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福田萌子の「もう一度、南の島を走りたい」<3>緊張のロードバイク再デビューへ「本当に乗れるかな…」 アップダウン特訓で屋久島へ自信

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 クロスバイクのレッスンを受け、日々時間を見つけては頻繁に練習し、体と心を慣らしたモデルの福田萌子さん。徐々にライドへの恐怖心が薄まり、いよいよロードバイクの再デビューを果たす。キャノンデール・ジャパンの山本和弘さんを先生に、また、NHK「チャリダー」で“坂バカ女子部”メンバーとして活躍する女性先輩ライダー、大宅陽子さんを迎え、サイクリング屋久島出場に向けた特訓に臨んだ。

←<1>「落車し乗れなくなった」…対談し再挑戦へ

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三浦半島の丘陵地帯を軽々と進む萌子さん Photo: Kenta SAWANO三浦半島の丘陵地帯を軽々と進む萌子さん Photo: Kenta SAWANO

「自宅前で毎日練習しました!」

 最初のレッスンをきっかけに“自転車感覚”を取り戻した萌子さんは、以前よりも自転車の世界にのめり込んでいる。漫画「弱虫ペダル」を最新刊まで読破したかと思えば、夜な夜な海外サイクルロードレースの動画を見て過ごすほど、サイクルスポーツの熱狂的なファンに大変身だ。

 当初は落車の恐怖に怯え、点字ブロックのわずかな段差にも「怖い!」と立ち止まっていた。それが、毎日自宅前の駐車場を回る練習や坂を上る練習を繰り返し、一人で近所のカフェまでサイクリングを楽しめるようになった。

萌子さんが駆ったキャノンデール「スーパーシックスエヴォ」 Photo: Kenta SAWANO萌子さんが駆ったキャノンデール「スーパーシックスエヴォ」 Photo: Kenta SAWANO

 そんな成長ぶりに、コーチ役の山本さんはいよいよロードバイクに挑戦するよう誘った。初の“特訓場所”に選んだのは神奈川県三浦半島の南端付近だ。丘陵地帯のアップダウンや海を望む長い坂道など、本番の屋久島を想定しての選択。この日は風も無く、暖かい日差しが照りつける最高の練習日和となった。

 今回、萌子さんに用意されたバイクはキャノンデール「スーパーシックスエヴォ」。上位モデル譲りのスタイリングで、上級者からビギナーまで幅広いレベルの走りに対応するカーボンロードバイクだ。ところが、いざ約1年半ぶりのロードバイクを前にすると「転んだらどうしよう。大丈夫かな。本当に乗れるかな…ちょっと緊張します」と、不安を隠せない。

緊張した表情で質問する福田萌子さん Photo: Kenta SAWANO緊張した表情で質問する福田萌子さん Photo: Kenta SAWANO

 そんな萌子さんに、サイクリストヨガインストラクターとして活躍する大宅さんはヨガで体と緊張をほぐしていく。自ら落車経験もある大宅さんは「自転車に乗るのが楽しいな、と思えるライドを重ねていきましょう」とアドバイス。それから、ライド中に疲れがちな筋肉を伸ばすストレッチ法を紹介した。

 「クロスバイクでは上半身は起きますが、ロードバイクでは前傾姿勢になりがちです。首や腕に負担がかかるのでよくストレッチしましょう」とお手本を見せる大宅さん。普段からヨガに親しむ萌子さんはすぐにコツを覚え、「ヨガを行うと呼吸が整いますね」と、かなりリラックスしたようだ。

大宅さんの指導でライド時に疲れやすい筋を伸ばしていく Photo: Kenta SAWANO大宅さんの指導でライド時に疲れやすい筋を伸ばしていく Photo: Kenta SAWANO
呼吸を整えてからストレッチ Photo: Kenta SAWANO呼吸を整えてからストレッチ Photo: Kenta SAWANO
バイクを使って腰周りを伸ばす Photo: Kenta SAWANOバイクを使って腰周りを伸ばす Photo: Kenta SAWANO

操作方法を積極的に質問

 落車防止へ、精神面だけでなく乗車前のバイク点検も怠らない。山本さんは携帯用工具でバイクのフィッティングを終えると、クロスバイク練習時と同様、萌子さんとブレーキやヘッドのガタなどがないかなど、ロードバイクの安全点検を行う。

