東海地方のシリーズ戦ロードレースキナンAACAカップの2017年シリーズが開幕 初戦はトム・ボシスが優勝

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 東海地方で開催されるロードレース「KINAN AACA CUP」(キナンAACAカップ)の2017年シリーズが1月28日、岐阜県海津市の国営木曽三川公園 長良川サービスセンター前特設コースで行われた第1戦で開幕した。メインの1-1クラス(91.8km、5.1km×18周回)は、終盤に出入りの激しい展開となり、最後は逃げ切りを決めた2人でのスプリント勝負を制したトム・ボシス(フランス、インタープロ サイクリングアカデミー)がシーズン初戦を勝利で飾った。

マッチスプリントを制して2017年第1戦の優勝を決めたトム・ボシス(インタープロ サイクリングアカデミー) Photo: Syunsuke FUKUMITSUマッチスプリントを制して2017年第1戦の優勝を決めたトム・ボシス(インタープロ サイクリングアカデミー) Photo: Syunsuke FUKUMITSU

山本元喜のアタックで逃げが形成

2周回目に形成された逃げグループ。最大で1分25秒差にまで広げた Photo: Syunsuke FUKUMITSU2周回目に形成された逃げグループ。最大で1分25秒差にまで広げた Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 毎月1回のペースで開催される今シリーズ。2017年最初の戦いを祝うように、長良川沿いのコースは快晴に恵まれた。『株式会社キナン』がシリーズを支え、同社がメインスポンサーを務めるキナンサイクリングチームがホスト役を務める。今回キナンからは山本元喜、椿大志、阿曽圭佑、野中竜馬、雨乞竜己、中島康晴の6選手が出走。今シーズン加入の山本、椿、雨乞、中島にとっては、キナンのチームジャージ姿のお披露目の場となった。

 レースは、2周回目に山本のアタックをきっかけに8選手がリードを開始。やがて1人がメイン集団へと下がり、7人による逃げグループとなった。キナンからは山本と中島、そのほかではボシスや下島将輝(那須ブラーゼン)、奥村隆平(デストラ)、豊田勝徳(イナーメ信濃山形)などが先行した。力のある選手がそろったこともあり、7人はメイン集団に対し着実にリードを広げ、その差は最大で1分25秒にまで広がった。

長良川沿いを走るプロトン。天候に恵まれた Photo: Syunsuke FUKUMITSU長良川沿いを走るプロトン。天候に恵まれた Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 中盤に入ってからは、メイン集団も先頭とのタイム差を縮めるべく活性化。湯浦裕貴ら集団から飛び出す選手も現れ、そのたびに集団が反応を繰り返す。徐々に前を行く7人との差が縮まっていった。

コーナーを攻めるメイン集団 Photo: Syunsuke FUKUMITSUコーナーを攻めるメイン集団 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
メイン集団が補給所を通過する Photo: Syunsuke FUKUMITSUメイン集団が補給所を通過する Photo: Syunsuke FUKUMITSU

終盤に抜け出したのは2人

追走グループが13周回目に合流。13人の先頭グループとなる Photo: Syunsuke FUKUMITSU追走グループが13周回目に合流。13人の先頭グループとなる Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 レースの流れが大きく変化したのは12周回目。メイン集団から鈴木龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)、井手道康(零式/mkw)、雑賀大輔(WCU)、雨乞といったメンバーが含まれた6人の追走グループが形成される。次の周回には逃げに合流。13人の先頭グループとなった。しかし、メイン集団もそのまま13人に前を急がせることは許さない。残り4周回を残して、レースは振り出しに戻った。

 大きな局面を迎えたのは残り2周回となったタイミング。直前の周回賞をトップ通過したボシスがそのままの勢いで前をうかがうと、これに対応したのが椿。2人はそのままリードを広げ、残り距離を減らしていく。そのままの形成でラスト1周回の鐘を聴いた。

 メイン集団も追い上げを図るが、先頭の2人もスピードに乗り、後方からの追随を許さない。勝負はボシスと椿のマッチスプリントにゆだねられた。

ラスト2周回で抜け出したトム・ボシス(左)と椿大志 Photo: Syunsuke FUKUMITSUラスト2周回で抜け出したトム・ボシス(左)と椿大志 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
先頭2人を懸命に追うメイン集団 Photo: Syunsuke FUKUMITSU先頭2人を懸命に追うメイン集団 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

