弱虫ペダルチーム・欧州シクロクロス遠征記<3>クリスマスイブはクラブチーム主催のレースに参戦 唐見実世子が遠征初勝利

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 12月24日、クリスマスイブ。その前日夜、前田公平選手がチームに合流し、選手が揃った。ステイ先のハリーさんのお宅を午前10時に出発。前田選手はジェットラグ(時差ぼけ)、織田聖選手と私(唐見実世子)は前夜のスーパープレステージの疲れを引きずりつつレース会場へ。今日のレースはステイ先から車で1時間程離れたRijswijk(レイスウェイク)という町で行われるクラブチーム主催のレース。ハリーさんからは、今日のレースは楽しんで走ってほしいとの事だった。

<2>初戦はベルギーでナイトレース

男子のレースで仲良く?ランデブーする前田公平選手(手前)と織田聖選手 Photo: Shigehiko SATO男子のレースで仲良く?ランデブーする前田公平選手(手前)と織田聖選手 Photo: Shigehiko SATO

クラブ専用のサーキット

この日のレースはホームステイ先から車で1時間ほど離れた「Rijswijk」にある地元クラブチーム所有の常設コース Photo: Shigehiko SATOこの日のレースはホームステイ先から車で1時間ほど離れた「Rijswijk」にある地元クラブチーム所有の常設コース Photo: Shigehiko SATO

 到着して目の前に広がるのは自転車専用の大きなサーキットコース。クラブチームが運営管理しているらしい。受付するためにクラブハウスに行ったら、すでにたくさんのライダーがコーヒーを飲んだり、おしゃべりしたりしていた。

 クリスマス休暇の準備で参加者が少ないかも、と思っていたが、自転車の国には関係ないらしい。クラブハウスではコーヒー、紅茶やスナック類、ちょっとしたアルコールも楽しむ事ができて、サイクリストの社交場のような感じになっていた。クラブハウスには、もちろん更衣室やシャワー室も完備されていた。

レース1時間半ほど前に到着したら、すでにクラブハウス前には地元選手のバイクが一杯 Photo: Shigehiko SATOレース1時間半ほど前に到着したら、すでにクラブハウス前には地元選手のバイクが一杯 Photo: Shigehiko SATO
クリテリウムやシクロクロスレースが可能な常設コースという事もあり、フィニッシュライン横にはレース解説用?MCボックス?が設置されていた Photo: Shigehiko SATOクリテリウムやシクロクロスレースが可能な常設コースという事もあり、フィニッシュライン横にはレース解説用?MCボックス?が設置されていた Photo: Shigehiko SATO
クラブハウスの廊下にはクラブチームの歴史がうかがえる素敵な写真が沢山貼ってあった Photo: Shigehiko SATOクラブハウスの廊下にはクラブチームの歴史がうかがえる素敵な写真が沢山貼ってあった Photo: Shigehiko SATO
クラブハウス内はミーティングなどだけでなく、小イベントを開催できるほどに広い。バーカウンターや、なぜかミラーボールまでも完備 Photo: Shigehiko SATOクラブハウス内はミーティングなどだけでなく、小イベントを開催できるほどに広い。バーカウンターや、なぜかミラーボールまでも完備 Photo: Shigehiko SATO

 レースのエントリーフィーは2ユーロ。それに加えクラブハウスの売り上げ(コーヒー1杯1ユーロ)などで、チーム運営やサーキットコースの維持管理をしているそうだ。このクラブチームに限らず、オランダ中の各地域にクラブチームが存在し、それぞれのチームが特色を出しつつ、同じような活動を行っている。どうりで強い選手がたくさん育つ訳だ。

 レースは大きく2つのクラスに分かれており、私の走った40分のクラスには、男子ジュニア、マスターズ、女子、体力に自信のないライダー。50分のクラスは、日本で言うカテゴリー1の選手たち。クラブレースとはいえ、レベルも高く、スポンサーの付いている選手もちらほらと見受けられた。またコースもテクニカルセクションや踏まなければならない長い直線、泥でスリッピーな区間など、シクロクロスに必要なスキルが組み込まれている素晴らしいものだった。

チーム遠征初優勝!