 思えば、落車の前まで、ここまで丁寧にライドの準備をすることはなかったという。自分の身体や心、そして機材としっかり向き合っていれば避けられる事故も少なくないだろう。

高精度で、出先でもしっかりと調整できるKTC「マルチツール 8システム」はライドの強い味方 Photo: Kenta SAWANO高精度で、出先でもしっかりと調整できるKTC「マルチツール 8システム」はライドの強い味方 Photo: Kenta SAWANO
クロスバイクとは異なる操作方法を確認 Photo: Kenta SAWANOクロスバイクとは異なる操作方法を確認 Photo: Kenta SAWANO

 準備が整ったところで、練習開始だ。事故以来、ロードバイクに触れていなかったため、「ハンドルはどうやって持つんでしたっけ? ギアチェンジの仕方も不安…」と吐露する。しかし、山本さんが操作方法を丁寧に伝授。萌子さんは「どのくらいの力で握ればいいですか? ギアを切り替えるタイミングは?」と積極的に質問を投げかける。

そろりそろりと走り始めた萌子さんを見守る山本さん Photo: Kenta SAWANOそろりそろりと走り始めた萌子さんを見守る山本さん Photo: Kenta SAWANO

 久々のロードバイクにまたがり、いよいよ公道を走り始める。萌子さんは先導する山本さんの後ろから恐る恐るペダルを漕いだ。高性能のバイクだったが「クロスバイクと比べて軽いことに驚きました。安定しないのかな」とやや不安なスタート。そこで山本さんはまず、平地で短い区間を設定。往復してだんだんとロードバイクに慣らしていこうと提案した。

山本さんを先頭に、平地でロードバイクになれる練習。最初は恐々と走る福田萌子さん Photo: Kenta SAWANO山本さんを先頭に、平地でロードバイクになれる練習。最初は恐々と走る福田萌子さん Photo: Kenta SAWANO

 さらに、しばらくすると、荒れた路面のヒビが出現し、思わず減速した。「クロスバイクでは大丈夫だったけど、タイヤが細いロードバイクではやっぱり転びそう。段差も気になり怖かった」とちょっぴり弱気をのぞかせる萌子さん。山本さんは「基本はクロスバイクと一緒です。しっかりとハンドルを持って、下がりがちな視線を前に向けることが重要です」とアドバイスした。

富士山をバックに一列で三浦半島を走る Photo: Kenta SAWANO富士山をバックに一列で三浦半島を走る Photo: Kenta SAWANO

 さらに「もうクロスバイクで十分走れるようになっています。転ぶことはないと思うので、後はロードバイクで熟練度を上げていくだけですよ」と激励。海も見える直線を繰り返し往復し、時速25kmくらいでも安定して走れるようになり、次のステップ「アップダウン」へと進んだ。

脚質はヒルクライマー、下りは慎重に

山本さんも舌を巻くほどのペースで上る萌子さん Photo: Kenta SAWANO山本さんも舌を巻くほどのペースで上る萌子さん Photo: Kenta SAWANO

 上り坂にさしかかると、萌子さんの表情が一気に明るくなった。「上りは怖くないし、結構走れると思うんです」と自信をみせていた萌子さん。上りが得意な大宅さんが「それでは少しペース上げますね」と先頭で腰を浮かせてスピードを上げた。すると萌子さんはそのペースに追従。山本さんも驚くほどの速さで上りをクリアした。フルマラソンをこなし、日常的にスポーツに接しているフィジカルの強さを発揮し、スニーカーで軽々とクライミングを楽しんでいた。

最終周回は“坂バカ”女子の大宅さんが上りをリード。萌子さんも食らいついていく Photo: Kenta SAWANO最終周回は“坂バカ”女子の大宅さんが上りをリード。萌子さんも食らいついていく Photo: Kenta SAWANO
下りは恐る恐るな萌子さん。後方から先輩の大宅さんからアドバイスが飛ぶ Photo: Kenta SAWANO下りは恐る恐るな萌子さん。後方から先輩の大宅さんからアドバイスが飛ぶ Photo: Kenta SAWANO

