走って‟幸せ”プレゼントサイクリストが街をハッピーに サンタもほほ笑むクリスマスライド
クリスマスを含む12月23~25日の3連休、晴天に恵まれた地域ではライドに出かけた方も多いと思います。そんななか仲間とクリスマスにちなんだライドイベント、その名も「クリスマスライド」を開催したイベントサークルがありました。サンタやトナカイに扮し、ソリで滑るように自転車で街を走り抜け、道行く人たちと交わす「メリークリスマス」。季節を楽しむユニークなサイクリングを、スポーツバイクを始めて2年目という女性サイクリスト・臼井友美さんがリポートしてくれました。
最初は少し恥ずかしかったけど…

イベントが開催された12月23日は日中の気温が18℃と12月とは思えない気温で、防寒対策も不要で、ジャージ選びにもそんなに悩みませんでした。ただ、悩んだのは自宅からサンタの衣装で走るか、集合場所に着いてから着替えるかということ。でも、せっかくの年に一度の機会なので、自宅からサンタに着替えて出発しました。

クリスマスライドの参加は今回が初めてで、集合場所まで1人サンタの姿で走るのは少し恥ずかしかったけれど、荒川サイクリングロードを走りながら何度となく「サンタだ!」と声をかけられ、それに応えて手を振りながら走っているうちに徐々に楽しい気持ちに変わってきました。集合場所に到着すると、メンバーはサンタクロースにトナカイに、なんとクリスマスツリーの姿も! ヘルメットなど通常のライドスタイルを基本にしながら、それぞれにクリスマスをエンジョイする仲間の様子は「お見事!」の一言でした。
今回一緒に走るのは「PoTaBeRu」というイベントサークルで出会ったサイクリストの皆さん。「Pottering」(ポタリング)と「TaBeRu」(食べる)から成る造語で、このイベントは、「東京夢舞いマラソン・ポタリング」の実行委員もされている、やがみひろあきさんが毎年主催しています。

考案されたライドイベントが事前にSNS上で発表され、各参加者が都合に応じて自由に参加します。ロードバイクを趣味とする人は男性が多いため、一般的なイベントは女性が参加しづらいこともありますが、街中を走るポタリングイベントは強度が低く、それでいてグルメも楽しめるので女性も多く、とても参加しやすい雰囲気です。
ハッピーをギブ&テイク

スタート前に交通ルールや1日の流れについての確認を行ったあと、東京・日本橋三越前のクリスマスツリー前で集合写真を撮影し、いよいよ横浜までの46kmのクリスマスライドに出発!
午前10時過ぎ、クリスマスの買い物客で賑わう銀座を通り、芝公園で東京タワーをバックにに写真を撮ります。連休初日とあって人通りも多く、サンタ姿で目立つ私たちは通りがかった人からも笑顔で声をかけられ、撮影を求められました。

続いて旧東海道品川宿を辿ります。子供たちに「メリークリスマス!」と声をかけると、「サンタがいっぱいいるよ」「プレゼントちょうだい!」という元気な声とともに、「ツリーがいるよ!」と可愛い反応が返ってきました。その後もクリスマスツリーは子供たちからとても人気で、その人気ぶりに思わず嫉妬してしまいそうでした。
他にも、旧東海道を行くウォーキングイベントが開催されていたようで、歩道を行く参加者からも「サンタさん!」「写真撮っていいですか?」「気を付けて!」と声をかけてもらいました。普段、自転車と歩行者はコミュニケーションをとる機会があまりないので、こういうやりとりが気軽にできるのもクリスマスライドならではでしょう。
そして「PoTaBeRu」に「食べる」という要素は欠かせません。多摩川、鶴見川を越えて、ランチは横浜市鶴見区にある天ぷらの美味しい店、「味童 天金」(あじわらべ てんきん)さんへ。東京湾名物、穴子天重、天重、天ぷら定食をいただきました。天ぷらというと普段はカロリーを気にしてしまいますが、走った後なら気にすることなく美味しく食べられるのがポタリングの良いところ。

さらには当日が初対面という方とも、美味しい食事と同じ趣味があれば、それだけで話が弾みます。普段どこを走っているのか、最初はなかなか難しい輪行の話、乗っているロードバイクの話、サイクルジャージの話、さらには今日の衣装のポイントなど話題は尽きません。職種も年齢も関係なく、ただ自転車でつながった人たち。日常生活では会えなかったような人たちと、こうしてつながれることもイベントサークルの醍醐味です。
おなかも心も大満足!

美味しいお食事でおなかを満たしたあとは、いよいよ目的地、横浜みなとみらい~赤レンガ倉庫へ向けて走ります。
みなとみらい、赤レンガ倉庫は自転車で乗り入れが出来ないため、押しながら歩きます。ここでも、こどもたちから「サンタだ!いっぱいいる」「ツリーが歩いてる」と声をかけていただきました。海外観光客の人たちも大きく手を振ってくれたり、嬉しい反応が返ってきました。

少し日が落ち始めたところで、自転車に電飾を施したりしながら、みなとみらいエリアを出発。ワシン坂を上り、横浜港や横浜ベイブリッジが一望出来る「港の見える丘公園」へ。ワシン坂は前半の斜度が急なため、力を振り絞って立ち漕ぎ。これが本当の「ダンシングサンタクロース」?

そしてお次は横浜グルメを求めて横浜中華街へ。老舗の「聘珍樓」(へいちんろう)さんで、肉包(にくまん)を買いました。具材がしっかり詰まっていて、皮もしっとりと甘く、一個でお腹いっぱいの満足感でした。…が、もしかして、もう一個食べられたかな? そんなことを躊躇なく思えるのもライドのおかげでしょうか?
最後に夜の横浜のイルミネーションとともに記念写真を撮影し、解散。帰路に着く頃には日中と打って変わって気温もだいぶ下がっていましたが、心にはほんわかと温かい気持ちがしばらく残りました。「また来年もサンタになりたい」と思った、楽しいイベントでした。
皆さんも来年のクリスマスは、自転車の仲間と一緒に「クリスマスライド」を楽しんでみてはいかがですか?
2014年12月にクロスバイクを購入したのち、自転車イベントに救護ボランティア(看護師)として参加。そこで知り合った人たちに影響を受け、より遠くまで速く走れるロードバイクが欲しくなり、2015年6月末にロードバイク「BOTTECCHIA 8AVIO EVO」を購入。普段のフィールドは彩湖や荒川サイクリングロードなど。