弱虫ペダルチーム・欧州シクロクロス遠征記<4>熾烈なオランダのナショナルレース 順応力がリザルトアップのカギに

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 12月後半から1月にかけオランダを拠点に約2週間、欧州シクロクロス遠征中の「弱虫ペダル サイクリングチーム」は、ほぼ連日レースに参戦し続けています。プレイングコーチの唐見実世子選手が、自身をはじめ前田公平選手、織田聖選手の奮戦ぶりをリポートします。

<3>唐見実世子が遠征初勝利

スリッピーな路面で果敢にアタックする織田聖選手 Photo: Shigehiko SATOスリッピーな路面で果敢にアタックする織田聖選手 Photo: Shigehiko SATO

◇         ◇

テクニカルかつスピードコース

熱いMCは万国共通 Photo: Shigehiko SATO熱いMCは万国共通 Photo: Shigehiko SATO

 12月26日、欧州遠征3戦目は、オランダのナショナルクラスのレース。例えるならオランダのJCX戦。レースは11時から各カテゴリー毎に1時間おきにスタートが切られる。老若男女多くの選手がレースを楽しんでいる。

 12時過ぎに会場入り。受付を済ませてジャージに着替え、すぐに試走を開始した。こちらのナショナルのレースは試走時間が設けられていないため、レースとレースの間で試走をする。1周だけ周回できたが、コースはクネクネしていて複雑で、シングルトラックが多く、細かいアップダウンや鋭角ターンが多い。とても覚える事はできないし、1周で感覚を掴むのは難しい。

 辛うじて分かったのは、砂のような粘土質のような感じの路面と、深く掘れて轍ができている箇所や、フカフカな砂の上りやキャンバーなどで、コースの半分くらいはシングルトラックになっているが、クリテリウムのようなスピードコースだということだ。

ホームステイさせていただいているハリーさんの車に、6台のCXバイクと予備ホイール5台分を満載 Photo: Shigehiko SATOホームステイさせていただいているハリーさんの車に、6台のCXバイクと予備ホイール5台分を満載 Photo: Shigehiko SATO
レース会場には宇都宮ブリッツェンの小坂光選手が Photo: Shigehiko SATOレース会場には宇都宮ブリッツェンの小坂光選手が Photo: Shigehiko SATO

1列目スタートも、すぐに後方へ…

 14時から私、唐見が出場する女子エリートスタート、その1分後に女子ジュニアがスタートする。

 「Miyoko Karami」は最初にコールされたので1列目でスタートする事ができたが、30秒前くらいから、他の選手がミリ単位でジワジワと前へ動く。こちらの選手はスタートに貪欲。ハンドルを被せられてしまうので、私もそれに合わせてジワジワと前に動くしかない。

女子エリートのレーススタート Photo: Shigehiko SATO女子エリートのレーススタート Photo: Shigehiko SATO

 そしてレースがスタート。クリートキャッチをしている間に2列目の選手がハンドルを前に出してくる。その熾烈さに驚いているうちに集団の後方に追いやられてしまう。シングルトラックに入ってからは、同じようなレベルの選手と走り、前の選手をキャッチしながらレースを進行するも、砂でフカフカの上り返しやコーナーリングが難しく、なかなか思うようなスピードに乗れない。

苦手な砂地の上りに苦戦する唐見実世子選手 Photo: Shigehiko SATO苦手な砂地の上りに苦戦する唐見実世子選手 Photo: Shigehiko SATO

 前との差がどんどんと広がっていく。そうこうしているうちに1分後スタートの女子ジュニアの選手にまで抜かれてしまって、残念な気分になってしまう。

 ラスト2周に入った頃からやっとコースに慣れ始め、楽しくなり始めたが時すでに遅し。13位でのフィニッシュとなった。今日のレースは長い直線や踏んで前との差を詰める箇所がなかったので、テクニックの差が露わとなったが、逆にオランダ選手まではいかないまでも最低限のテクニックさえ身につけてしまえば、ある程度走れるようになると実感した。このように毎日のように本場のレースを体感できている事に感謝である。

男子トップ選手も苦戦

スピードの違いを見せつけられ、苦戦を強いられながらも耐える織田聖選手 Photo: Shigehiko SATOスピードの違いを見せつけられ、苦戦を強いられながらも耐える織田聖選手 Photo: Shigehiko SATO

 男子のレースは午後3時から60分間。日本からは弱虫ペダルの前田公平、織田聖両選手に加え、宇都宮ブリッツェンの小坂光選手と、今回はけがのため不参加となったが池本真也選手がそのサポートで訪れ、お馴染みの顔ぶれが揃うとちょっと安心する。

 レースはスタートから本当に速い展開で、ロードレースのような様相。スタートに出遅れてしまった前田選手はテクニカルセクションで前との差を詰めながら周回を重ねる。比較的良いスタートを切る事ができた織田選手は、エリートカテゴリー1年目という事もあり、パワーの違いに戸惑いながらも歯を食いしばって耐える。

周回を重ねるごとに、明らかにコースに順応できてきた前田公平選手 Photo: Shigehiko SATO周回を重ねるごとに、明らかにコースに順応できてきた前田公平選手 Photo: Shigehiko SATO
日本のサンドと違う感じのコース。慣れで差が付くと感じた Photo: Shigehiko SATO日本のサンドと違う感じのコース。慣れで差が付くと感じた Photo: Shigehiko SATO
男子エリート、宇都宮ブリッツェンの小坂選手が熱い走りを見せる Photo: Shigehiko SATO男子エリート、宇都宮ブリッツェンの小坂選手が熱い走りを見せる Photo: Shigehiko SATO
男子エリートの表彰式。明らかに日本のプロ選手よりも強い、オランダのトップアマチュア選手が表彰台を独占 Photo: Shigehiko SATO男子エリートの表彰式。明らかに日本のプロ選手よりも強い、オランダのトップアマチュア選手が表彰台を独占 Photo: Shigehiko SATO

 今日のレースでスタートからフィニッシュまで総合して素晴らしかったのは小坂選手。スピードへの対応、テクニック、持久力、どれをとってもすばらしかった。

 リザルトとしては小坂選手は12位、前田選手14位、織田選手20位となった。日本国内では表彰台常連の彼らだが、今日の結果はシングルにも到達する事ができなかった。

 しかしレース後の感想を聞いていると、私が実感した事と同様に、スピードやコース、路面へ順応さえしてしまえば、リザルトを上げていく事はできると感じている。弱虫ペダルサイクリングチームの欧州遠征としてこなすレースはあと4戦。とにかく1戦1戦を集中して走るのみだ。

<5>異次元のスピードに対応できず…

弱虫ペダル サイクリングチーム弱虫ペダル サイクリングチーム(よわむしぺだる さいくりんぐちーむ)

2014年から活動を開始した「弱虫ペダル シクロクロスチーム」をベースに、2016年からはロード・MTB・シクロクロス・BMXの本格的な活動を開始。2020年に開催される東京オリンピックを見据え、チームからオリンピアンを輩出する事を前提としたアグレッシブな活動を行う。日々更新されるチーム公式Facebookページが充実。参戦スケジュール・レースレポートなどは公式ホームページに随時アップ

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