初戦から白熱したレース

 フィニッシュ前は上りで、さらにはわずかなカーブであるため、スプリントのタイミングとポジション確保が重要だ。ここで力を発揮したのがボシス。上り区間を前でクリアし、先頭を明け渡すことなくフィニッシュラインを通過して優勝を決めた。初出場でゴール前の勝手がつかめなかった椿は、後一歩届かず2位。数秒遅れでやってきたメイン集団は、鈴木が前方を確保し3位となった。

3位争いは鈴木龍が確保 Photo: Syunsuke FUKUMITSU3位争いは鈴木龍が確保 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
第1戦優勝の表彰を受けるトム・ボシス Photo: Syunsuke FUKUMITSU第1戦優勝の表彰を受けるトム・ボシス Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 今シーズン初戦から、このシリーズの魅力である積極的なレース展開が初戦から繰り広げられた。レースシーズンの本格化を前に、多くの選手が調整段階にあるなか、冬場の数少ない実戦の場とあって、今戦は逃げや集団内での駆け引き、勝負に対する意識など、各選手が課題を持ってコースに繰り出した印象だ。次戦以降、よりスピードと変化に富んだレースとなることが期待できそうだ。

優勝に加え2度の周回賞を獲得したトム・ボシス Photo: Syunsuke FUKUMITSU優勝に加え2度の周回賞を獲得したトム・ボシス Photo: Syunsuke FUKUMITSU
特別周回賞の IRC特別賞を獲得した下島将輝選手 Photo: Syunsuke FUKUMITSU特別周回賞の IRC特別賞を獲得した下島将輝選手 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 会場内にはスポンサーブースも設置。「WAKO’S」の和光ケミカルのブースではチェーン汚れや自転車とオイルの関係について、「アスリチューン」を扱う隼のブースではレース前後のエネルギー補給についてアドバイスが受けられた。また、三重県四日市市からは「竹寿司」がブース出展。このシリーズではおなじみとなった養老山麓豚のカレーは、レース後の栄養補給にピッタリと多くのライダーに喜ばれている。

 第2戦は2月18日(土)に、今回と同じく国営木曽三川公園 長良川サービスセンター前特設コースで実施される。

第1戦1-1クラス結果(91.8km)
1 トム・ボシス(フランス、インタープロ サイクリングアカデミー)
2 椿大志(キナンサイクリングチーム)
3 鈴木龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム)
4 下島将輝(那須ブラーゼン)
5 雨乞竜己(キナンサイクリングチーム)

2017ポイントランキング(第1戦終了時)
1 トム・ボシス(フランス、インタープロ サイクリングアカデミー) 512pts
2 椿大志(キナンサイクリングチーム) 256pts
3 鈴木龍(ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) 128pts
4 下島将輝(那須ブラーゼン) 64pts
4 小暮貴士(デストラ) 64pts

テーマは「心身のストレッチ」

 キナンサイクリングチームの選手が講師を務める、レーススキルアップ講座が今回も開催された。レース前後のライダーたちがその場で無料参加でき、すぐに実践できるのが大きな魅力だ。

 今年最初の講師を務めたのは中島。レース前後に有効なストレッチを実演しながらレクチャーした。その他のメンバーも交え、自らの体を使ったストレッチ法 や、市販の器具を使ってのリラクゼーション方法などを参加者と共有した。

ストレッチをテーマに行ったレーススキルアップ講座 Photo: Syunsuke FUKUMITSUストレッチをテーマに行ったレーススキルアップ講座 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
中島康晴(中央)がメイン講師を務めた Photo: Syunsuke FUKUMITSU中島康晴(中央)がメイン講師を務めた Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 また、通常では聞くことのできないような、選手への突っ込んだ質問が飛び交うのもこの講座のユニークなところ。野中からは「全戦優勝!」のシーズン目標が宣言され、会場は大きな盛り上がりとなった。

 講座の最後には「心のストレッチ」と題して、三・三・七拍子と参加者同士でのハイタッチでレースへの士気を高めた。

講座の締めは「心のストレッチ」。三・三・七拍子とハイタッチでレースへの士気を高めた Photo: Syunsuke FUKUMITSU講座の締めは「心のストレッチ」。三・三・七拍子とハイタッチでレースへの士気を高めた Photo: Syunsuke FUKUMITSU
レーススキルアップ講座参加者とキナンサイクリングチームのメンバーで記念撮影 Photo: Syunsuke FUKUMITSUレーススキルアップ講座参加者とキナンサイクリングチームのメンバーで記念撮影 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 中島をはじめ、新メンバーが講師に加わったことにより、新たな風が吹き込んだレーススキルアップ講座。今後も引き続き、実践的な内容を届けていく予定だ。

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