弱虫ペダルチーム・欧州シクロクロス遠征記<5>異次元のスピードに対応できず…唐見実世子、最終ラップ前で無念のレース終了

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 12月後半から1月にかけオランダを拠点に約2週間、欧州シクロクロス遠征中の「弱虫ペダル サイクリングチーム」。12月28日に行われた遠征4戦目となるVorden(フォルデン)でのレースの様子を、プレイングコーチの唐見実世子選手がレポートします。

<4>熾烈なオランダのナショナルレース

思い通りの走りができず苦戦を強いられる唐見実世子選手 Photo: Shigehiko SATO思い通りの走りができず苦戦を強いられる唐見実世子選手 Photo: Shigehiko SATO

◇         ◇

 12月28日。欧州遠征4戦目。今日はVorden(フォルデン)というハリーさんのお宅から2時間離れた小さな町で行われるナショナルのレースに参加してきた。

 ステイ先を9時半に出発し、12時前に会場入り。受付を済ませ、すぐに着替えて試走開始。1周ほど走ってみる。コースは基本、林のシングルトラックで林と林の間の短い区間を舗装路でつなぐ感じ。コーナーが多く、時々細かいアップダウンがあるものの、平坦のスピードコース。路面はぬかるみもほとんどなくて、高速レースになる事が予想された。試走中でも、他の選手の走りと自分との差に愕然としてしまう。

会場に着くと直ちにバイクセッティングに着手。多数のバイクを手早く調整する Photo: Shigehiko SATO会場に着くと直ちにバイクセッティングに着手。多数のバイクを手早く調整する Photo: Shigehiko SATO
この日も同じレースを走る宇都宮ブリッツェンの小坂光選手(手前) Photo: Shigehiko SATOこの日も同じレースを走る宇都宮ブリッツェンの小坂光選手(手前) Photo: Shigehiko SATO

 天候は雨こそ降らないものの、深い霧。気温は3度くらい。じっとしていると寒い。レース直前に少しでも周回できるかと思ってコース近辺で待ち構えていたが、前のレースがなかなか終わらず、周回できず。それどころかスタート時間が押してしまい、スタート位置で震えながら待たされる。今回の遠征はハリーさんのサポートもあったお蔭で円滑にレース活動をすすめられているが、それでも会場に入ってからの動きが分かっていない。オランダ語もわからない。これらの事全て含めて実力である。

女子エリートレースのスタートグリッド。UCIポイント順なので唐見実世子選手(前列右から3番目)は2番目のコール Photo: Shigehiko SATO女子エリートレースのスタートグリッド。UCIポイント順なので唐見実世子選手(前列右から3番目)は2番目のコール Photo: Shigehiko SATO

 女子のレースは13時半スタート。ゼッケンは11番だったが、UCIポイントを持っているからなのか2番目にコールを受け、びっくりしながら最前列に並ぶ。予定時間から5分以上遅れてのスタート。寒さで感覚がない。スタートからのクリートキャッチが出来ず、最前列からスタートしたにも関わらず、踏める感じもあったにも関わらず、かなり順位を下げてしまう。

 丁度ピットのあたりで横の選手に突っ込まれて、コース外まで吹き飛ばされた勢いで、気が付いたらピットの中。日比谷メカがいたので、すぐに自転車を立たせてもらって気を落ち着かせてリスタート。しかし、その時は完全に最後尾。レースは終了だった。前を行く選手もシングルトラックがメインという事もあり、せいぜい5、6人しかパスする事が出来なかった。結局、最終ラップに入るところで、レースを終了する事となった。

この日の"MCブース"となったGIANTバス Photo: Shigehiko SATOこの日の"MCブース"となったGIANTバス Photo: Shigehiko SATO

 一つ一つのコーナーさばきに手こずり、また路面の状況を把握し自分なりに会得するまでに手こずり、細かいアップダウンも上手くこなせる事が出来なかった。今年に入り、JCX戦を参戦させてもらい、オフロードへの対応も以前に比べたらかなり手応えを感じ、欧州遠征を迎え、またこちらに来て少しずつではあるがオフロードの走りを体感してはいるものの、異なったレース形態、異次元のスピードにまだ対応できていない。

男子エリートレースのスタートグリッド。やはりUCIポイント順なので日本人選手が一列目を陣取る Photo: Shigehiko SATO男子エリートレースのスタートグリッド。やはりUCIポイント順なので日本人選手が一列目を陣取る Photo: Shigehiko SATO

 そんなに簡単に習得できるものではない事は重々承知だが、今は自分の走りに不甲斐なさしか感じない。私に残されたのは残りわずか3戦。今できる最高のレースで応えるようにしたい。

 男子エリートは14時半スタート予定だったが、さらに押して15時頃スタート。とにかく速い。当たり前だが、速度が速くなればなるほど、さらに技術が必要だし、心拍数が上がりすぎると技術的に対応できなくなるため、自ずと高い身体能力が必要となる。もちろん、集中力は必須。

終始積極的な走りを見せる前田公平選手 Photo: Shigehiko SATO終始積極的な走りを見せる前田公平選手 Photo: Shigehiko SATO

 シングルトラックに入って1列棒状。クリテリウムみたい。少ししたら、集団が前へ前へとブチブチと分裂し始め、2人、4人、4人…と小さな集団が出来始める。弱虫ペダル、前田選手と宇都宮ブリッツェン、小坂選手は12、3番あたりで踏ん張っている。織田選手もその後方集団で頑張っている。先頭を行く二人からは徐々に差を付けられてしまったものの日本人選手3人ともハイスピードをキープし、集中力を切らす事なく、最後まで踏み続け、小坂選手12位、前田選手15位、織田選手17位の好リザルトとなった。

コーナーの突っ込みから立ち上がりまで、ハイスピードを維持することが求められる Photo: Shigehiko SATOコーナーの突っ込みから立ち上がりまで、ハイスピードを維持することが求められる Photo: Shigehiko SATO
ベストを尽くした前田公平(手前)と織田聖の両選手 Photo: Shigehiko SATOベストを尽くした前田公平(手前)と織田聖の両選手 Photo: Shigehiko SATO

 明日、明後日と3連続でレースが続く。まず明日はシクロクロス3大シリーズ戦の一つである、DVV Verzekeringen Troffe。男子両選手はこの調子をキープして、私は良いイメージを作り直して、まずは明日の大舞台に挑みたい。

<6>「ルンハウト」で見えた成果と課題

弱虫ペダル サイクリングチーム弱虫ペダル サイクリングチーム(よわむしぺだる さいくりんぐちーむ)

2014年から活動を開始した「弱虫ペダル シクロクロスチーム」をベースに、2016年からはロード・MTB・シクロクロス・BMXの本格的な活動を開始。2020年に開催される東京オリンピックを見据え、チームからオリンピアンを輩出する事を前提としたアグレッシブな活動を行う。日々更新されるチーム公式Facebookページが充実。参戦スケジュール・レースレポートなどは公式ホームページに随時アップ

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