福田昌弘さんが注意点をアドバイスホビーレーサーでもドバイ4日間10万円以下で行けた UCIグランフォンド参戦記

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 ドバイで2016年12月に開催された「Spinneys Dubai 92」(スピニーズ ドバイ 92)に出場し、グランフォンド世界選手権への出場権を獲得したアマチュアレーサーでトレーニングスタジオ「ハムスタースピン」のトレーナー福田昌弘さん。日本人が海外のレースに出場する際の必要事項や注意点を、福田さんが今回の旅で経験した内容を元に紹介します。

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「Spinneys Dubai 92」(スピニーズ ドバイ 92)に出場に出場した福田昌弘さん Photo: Masahiro FUKUDA「Spinneys Dubai 92」(スピニーズ ドバイ 92)に出場に出場した福田昌弘さん Photo: Masahiro FUKUDA

5つのハードルをクリア

ドバイの町を走るグランフォンドの参加者たち (提供写真)ドバイの町を走るグランフォンドの参加者たち (提供写真)

 Spinneys Dubai 92への参戦レポートをお届けしましたが、なぜこのレースに参加したのか?またドバイへの渡航は、どんな感じなのか?そのあたりについてお伝えします。

 UCI Gran Fondo World Championship(UCIグランフォンドワールドチャンピオンシップ)に参戦するためには、各地の予選大会を勝ち抜かなければいけないのは前回のレポート通りです。7月に北海道で開催されるニセコクラシックも、予選大会の1つであり多くの方がこの大会で世界選手権を目指すのではないかと思います。ただ、2017年は世界選手権が開幕されるのが8月後半ということもあり、ニセコクラシックが終了してからでは航空券や宿の手配に不安が残ります。

 また世界選手権では各国を象徴するジャージを着用することが義務となっています。昨年はニセコクラシック後に、無理を言って日本のオーダーウェアブランド「サンボルト」さんに日本国旗入りのジャージを作ってもらいましたが、出来ればこのあたりの準備時間も欲しいところです。

 実際に海外のレースに参加するとなると、いくつかのハードルがあります。

福田さんが指摘する海外レースのハードル

①時差
②移動時間
③移動の手間
④コスト
⑤レース(コース)の難易度

今回の旅で持参した荷物。サイズ、重量共にクリアして飛行機へ Photo: Masahiro FUKUDA今回の旅で持参した荷物。サイズ、重量共にクリアして飛行機へ Photo: Masahiro FUKUDA

 今回、ドバイを選んだのは、このあたりの条件がマッチしたためです。日本とドバイの時差は5時間、日本より5時間遅れています。今回、レースのスタート時間は午前6時でしたが、日本時間では午前11時であり、日本からの参戦では、ほとんど問題ありません。

 移動時間は行きのフライトが12時間、帰りが9時間と結構かかりますが、ドバイまでは直行便が飛んでいるため、移動の負担は大きくはありません。ドバイのレースは、都市の中心部に近いサーキットがスタート/ゴール地点となっています。中心部まではドバイメトロと呼ばれる電車でアクセスできます。

空港の大型荷物用排出口で受取り Photo: Masahiro FUKUDA空港の大型荷物用排出口で受取り Photo: Masahiro FUKUDA
少々トラブルがあった現地の携帯電話用SIMカード Photo: Masahiro FUKUDA少々トラブルがあった現地の携帯電話用SIMカード Photo: Masahiro FUKUDA

ストラバ過去データで難易度確認

 コストですが、フライト、ホテルの他に、現地での移動手段や食事代なども考慮しておかなくてはいけません。また、航空会社によってはスポーツ機材や規定サイズ以上の荷物を運ぶのには、高額な追加料金を請求するところも少なくありません。

 今回利用したエミレーツ航空ですが、3辺合計が300cmと他の航空会社と比べると格段に大きなサイズを許容しています。またエコノミークラスでも30kgまで無料というのは大きなポイントです。今回はAcorの「バイクポーターPRO」を利用しましたが、自転車と他の荷物を合わせて26kg程度となったため30kgの枠に助けられました。

道路は平坦がメイン。砂漠の砂や石が浮き路面状況は良くありません Photo: Masahiro FUKUDA道路は平坦がメイン。砂漠の砂や石が浮き路面状況は良くありません Photo: Masahiro FUKUDA

