弱虫ペダルチーム・欧州シクロクロス遠征記<6>半端ないベルギーの寒さの中、3大シリーズ戦の一つ「ルンハウト」で見えた成果と課題

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 年末年始、オランダを拠点に2週間のシクロクロス欧州遠征に臨む「弱虫ペダル サイクリングチーム」は12月29日、3大シリーズ戦の一つである、「DVV Verzekeringen Trofee Azencross Loenhout(ルンハウト)ステージ」に参戦しました。プレイングコーチの唐見実世子選手のレポートに加え、チームの編集したレース動画も紹介します。

<5>異次元のスピードに対応できず…

凹凸が連続する「ウォッシュボード」をこなす織田聖選手 Photo: Shigehiko SATO凹凸が連続する「ウォッシュボード」をこなす織田聖選手 Photo: Shigehiko SATO

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平坦基調だが難しいコース

 12月29日、3大シリーズ戦の一つであるDVV Verzekeringen Trofee Azencross Loenhout(ルンハウト)ステージ。弱虫ペダルサイクリングチームとしては2戦目のUCIレース、また3連戦の半日でもあり、踏ん張り所の一日でもある。

 遠征も1週間を過ぎ、疲れが見え始めが、朝7時にハリーさんのお宅を出発。昨日と同様、深い霧に覆われまだまだ辺りは暗い。温度計は-2℃を差している。本当に寒い。国境を超えベルギー、ルンハウトに到着するころ、ようやく日の出を迎えた。

トップチームのサポートバス。サポート体制ひとつとっても、自転車競技が根付いている文化を強く感じられる Photo: Shigehiko SATOトップチームのサポートバス。サポート体制ひとつとっても、自転車競技が根付いている文化を強く感じられる Photo: Shigehiko SATO
シクロクロスがプロスポーツとして確立している欧州では、当然レースには観戦料が必要。この日の観戦料は10ユーロ Photo: Shigehiko SATOシクロクロスがプロスポーツとして確立している欧州では、当然レースには観戦料が必要。この日の観戦料は10ユーロ Photo: Shigehiko SATO

 8時半、受付を済ませ着替えてコース試走へ。すでにアンダー17から23の選手がたくさん試走を開始している。気温は2℃まで上昇していたが、まだまだ寒い。寒いのでたくさん乗って身体を温めるしかない。

 ハリーさんは例年は泥の区間がたくさんあると仰っていたが、今年は10月から降雨量が少なくいつもよりドロドロではなかったようだった。平坦基調で、凹凸が連続する「ウォッシュボード」や180度ターンからの上りや溝のような箇所もいくつかあって難しいコースだった。

 アンダー17のレースが終わってから30分間試走、レースが空くのでその時間も試走。少しコースを覚えた。

織田選手はハイスピードにも順応

男子U23カテゴリーのスタート地点、世界トップランクの選手が並ぶ Photo: Shigehiko SATO男子U23カテゴリーのスタート地点、世界トップランクの選手が並ぶ Photo: Shigehiko SATO

 そして12時、織田聖選手の走るアンダー23がスタート。今回のレースは4列目スタート。前回よりは前に並べて良かった。スタートも成功して、位置をキープしたまま左コーナー、右コーナーと続いた。抜きつ抜かれつを繰り返しているうちに、4人のパックができ、そのパックで周回を重ねる。苦しいけど、その苦しさにも耐えられるようになってきた。

男子U23レース後、差し入れの味噌汁を堪能する織田聖選手 Photo: Shigehiko SATO男子U23レース後、差し入れの味噌汁を堪能する織田聖選手 Photo: Shigehiko SATO

 ハイスピードにも順応できるようになってきている。最後は4人のパックから1人千切れ、3人のパックでゴール。42位というリザルトを残した。

 12時50分ごろ、アンダー23のレースが終了し、そこから13時45分まではお昼の試走時間。今日3回目のウォーミングアップを兼ねた試走へ。たくさん試走ができたので、難しいながらも少し慣れて私としてはラッキーだった。

