弱虫ペダルチーム・欧州シクロクロス遠征記<7>ベルギーで迎えた今年最終戦 遠征も残り1戦、もっと上手くなりたい!

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 年末年始、オランダを拠点に2週間のシクロクロス欧州遠征に臨む「弱虫ペダル サイクリングチーム」は12月30日、ベルギーで今年最終戦となるUCIレースに参戦。3日連戦で疲労もあるなか、遠征の成果も確実に感じ始めています。プレイングコーチの唐見実世子選手のレポートに加え、チームの編集したレース動画も紹介します。

<6>「ルンハウト」で見えた成果と課題

2016シーズン最後のレースも、ベストを尽くした走りができました! 選手、スタッフ、サポーター全員揃っての記念撮影! Photo: Shigehiko SATO2016シーズン最後のレースも、ベストを尽くした走りができました! 選手、スタッフ、サポーター全員揃っての記念撮影! Photo: Shigehiko SATO

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国境を越え、3連戦の最終日

今回もハリーさん&ランジットさんがサポートに来てくれました Photo: Shigehiko SATO今回もハリーさん&ランジットさんがサポートに来てくれました Photo: Shigehiko SATO

 12月30日。チームとしては3連戦の最終日。昨日からUCIのレベルの高いレースが続いているが、欧州遠征も早いもので残すところ2戦となってしまった。選手、スタッフ共々疲れもピークに達しているが、ここが踏ん張り所。一つでも多くの事を吸収して今後の活動に繋げたい。

 5時起床。自転車の積み込みやランチ作りなどのレースの準備も手際よくなり、レース以外の部分でも海外遠征を通して、チームとして多くの事を学ぶことができている。6時半、ステイ先を出発。目指すはベルギーのBredene(ブレ―デネ)。国境を越えしばらくすると、道路脇の並木が真っ白でとても幻想的な風景。温度計は-5℃。こちらは朝霧が深いので、マイナスになると霧が凍って白く色づくと、ハリーさんが仰っていた。

「チームユーラシア・IRCタイヤ」の橋川監督も応援に来てくれました Photo: Shigehiko SATO「チームユーラシア・IRCタイヤ」の橋川監督も応援に来てくれました Photo: Shigehiko SATO
オフィシャルの高圧洗浄機はチームでも使い慣れている「KARCHER」 Photo: Shigehiko SATOオフィシャルの高圧洗浄機はチームでも使い慣れている「KARCHER」 Photo: Shigehiko SATO

 9時頃会場入り。急いで受付を済ませ試走の時間。試走時間が1時間とれたので、落ち着いて走る事ができた。コースは平坦で、今までの中で一番のハイスピードコース。途中2カ所ほど砂のセクションがあるものの、小さめのサーキットでクリテリウムさながらの高速レースが予想された。また、1周にかかるラップタイムも短く80%ルールがあるため、完走する事自体も危ぶまれ、否が応でも緊張が高まる。

男子エリートには前日に引き続き、世界王者ワウト・ヴァンアールト(ベルギー)も出走 Photo: Shigehiko SATO男子エリートには前日に引き続き、世界王者ワウト・ヴァンアールト選手(ベルギー)も出走 Photo: Shigehiko SATO

 昨日のレースは男子エリートとU23が別々だったが、今日のレースは混走となるため、出走人数は58人と昨日に比べたら多め。女子は逆に昨日は75人の出走だったが、今日は44名と少な目。男女共にほぼ同じ顔ぶれだが、さすがにUCIレースを全員が2日連続で走るという訳ではない。

 試走を終えてレースの時間までは、車の中で身体を寄せ合って暖をとる。しかしお昼頃には気温5℃まで上昇し、時折晴れ間も見え、走りやすくなった。

男子エリート最終周回のサンドセクション。王者ワウト・ヴァンアールトの熱い走り Photo: Ken HASHIKAWA男子エリート最終周回のサンドセクション。王者ワウト・ヴァンアールト選手の熱い走り Photo: Ken HASHIKAWA

頑張って踏み続けて…

女子エリート世界トップランクの選手が勢ぞろい Photo: Shigehiko SATO女子エリート世界トップランクの選手が勢ぞろい Photo: Shigehiko SATO

 午後1時15分に女子のレースがスタート。スタート位置は前から3列目。嬉しい。クリートキャッチはまずまず成功して、舗装路から左コーナーに入り、そこから180度ターンがいくつか続き、コーナーを重ねるうちにどんどん抜かれていく。テクニカルセクションを過ぎたあたりから、踏める区間があるのでできるだけ前の選手をパスするように心掛けるが、1周目はなかなか抜けない。