 レースの難易度ですが、砂漠の中に作られた都市ということもあり、コース自体はほぼフラットです。集団走行に不慣れでない限り、レース中にちぎれるということはありません。不安であったのは参加者のレベル、ドバイの空港へは多くの国からのフライトがあり、特に自転車競技の本場とも言えるヨーロッパからの選手が多く集まります。しかしながらストラバで過去の参加者のデータを確認し、結果を出せる可能性が高いと判断できました。

海外ならではのトラブルも

 ということで、ドバイへ飛んだのですが色々なトラブルがありました。まずは現金、クレジットカードについてです。海外での買い物はクレジットカードのレートがお得です。現金での両替が一番割高となり、現金を引き出すにしても現地ATMのほうが率が良いことが多いです。今回も、到着後最初に行なったのはキャッシングでした。

 手元には数枚のカードがあったのですが、まず航空会社系のゴールドカードが何度やっても使えず、その他2枚のカードでも使えませんでした。普段は使っていない最後の1枚で何とかキャッシング出来ましたが、かなりの時間がかかり行列を作ってしまいました。

 次に、携帯電話用のSIMカードです。海外での携帯利用は現地SIMカードの購入がお得です。今回利用したのは AED100で700MB+ 通話のプラン、空港での購入は割高とは聞いていましたが、すぐにGoogle Mapsなどを使える便利さを求めてATMの隣の店へ。プランの確認などをして、最後に支払いをしようとしたら、現金しか受け付けないとのこと。他に店も見当たらないので、両替したばかりの現金で支払い無事に通信環境をゲット!とは行きませんでした。

 その後、1時間近く経っても通信が出来ません。さっそく売店に戻り「使えない」という話をすると「待っていたら使えるようになる」とのこと。「もし後で使えなかったら返金してくれるのか?」と聞いても「それは出来ない、とにかく待て」の一点張り。いくらなんでもおかしいだろうと、強く交渉した結果、何かに気がついたらしく5分後に使えるようになりました。

バイクも2台積み込むことができたタクシーで移動 Photo: Masahiro FUKUDAバイクも2台積み込むことができたタクシーで移動 Photo: Masahiro FUKUDA

 次はドバイメトロでホテルへ移動です。切符を買おうと荷物を置いて価格表を見ていたら係の人から「この大きさの荷物は持って入れません」と。先程の経験があったので「どこにそんなの書いてあるの?」と聞いたら、改札の所にしっかりと書いてありました。

 再び、荷物を抱えてタクシー乗り場へ。幸いにして自転車2台が乗るタクシーがあり、無事にホテルへ。タクシーメーターの横にはクレジットカードのマークもあり、支払いを済ませようとしたら、ここでもカードがNG。ドバイは国際都市と聞いていましたが、意外と観光客にフレンドリーではないようです。

キングサイズのベッドで男2人・・・海外ならではのハプニング Photo: Masahiro FUKUDAキングサイズのベッドで男2人・・・海外ならではのハプニング Photo: Masahiro FUKUDA

 ドバイのホテルは、シングルサイズベッド2台という選択肢が少なく、予約時にキングサイズベッド1台、またはシングルサイズベッド2台の部屋を予約し、リクエストとしてシングルサイズベッド2台も書いておきました。

 しかし、用意されていたのはキングサイズベッド1台。ここでも色々と交渉を試みたのですが、全く拉致があかず、結局、男2人でキングサイズベッドの部屋に泊まることになりました。幸いにして、隣で寝てるのが気にならない程度にキングサイズでしたので気になることはありませんでしたが。

ビュンビュンと車の走る横をバイクで移動 Photo: Masahiro FUKUDAビュンビュンと車の走る横をバイクで移動 Photo: Masahiro FUKUDA

 なかなか思うようにはいかないドバイの旅です。ホテルで自転車を組み立て、自転車で受付会場へと向かいます。道路へ出てみて驚きましたが、ドバイの道は車の通行しか想定されていないようで、歩行者の歩く道すらありません。歩行者は横断歩道の無い片側2車線の道を横断したり、建物と建物の間の砂漠の中を歩いて移動しています。自転車は…車と一緒に走るしかありません。ほぼ高速道路のような道を走っている車の間をぬって何とか会場へとたどり着きましたが、生きた心地はしませんでした。

