呼吸を変えて体を変える冷えで悩む女性に朗報 ヨガでつくる寒さに負けない‟サイクリストボディ”

by 後藤恭子 / Kyoko GOTO
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 自転車に乗るのがおっくうになる冬。とくに手足が冷える女性サイクリストは、外の寒さを思うとつい足が遠のきがちに…。そんなとき、走る前に体を温める準備運動として「サイクリストヨガ」を取り入れてみてはいかがでしょう。12月11日に開催されたカペルミュール主催のイベント「サイクリストのためのヨガ×ライド」で、ヨガインストラクターの大宅陽子さんがレクチャーしてくれた「冬でも快適に走り出すためのヨガの取り入れ方」を紹介します。

大宅さんのレクチャーのもと、ヨガのポーズをとる参加者の皆さん。ポーズは、股関節の曲げ伸ばしに重要な「腸腰筋」をケアする「戦士のポーズ1番」(撮影場所=ウエイブワン本社) Photo: Kyoko GOTO大宅さんのレクチャーのもと、ヨガのポーズをとる参加者の皆さん。ポーズは、股関節の曲げ伸ばしに重要な「腸腰筋」をケアする「戦士のポーズ1番」(撮影場所=ウエイブワン本社) Photo: Kyoko GOTO

ヨガは自分の体と対話する時間

ヨガインストラクターの大宅陽子さん。当日はヨガの前にストレッチやリンパマッサージなども取り入れた Photo: Kyoko GOTOヨガインストラクターの大宅陽子さん。当日はヨガの前にストレッチやリンパマッサージなども取り入れた Photo: Kyoko GOTO

 外に出ると思わず寒風に体が縮こまり、走り出せば温かくなるとわかってはいても厚手の上着を着てしまい、途中でじんわりと汗をかいて「ウェア選びを失敗した…」。そんな経験をした人も少なくないのでは。

 実はこの体の熱を司っているのが毛細血管。体が温まっていないときはこの毛細血管が収縮した状態で、これが運動によって血流が良くなることで体中に熱が運ばれるようになる。

ウエイブワン代表の中田明さんもサイクリストヨガを体験! Photo: Kyoko GOTOウエイブワン代表の中田明さんもサイクリストヨガを体験! Photo: Kyoko GOTO

 「ならばサイクリング前の準備運動」と、単に体を動かせば良いと考えがちだが、よりじっくりと効果的に毛細血管に血流を送る方法があるという。それがヨガの呼吸法だ。大宅さんによると、ヨガは呼吸法とポーズによって体内に酸素を取り入れ、身体の隅々にある毛細血管を活性化させる最適な方法。深くゆっくりとした腹式呼吸で、基本は鼻呼吸。1ポーズあたり3呼吸を目安にゆっくりと呼吸をするのがポイントだ。

 とくに「サイクリストヨガ」はサイクリストが主に使う筋肉や筋などのケアを集中的に行う、いわゆるメンテナンスのためのヨガ。大宅さんは「ヨガは自分の体と対話する時間。体を温めるのはもちろん、ライド前に取り入れることでいまの状態を把握し、ケアするきっかけにもなります」と話す。

自転車で使う筋肉を集中的にケア

肺の下に手をあてて、指先を意識しながらゆっくり深く呼吸を行う Photo: Kyoko GOTO肺の下に手をあてて、指先を意識しながらゆっくり深く呼吸を行う Photo: Kyoko GOTO

 まずヨガを始める前に、全身の血流を促すために足裏やふくらはぎから、膝関節裏にかけて上へと向かってマッサージを行う。その後、あぐらでヨガの基本姿勢をとり、肩の余分な力を抜いて横隔膜を広げ、腹式呼吸を行う。このとき、ライド中の姿勢で縮こまりがちな肺をケア、かつ活性化するため、肺の下に手をあてて指先を意識しながらゆっくりと深く呼吸をする。