 だいぶロードバイクに慣れてきたが、トラウマの原因となった下りはやはり苦手な様子。「転ばないのはわかるんだけど、やっぱり不安でゆっくり走りたいかな」と慎重に走る。すると後ろから見守る大宅さんが「自分がコントロールできる速さで下ればいいのでスピードは出さなくてOKですよ」と優しく声をかけた。

 山本さんは、「最初と比べるとすごい進歩です! 荒れた路面でもブレずに走っています。スニーカーにもかかわらず、上りのスピードが驚くほど速い。下りは上りとペースが変わらないですね(笑)」と話し、「でも、これならサイクリング屋久島の100kmも大丈夫」と太鼓判を押した。大宅さんも「みるみる体の力も抜けてリラックスして走れていました」とお墨付きを与えた。

「マグロと大根」像の前でキャノンデールの“C”ポーズ! 無事にライドが終了した Photo: Kenta SAWANO「マグロと大根」像の前でキャノンデールの“C”ポーズ! 無事にライドが終了した Photo: Kenta SAWANO

 萌子さんは「ロードバイクの爽快さ、楽しさを再び感じることができました。嬉しくて泣きそうです!」と感極まった様子。「本番までロードバイクにもっと慣れて、屋久島を完走できるよう頑張ります」と意気込んだ。

 再びロードバイクに乗り始めた萌子さんはその後もコツコツと練習を重ねた。そして、いよいよ2月19日に開催される「サイクリング屋久島」に挑む。細く、険しい道も出現する屋久島で、培った練習の成果は発揮されるのだろうか!?

◇         ◇

練習後のランチもライドの楽しみの一つ Photo: Kenta SAWANO練習後のランチもライドの楽しみの一つ Photo: Kenta SAWANO

 練習を終えた一行は、三浦半島の新鮮な魚介を求めて人気の海鮮料理専門店「まるいち食堂」へ向かった。ここでは、店先で並んだ海の幸を選び、店内で調理してくれる。カワハギの刺身やイカ、湯がいたモズクなどを堪能した萌子さん。ただ自転車に乗るだけでなく、景色や地元の特産を楽しんだりと、またひとつ新しい楽しみ方を発見したようだ。

まるいち食堂
住所:神奈川県三浦市三崎3-5-12
電話:046-881-2488
営業時間:11時00分~18時30分
定休日:水曜日

→<番外編>カスタムラボで「萌子号」プレゼント

→<4>完走 「自転車を楽しめる場所に帰ってきた」

→<5>「落車が成長させてくれた」屋久島レポート

ライドにおすすめ、ポケットに入るKTCの高精度ツール

KTC「マルチツール 8システム」 Photo: Kenta SAWANOKTC「マルチツール 8システム」 Photo: Kenta SAWANO

 山本さんが調整に使用した工具はKTC「マルチツール 8システム」。片手に収まるコンパクトな大きさながら、2~6mmのヘックス、T25のトルクス、プラスドライバーを備え、ライド中の微調整にも最適な仕様だ。

 手に収まるフィッティングがよく、ライド前にボルトが閉まっているか確認するのに便利なコンパクトツールとなっている。ツールの小気味良いボールとスプリングのクリック感は他にはない魅力といえる。精度も高いので、小さいボルト穴もなめることなく使える優れものだ。

KTC「マルチツール 8システム」
税抜価格:5,800円
ヘキサゴンビット:2、2.5、3、4、5、6mm
クロスビット:No.2
トルクスビット:T25

◇この日の福田萌子さんの装備

ロードバイク「スーパーシックスエヴォ カーボン アルテグラ (カラー:TEAM COLOR)

ヘルメット「サイファー ロード (カラー:GRB)

ウェア「Sugoi(スゴイ)

福田萌子
福田萌子(ふくだ・もえこ)

沖縄県出身のモデル。身長176cmの日本人離れしたスタイルで、2010年ミス・ユニバース・ジャパンでは3位入賞。スポーツ用品ブランドのアンバサダーなどを務める。自転車をはじめマラソンやトライアスロン、ヨガ、セパタクローなど幅広いスポーツをアクティブにこなしてきたが、2015年ホノルルセンチュリーライドで落車し、その恐怖から自転車に乗れずにいた。

本企画をサポートするブランド

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