活用推進法が成立し注目自転車シェアで自治体快走、堺市が通勤に活用 愛媛県は観光資源化

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 昨年の臨時国会で自転車活用推進法が議員立法で成立し、自転車を生かしたまちづくりが全国的に注目を集めている。コミュニティーサイクルで知られる堺市と、サイクリングを生かした観光振興を目指す愛媛県の取り組みを追った。

堺市は温暖化対策

 堺市役所のある南海高野線堺東駅前、歩道の一画にレンタサイクルが並んでいる。料金をチャージした専用カードを駐輪ラックの左側にある認証機にかざすと、ロックが解除されて自転車を取り出すことができる。返すときには自転車をラックに戻す仕組みだ。

堺市堺区の南海高野線堺東駅前にあるサイクルポート(共同通信)堺市堺区の南海高野線堺東駅前にあるサイクルポート(共同通信)

 市内ではサイクルポートが8カ所あり、貸し出すのは計690台。料金は定期利用だと1カ月一般で2000円、1日利用だと2000円300円になる。例えば通勤、通学の人たちが夕方、駅からレンタサイクルに乗って自宅に帰り、翌朝ラックに戻す。それを今度は駅から職場や学校に向かう別の人が借りれば、自転車は1日2回転する計算だ。

 「夜に家まで乗って帰る人が増えてくれば、利用台数はもっと増えます」と堺市自転車企画推進課の竹内秀和課長。マイカーを使う人が減った分、二酸化炭素の排出削減、地球温暖化対策につながる。制度は国の補助を受け2010年9月にスタートした。

 運営管理面では「市から年間4000万円を出しているので、収入を増やすなど収支の改善が必要です。借りたまま返さないとか、使い方が荒くて故障が多いといった問題もあり、利用者のモラル向上も課題の一つですね」。

 ただ、買った自転車を使わなくなって捨てるより環境に優しく、駐輪場の心配もいらない。定期利用だとそう高くはない。ライフスタイルに合わせて借りる方式は、シェアリングエコノミー(共有型経済)の一つとして全国に広がりつつある。

 堺市が自転車に着目したのは「高度成長期には自転車産業が発展し全国的にも知られた。今でも高いシェアを保っている」からだ。コミュニティーサイクルの導入などを契機にして「自転車のまち堺」を旗印に掲げた。

 まず13年に自転車利用環境計画をつくり、10年後の目標として①交通に占める自転車の利用割合を24%から30%まで引き上げる、②自転車が関与する事故を20%減らす―などを挙げている。

 翌年には自転車のまちづくり推進条例を制定。自転車保険加入を義務付け、ヘルメット着用も努力義務にした。「学校や職場で着用を呼び掛ける際、条例があることが役立っています」

愛媛県は商標を登録

日本のサイクリストはもちろん、国際的な人気の高い「しまなみ海道」 Photo: Kenta SAWANO 日本のサイクリストはもちろん、国際的な人気の高い「しまなみ海道」 Photo: Kenta SAWANO 

 観光に結び付ける動きも活発化している。自転車で走ると空を飛んでいるような爽快さで知られるのが、本州四国連絡橋の瀬戸内しまなみ海道だ。広島県と愛媛県を結ぶこのルートは、メディアや旅行ガイドブックなどに取り上げられ国際的な人気も高い。

 後押しするため国際的なサイクリング大会も開かれ、14年に約7000人、昨年には3500人が参加した。自転車の通行も無料になった。15年度の自転車利用台数は32万台を超え、この3年で倍増したと推計される。愛媛のユニークな点は、観光客を増やし地域活性化にもつなげようと県全体に広げたことだ。「愛媛マルゴト自転車道」を提唱し、26のサイクリングコースを設定した。

 コースとなった車道の左端には、自転車が走る場所を示すブルーのラインが引かれ、サイクリストの道標となる。「ドライバーの注意喚起にもなり、事故の抑止にもつながります」。県自転車新文化推進室の坂本大蔵室長が解説する。

 昨年には「サイクリストの聖地」「サイクリングパラダイス」という言葉を県が商標登録し、自転車県としてのブランド化を進める。ただ観光への効果には「どれぐらいの人がサイクリング目的かは分析が難しい」と打ち明ける。(共同通信)
SankeiBizより)

※掲載当初、サイクルポートの1日利用料金を2000円と記載しましたが、300円の誤りでした。お詫びして訂正いたします。

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