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産経新聞【四国 空港物語】より松山空港がサイクリングの出発拠点に 先進的なサービス充実

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 「ひこうき」(飛行器)を命名したのは愛媛県出身の航空研究者、二宮忠八(慶応―昭和11年)だった。ライト兄弟よりも早く飛行原理を発見し、模型による日本初のプロペラ飛行実験を明治24年に成功させた。約125年後、忠八のふるさと・愛媛の松山空港(松山市)は国内外から1日39便が発着し、中・四国最多の約284万人が利用するまでになった。

 利用状況は平成27年度、羽田便の53.5%をはじめ、伊丹便18.4%、成田便9.3%、関西便5.9%と続き、関東、関西の主要空港が約87%を占めた。25年に成田、関西空港とLCCでつながったことで国内線の利用客は増加。国際線ではソウル便が昨年9月から運休し、現在は上海便の週2便のみとなっている。それでも外国人客は増加傾向にある。

受け入れスムーズ

 国内外の観光客誘客の決め手として注目されているのが、サイクリングと四国遍路だ。「瀬戸内しまなみ海道」をはじめ、サイクリストに人気の高いコースを持つ県は、海外のサイクリング客誘致を図るため、松山空港に「サイクルステーション」を設置。昨年夏には自転車を空輸する際に使うバイクボックスの無料預かりを始めた。

松山空港のサイクルステーション(黒河仁朗撮影)松山空港のサイクルステーション(黒河仁朗撮影)

 サイクルステーションは26年8月、空港ターミナルビル東端の観光バス乗り場前に設けられた。空輸した自転車を組み立てられるようサイクルスタンド2基と空気入れが常備されているほか、同ビル内の案内所で専用整備工具を借りられ、男女の更衣室もある。

 更衣室は畳2枚が敷かれ、壁には縦約2m、横約90cmの姿見も。バイクボックスを預け、サイクリングウエアに着替えて自転車を整備、颯爽とスタートできる空港サービスは全国的にも先進的という。

 愛媛県今治市のプロライダー、門田基志さん(41)は「バイクボックスの無料預かりサービスは、サイクリストにとってキーとなるサービス。整備工具も充実している」と評価。「関東、関西のハブ空港を経由し、世界各地からサイクリストの受け入れがスムーズに行える」と話した。

 しまなみ海道は国際的なサイクルイベント開催などで「サイクリストの聖地」として認識が広がる。門田さんは「四国全体が海外のサイクリストにとって、魅力的な資源を持っている」と興味深い指摘をする。

四国遍路も国際化

 四国遍路も国際化している。空港ビル内には四国遍路のコースを紹介するパネルが展示されているほか、白衣やけさ、編み笠などの遍路衣装、道具一式を販売。専用の更衣室まで用意されている。休暇を利用して都会から松山に降り立ち、空港ビル内で遍路姿に変身して出発する人も珍しくない。

松山空港で利用客を出迎えるミカンジュースのオブジェ(黒河仁朗撮影)松山空港で利用客を出迎えるミカンジュースのオブジェ(黒河仁朗撮影)

 門田さんは「遍路文化を培ってきた風土が、サイクリストたちを受け入れる土壌としてモノを言う」と説明する。旅人をねぎらい、気軽に声をかけて道を教えたり、無償で飲み物や食べ物を提供する「お接待」の心が、サイクリストの心を捕らえる。女性が1人で野宿をしても安全なほど、行き届いた治安は「世界的に驚くべきこと」と力を込める。

ゆったりと楽しむ

 空路はより世界を身近につなげる。「松山空港を拠点に世界のサイクリストや旅人が自然と人情の豊かな四国を訪れ、ゆったりとバケーションを楽しむ。そう遠くないかもしれませんよ」と門田さんはほほ笑む。

 空想力たくましい忠八といえども、「飛行器」に乗って青い目をしたサイクリストや四国遍路がやってくる時代が訪れようとは、まさか思わなかっただろう。

産経新聞より)

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サイクルツーリズム しまなみ海道

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