日本人選手が食らいつくというレースをファンに見せられて、盛り上げることができてよかった」と充実した表情を見せた。

レースを盛り上げた竹之内悠が、観客をあおってゴール Photo: Ikki YONEYAMAレースを盛り上げた竹之内悠が、観客をあおってゴール Photo: Ikki YONEYAMA
レース後にがっちりと握手する竹之内悠(左)とスティーブ・シェネル Photo: Naoi HIRASAWAレース後にがっちりと握手する竹之内悠(左)とスティーブ・シェネル Photo: Naoi HIRASAWA
(左から)ジェレミー・パワーズ、スティーブ・シェネル、竹之内悠が表彰式でビールファイト Photo: Naoi HIRASAWA(左から)ジェレミー・パワーズ、スティーブ・シェネル、竹之内悠が表彰式でビールファイト Photo: Naoi HIRASAWA

■シクロクロス東京2017 エリート男子結果
1 スティーブ・シェネル(フランス、Cross Team by G4)
2 ジェレミー・パワーズ(アメリカ、ASPIRE RACING)
3 竹之内悠(東洋フレーム)
4 クリス・ジョンジェワード(オーストラリア、Flanders-Nemisis)
5 前田公平(弱虫ペダルシクロクロスチーム)
6 ケリー・ワーナー(アメリカ、Kona Enduance Team)
7 アンソニー・クラーク(アメリカ、 Squid Bikes)
8 沢田時(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム)
9 小坂光(宇都宮ブリッツェンシクロクロスチーム)
10 丸山厚(ボーマ・ロンド)

「日本人選手のがんばりが刺激に」

 40分5周回で争われた女子エリートは、1周目に今井美穂がトップに立ち、シェネルや武田和佳(Liv)が追う展開になったが、2周目にはシェネルが大きなリードを築き始めた。今井や武田は追い上げたいところだが、ペースが上がらない。それとは対照的に、序盤は出遅れていたサミエル・ルーネルズ(アメリカ、quid pro team)や、スタート後の砂浜で後方から追い上げる形となった唐見実世子(弱虫ペダル サイクリングチーム)が、徐々に順位を上げていった。

1周目に先行した今井美穂(左) Photo: Naoi HIRASAWA1周目に先行した今井美穂(左) Photo: Naoi HIRASAWA
斜面の林のなかを駆ける武田和佳 Photo: Naoi HIRASAWA斜面の林のなかを駆ける武田和佳 Photo: Naoi HIRASAWA

 シェネルは盤石のレース運びで、40秒以上の差をつける圧勝を飾った。優勝インタビューでは「スロースタートだったけれど、サンドエリアで挽回を試みた。日本人選手のがんばりもあって、それが刺激になった」と勝因を明かした。

トップを独走し、サンドエリアでラップしていくルーシー・シェネル Photo: Naoi HIRASAWAトップを独走し、サンドエリアでラップしていくルーシー・シェネル Photo: Naoi HIRASAWA

 2位に入ったのは、カラフルなウェアとジャージで会場の注目を集めたルーネルズ。2位という結果については「最終周回で追い上げられていたので、とてもうれしい」と笑顔を見せた。また、唐見は怒涛の追い上げで3位に。

2位に浮上したサミエル・ルーネルズ Photo: Naoi HIRASAWA2位に浮上したサミエル・ルーネルズ Photo: Naoi HIRASAWA
怒涛の追い上げを見せた唐見実世子 Photo: Naoi HIRASAWA怒涛の追い上げを見せた唐見実世子 Photo: Naoi HIRASAWA
ゴール後に健闘を称えあうサミエル・ルーネルズ(右)と唐見実世子 Photo: Naoi HIRASAWAゴール後に健闘を称えあうサミエル・ルーネルズ(右)と唐見実世子 Photo: Naoi HIRASAWA
(左から)サミエル・ルーネルズ、ルーシー・シェネル、唐見実世子、プレゼンターの渡辺航さん Photo: Naoi HIRASAWA(左から)サミエル・ルーネルズ、ルーシー・シェネル、唐見実世子、プレゼンターの渡辺航さん Photo: Naoi HIRASAWA

■シクロクロス東京2017 CL1結果
1 ルーシー・シェネル(フランス、Cross Team by G4)
2 サミエル・ルーネルズ(アメリカ、quid pro team)
3 唐見実世子(弱虫ペダル サイクリングチーム)
4 エミリー・カチョレク(アメリカ)
5 武田和佳(Liv)
6 ナオミ・ウィリアムズ(オーストラリア、Team Willy Locke)
7 今井美穂
8 福本千佳(Live GARDEN Bici Stelle)
9 レベッカ・ルック(オーストラリア、Team Willy Locke)
10 西山みゆき(Toyo Frame)

フォトギャラリー


関連記事

この記事のタグ

シクロクロス東京

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

ショップナビ

新春初夢プレゼント2018

スペシャル

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載