多くのミス、もう一歩が出ず

豪華メンバーが一堂にそろう女子エリートレースのスタートグリッド Photo: Shigehiko SATO豪華メンバーが一堂にそろう女子エリートレースのスタートグリッド Photo: Shigehiko SATO

 13時45分、女子エリートがスタート。6列目くらい?に並ぶ。気温は午前から上がらず2℃くらいのまま。ウォームアップを済ませ、コールが終わりスタートを待つころには既に体は冷え切っている。ベルギーの寒さは半端ないと思った。

 今回は比較的クリートキャッチもうまくいき、集団の流れにのってスタートを切った。それでも後方に追いやられ、トップははるか彼方。今回のコースは前日に比べたら踏まなければならない箇所も多く、前の選手をかわすポイントも多かったので、前を行く選手を目標に一人一人抜く。

国内では経験できない高レベルの「ウォッシュボード」に挑む唐見実世子選手 Photo: Shigehiko SATO国内では経験できない高レベルの「ウォッシュボード」に挑む唐見実世子選手 Photo: Shigehiko SATO

 しかし、1周につき3回ある溝で自転車の乗り降りが上手くいかなかったり、ターンからの上りでギアを誤ったり、乗車後のクリートキャッチに時間がかかったり、他にも多くのミスを繰り返してしまった。結果、もう少し前までいけるはずだったのに、焦りからいけなかった。トップから6分差の46位。次のレースはミスを減らして、また判断ももっと早くできるようにしたいと思った。

前田選手、ハイスピードコースで健闘

 15時、前田公平選手の出場する男子エリートがスタート。後方のスタート位置となってしまった。エリートのスタートダッシュはいつも本当に速い。速い速度のまま、フライオーバーを突っ込みそのまま泥の区間などのテクニカルセクションへ。

男子エリートレースには前田公平選手(右)のほか宇都宮ブリッツェン小坂光選手も出走 Photo: Shigehiko SATO男子エリートレースには前田公平選手(右)のほか宇都宮ブリッツェン小坂光選手も出走 Photo: Shigehiko SATO
集団から離されまいと走り続ける前田公平選手 Photo: Shigehiko SATO集団から離されまいと走り続ける前田公平選手 Photo: Shigehiko SATO

 しばらくして、前田選手と小坂光選手(宇都宮ブリッツェン)は同じ4人のパックになり、周回を重ねる事になる。4人のパックも本当に速いと思ったが、先頭集団はそれよりさらに速くて、先頭と前田選手を含む集団とのタイムギャップがどんどんと開いていく。

男子エリートレースでシケインを飛び越える前田公平選手(左から3人目)。ペースの合う選手たちとパックを形成する Photo: Shigehiko SATO男子エリートレースでシケインを飛び越える前田公平選手(左から3人目)。ペースの合う選手たちとパックを形成する Photo: Shigehiko SATO

 男子選手はシケインや深い溝を自転車を降りることなくジャンプして超える選手が多くみられた。前田選手はもちろんジャンプする事ができるが、今回はリスクを考えて、自転車を降車してから飛ぶ方を選択した。織田、前田両選手も来年の今ごろはジャンプを決めているかも、と考えると楽しみでならない。

 前田選手は最終的にトップとマイナス2ラップとなってしまったが、ハイスピードコースの中を健闘し、33位というリザルトを残した。

<7>ベルギーで迎えた今年最終戦

弱虫ペダル サイクリングチーム弱虫ペダル サイクリングチーム(よわむしぺだる さいくりんぐちーむ)

2014年から活動を開始した「弱虫ペダル シクロクロスチーム」をベースに、2016年からはロード・MTB・シクロクロス・BMXの本格的な活動を開始。2020年に開催される東京オリンピックを見据え、チームからオリンピアンを輩出する事を前提としたアグレッシブな活動を行う。日々更新されるチーム公式Facebookページが充実。参戦スケジュール・レースレポートなどは公式ホームページに随時アップ

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