唐見選手が参戦する女子レースエントリーは14人 Photo: Shigehiko SATO唐見選手が参戦する女子レースエントリーは14人 Photo: Shigehiko SATO

 12時に40分のクラスがスタート。女子は1分後の時差スタート。

 スタートしてすぐにテクニカルセクションが始まる。私はといえば幅寄せされたり、コーナーで前が詰まったりしてなかなか前に出させてもらえない。そうこうしているうちに1人の選手が飛び出す。半周くらいしたところでようやく2番手まで上がり、そこからは1人で前を追う。風が強く、コースはマッドでコーナリングがすごく難しい。ストレートの部分や踏まないと進まない区間、向かい風の区間で前との差を詰めるが、先頭の選手はコースを知り尽くしていて本当に上手い。

徐々にスリッピーな路面に対応できるようになり、ペースアップを図る唐見選手 Photo: Shigehiko SATO徐々にスリッピーな路面に対応できるようになり、ペースアップを図る唐見選手 Photo: Shigehiko SATO

 2周くらいしたところでようやく先頭に追い付き、一気に突き放す。しかし、1分前にスタートした男子選手を抜くのに苦労してしまって、なかなか後ろとの差が開かない。ラスト1周に入るところで、2位の選手に追いつかれてしまい、ゴールスプリントを覚悟する。風が強かったが、テクニカルセクションを先頭で突っ込みたかった事と、体力的には自分の方が上回っていた事から、ずっと先頭を引いて走った。

トレーニングレースとはいえ、唐見選手がチーム遠征初優勝をメイク! Photo: Shigehiko SATOトレーニングレースとはいえ、唐見選手がチーム遠征初優勝をメイク! Photo: Shigehiko SATO

 コーナーの立ち上がりやストレートを踏んで、シングルトラックは後ろをブロックしながらミスをしないように気を付けて走る。ラスト半周を切ったあたりで後ろの選手が千切れてくれたので、そこからはペースを上げて後方との差を広げて単独ゴールした。

織田選手も初表彰台に

女子レース終了後、すぐに男子エリートレースのスタート。手慣れているせいか運営がとてもスムーズ Photo: Shigehiko SATO女子レース終了後、すぐに男子エリートレースのスタート。手慣れているせいか運営がとてもスムーズ Photo: Shigehiko SATO

 午後1時から50分間は男子エリート。前田選手、織田選手が出場した。スタート位置が並んだ順だったので、ゼッケン順かと思っていた2人は後ろからのスタート。前田選手は転倒からのメカトラブルで大幅なタイムロスを喫してしまう。織田選手はアタックに反応する事ができず、単独2位で周回を重ねる事となってしまう。3、4位は同じチームの選手で、先頭交代で体力温存しながら周回を重ねていく。

なぜかいつも同じようなポジションを走っている前田選手(手前)と織田選手 Photo: Shigehiko SATOなぜかいつも同じようなポジションを走っている前田選手(手前)と織田選手 Photo: Shigehiko SATO
前夜に到着したばかりの前田選手。走りにジェットラグの影響と移動疲れが垣間見れる Photo: Shigehiko SATO前夜に到着したばかりの前田選手。走りにジェットラグの影響と移動疲れが垣間見れる Photo: Shigehiko SATO
連戦となる織田選手の走りにも疲労が見られるが、集中力を切らさないようにしている事が伝わってくる力強い走り Photo: Shigehiko SATO連戦となる織田選手の走りにも疲労が見られるが、集中力を切らさないようにしている事が伝わってくる力強い走り Photo: Shigehiko SATO

 後半、3位と4位が分裂してからは3位の選手が織田選手に追いつき、4位の選手に前田選手が追いつき、それぞれが、2位3位争い、4位5位争いを繰り広げる。2位争いは最後の直線まで持ち込まれたが、先行有利の直線で織田選手が後方からのスプリントになってしまい、3位。前田選手は単独4位となった。

腰痛と戦いながらも織田選手が表彰台ゲット。トレーニングレースだがレベル的にはJCXのC1より高いかも? Photo: Shigehiko SATO腰痛と戦いながらも織田選手が表彰台ゲット。トレーニングレースだがレベル的にはJCXのC1より高いかも? Photo: Shigehiko SATO

 しかしながら、織田選手は2日連続のレース、前田選手は現地入り翌日のレースだったので、全力を尽くす事ができたと思う。

 クラブレースではあったけど、コースも難しく、上位の選手のレベルも高くJCX戦と比べても遜色のないレースだった。

 選手のレポートはチームのホームページから見る事ができます。そちらも是非ご覧ください。

<4>熾烈なオランダのナショナルレース

弱虫ペダル サイクリングチーム弱虫ペダル サイクリングチーム(よわむしぺだる さいくりんぐちーむ)

2014年から活動を開始した「弱虫ペダル シクロクロスチーム」をベースに、2016年からはロード・MTB・シクロクロス・BMXの本格的な活動を開始。2020年に開催される東京オリンピックを見据え、チームからオリンピアンを輩出する事を前提としたアグレッシブな活動を行う。日々更新されるチーム公式Facebookページが充実。参戦スケジュール・レースレポートなどは公式ホームページに随時アップ

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