 これは後で聞いたことですが、ドバイの郊外には50〜100kmぐらいのサイクリングロードがあり、練習するときには、そのスタート地点まで車で行くのが一般的だそうです。「道路走ってたら死ぬよ」と言われました。
レース会場、受付会場でも自分達以外に自走で来ていた選手はいなかったようです。

 レースは、ドバイに在住のヨーロッパの方が多かったようです。中には日本人の方も、その一人が井村洋平さん(33)、日本から赴任しているそうです。今回、私達が参加したのとは別のクラスで、こちらは予選大会の結果でスタートグリッドが変わります。井村さんは前の方からスタートして、800人近い選手の中30位の結果でゴールされていました。ゴール後にドバイの自転車環境についても色々と教えていただきました。53kmのCycle Challangeクラスではソニーがスポンサーとなっていました。こちらにも日本から赴任されている豊住さんが参加され、無事に完走されていました。

53kmのカテゴリーはソニーがスポンサー。「アクションカム」のブースが設置されていました Photo: Masahiro FUKUDA53kmのカテゴリーはソニーがスポンサー。「アクションカム」のブースが設置されていました Photo: Masahiro FUKUDA

 ドバイの食事ですが、法律で飲酒が禁止されています。しかし、外国人向けの施設などに行けば普通に注文することができます。私達もレース後にはベルギービールのレストランへ行き、ムール貝と共に打ち上げを行ないました。中東の国なので、当初はオリエンタルな食事が食べられるのではと期待していましたが、米系のチェーン店や、欧米風のレストランが多く、期待するようなモノは食べられませんでした。とはいえ、レストランの種類自体は豊富で、食べようと思えば、どこの国の料理でも食べることはできます。

料理を堪能 Photo: Masahiro FUKUDA料理を堪能 Photo: Masahiro FUKUDA
各国のフルーツが並ぶ Photo: Masahiro FUKUDA各国のフルーツが並ぶ Photo: Masahiro FUKUDA

 いくつかあるショッピングモールは、どれも巨大で海外で有名なブランドであれば大半のものが入っています。スーパーも24時間営業の店が多く、ほとんどが輸入品ですが肉や魚、飲み物など何でも買うことができます。元々が漁港の村を急速に発展させた都市ドバイでは何でも手に入りますが、オリジナルなモノはほとんど存在しないという感じでしょうか。

 個人的な感想としては、3泊4日(飛行機1泊)の旅程でちょうどよかったなと思いました。いくつかトラブルはありましたが、費用を見るともしかしたら北海道のニセコクラシックに遠征に行くよりも安く済むかもしれません。海外のレースに出場するのはハードルが高く見られますが、世界中でレースは行われています。チャレンジしてみても面白いのではないでしょうか。

ドバイ遠征かかった費用まとめ

 ※AED=UAEディルハム(現地通貨)

航空券+ホテル2人分
131,322円 (一人あたり\64,311円)

エントリー費用
AED375.00 11451円

2人で支払った金額
12/15 ワイン2本(DUTY FREE) AED128.00 4074円
12/15 タクシー AED75.00 2488円
12/15 トルコ料理レストラン AED111.00 3691円
12/15 スーパーマーケット(飲水等) AED21.20 691円
12/15 スーパーマーケット(朝食) AED30.45 1010円
12/16 UBER AED30.25 986円
12/16 UBER AED17.00 554円
12/16 UBER AED8.28 270円
12/16 ベルギービールレストラン AED347.00 11,510円
12/16 台湾料理レストラン AED113.00 3748円
12/17 観光税 AED20.00 653円
12/17 タクシー AED74.00 2415円

合計 AED975.18 32,090円 (一人あたり\16,045円)

1人で支払った金額
12/15 SIMカード AED100.00 3230円
12/15 空港インド料理 AED24.00 783円
12/16 パーム・ジュメイラ・モノレール往復 AED25.00 830円
(AED149 4843円)
※クレジットカードや現金によりレートが異なる

1人が使った総額 96650円

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