 1周目は40位くらいで通過。がっかり。でも前を行く選手をパスしていかなければ完走できないので、舗装路や道幅の広い区間で思いっきり加速して、一人一人パスしていった。シケイン越えやランニング区間からのクリートキャッチに苦労しながら、それでも頑張って踏み続け周回を重ねた。あと3周、すごくきつい。

唐見実世子選手がシケインを通過。間違いなくこの遠征で上達している Photo: Shigehiko SATO唐見実世子選手がシケインを通過。間違いなくこの遠征で上達している Photo: Shigehiko SATO
レース中は沢山の方から「MIYOKO!」コールが起こるほどになった。レース後もファンサービス Photo: Shigehiko SATOレース中は沢山の方から「MIYOKO!」コールが起こるほどになった。レース後もファンサービス Photo: Shigehiko SATO

 残り2周、ラスト周回の鐘がなるまではとにかく頑張ろうと思って踏み続ける。ラスト1周。鐘の音が聞こえた。何とか完走だけは出来そう。前を行く選手が見えたのでひとつでも前のポジションでゴールしようと思い我慢して踏む。しかし、シケインでミスをして、さらに下りの区間でコーステープとハンドルが絡まってしまって落車。この地点で前を行く選手が視界から消えてしまい、そのままゴール。24位。

 レース毎に自分なりにテクニックが身についているのは確信しているが、まだまだUCIレースで同等に戦えるほどではない。もっと練習を積み重ねて上手くなりたいと思った。

前田選手がハイスピードのパックで完走

今日もまた豪華メンバーが一堂に揃う、男子エリートレースのスタートグリッド Photo: Ken HASHIKAWA今日もまた豪華メンバーが一堂に揃う、男子エリートレースのスタートグリッド Photo: Ken HASHIKAWA

 午後3時、男子のレースがスタート。スタート位置は前田選手が3列目くらい。織田選手は後ろから2列目で大変そう。

 スタートしてからずっと速い。高速をキープしたまま的確なコーナーリング、砂のセクションもほとんどミスがない。それに、上位の選手のほとんどはシケインをバニーホップで越えていく。世界のトップの走りを見せつけられた。

日本のレースとは違う深いサンドセクション Photo: Ken HASHIKAWA日本のレースとは違う深いサンドセクション Photo: Ken HASHIKAWA
エリートレースのスピードに徐々に対応してきている織田聖選手 Photo: Shigehiko SATOエリートレースのスピードに徐々に対応してきている織田聖選手 Photo: Shigehiko SATO
ラインを外さず、スピードを殺さず、攻める前田公平選手 Photo: Shigehiko SATOラインを外さず、スピードを殺さず、攻める前田公平選手 Photo: Shigehiko SATO

 前田選手は、後方集団に下がってしまったものの、ハイスピードのパックでレースを展開している。驚いたのは織田選手。後ろのパックから単独で前を行く集団を追い、ジワジワとその差を詰めている。レース中盤、前田選手のパックを捕らえる。でも辛そう。なんとか食らいついていくも、砂のセクションで落車してしまって集団から遅れてしまう。織田選手は健闘したものの、ラスト2ラップでレース終了となってしまった。

この遠征でハイスピードでのバイクコントロールテクニックが上達した前田公平選手 Photo: Ken HASHIKAWAこの遠征でハイスピードでのバイクコントロールテクニックが上達した前田公平選手 Photo: Ken HASHIKAWA

 前田選手はそのままの集団でゴール。トップと同一周回の41位となった。ハイスピードに対応した走りは本当に素晴らしかった。織田選手はマイナス2ラップながらも44位というリザルトを残した。

 明日は休養日。しっかりとリカバリーして元日にベルギ―で行われるBaal(バール)がいよいよ遠征最終戦。今まで一番良い走りが出来るようにしたい。

<8終>遠征最終戦の大舞台で個々の課題を実感

弱虫ペダル サイクリングチーム弱虫ペダル サイクリングチーム(よわむしぺだる さいくりんぐちーむ)

2014年から活動を開始した「弱虫ペダル シクロクロスチーム」をベースに、2016年からはロード・MTB・シクロクロス・BMXの本格的な活動を開始。2020年に開催される東京オリンピックを見据え、チームからオリンピアンを輩出する事を前提としたアグレッシブな活動を行う。日々更新されるチーム公式Facebookページが充実。参戦スケジュール・レースレポートなどは公式ホームページに随時アップ

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