 首や肩回りをゆっくり伸ばしたあと、正座の状態で上半身を前に倒し、前方に手を伸ばす「エクステンドチャイルドポーズ」をとる。その手を左右に動かす(サイドベンド)。両体側を伸ばし、腰回りの緊張をほぐす。さらに四つ這いの姿勢から「糸通しのポーズ」へ。ハンドルを握り続けることで固まりやすい肩甲骨まわりをゆるめ、同時に肩や背筋の血行を促進する。

腰から背中にかけて伸ばす「エクステンドチャイルドポーズ」 Photo: Kyoko GOTO腰から背中にかけて伸ばす「エクステンドチャイルドポーズ」 Photo: Kyoko GOTO
肩甲骨まわりをほぐし、肩や背筋の血行を促進する「糸通しのポーズ」 Photo: Kyoko GOTO肩甲骨まわりをほぐし、肩や背筋の血行を促進する「糸通しのポーズ」 Photo: Kyoko GOTO

 四つ這いの姿勢から背骨を上下に動かす「キャット&カウ」のポーズ。背骨には身体や心のバランスを保つための自律神経があり、動かすことで活性化する。ライド中、腰が疲れてきたというときにも簡単に取り入れられる、覚えておくと役に立つポーズだ。

 「下向きの犬」という意味の「ダウンドッグ」は全身を安定させ、疲れにくい身体を作る上で効果的なポーズ。骨盤や肩など全身を調整するほか、腰回りや脚の裏側にある筋肉にもじんわりと刺激が加わる。ここから上体を戻し、上に伸びることで股関節の曲げ伸ばしに重要な「腸腰筋」(ちょうようきん)をケアする「戦士のポーズ1番」へ。「ダンシング」などで負荷がかかる筋肉を労わるイメージで行う。

「キャット&カウ」のキャットポーズ。背骨を大きくそらす。「カウ」は逆に背骨を大きく丸め、¥この動作を数回繰り返す Photo: Kyoko GOTO「キャット&カウ」のキャットポーズ。背骨を大きくそらす。「カウ」は逆に背骨を大きく丸め、この動作を数回繰り返す Photo: Kyoko GOTO
「下向きの犬」という意味の「ダウンドッグ」 Photo: Kyoko GOTO「下向きの犬」という意味の「ダウンドッグ」 Photo: Kyoko GOTO
仰向けになって手足を揺らし力を抜く「屍のポーズ」の導入部。すでに気持ち良さそうな表情 Photo: Kyoko GOTO仰向けになって手足を揺らし力を抜く「屍のポーズ」の導入部。すでに気持ち良さそうな表情 Photo: Kyoko GOTO

 最後は仰向けに寝る「屍(しかばね)のポーズ」。刺激を与えた筋肉を調整するだけでなく、ヨガで活性化した副交感神経のはたらきを増幅させ、リラックス効果を高めるポーズでもある。

 いわゆるクールダウンで、大宅さんも「ライドに行きたくなくなっちゃいますね(笑)」というように、参加者の中にはリラックスし過ぎて眠りに落ちてしまう人も…。普段はライド後に取り入れるポーズなので、ぜひお試しを。大宅さんいわく、「大地に溶けていくイメージ」で全身を床に預け、目をつむるのがコツだという。

ヨガを終えて、表情が物語る気持ちよさ Photo: Kyoko GOTOヨガを終えて、表情が物語る気持ちよさ Photo: Kyoko GOTO
普段はトライアスロンに出場するという強者もこの表情 Photo: Kyoko GOTO普段はトライアスロンに出場するという強者もこの表情 Photo: Kyoko GOTO

体が喜ぶライドとごはん

 ヨガを終えた後はウエイブワン本社がある原宿から、皇居周辺を目指して往復約20kmのライドに出発。空気は冷たくても、体はぽかぽか。サイクリストたちは軽やかな足取りでペダルをこぎ、順番にスタートした。

大宅さんとともにライドに出発する参加者の皆さん Photo: Kyoko GOTO大宅さんとともにライドに出発する参加者の皆さん Photo: Kyoko GOTO
観光バスを横目に国道246号を走る Photo: Kyoko GOTO観光バスを横目に国道246号を走る Photo: Kyoko GOTO
外苑前の銀杏並木前で。「もう少し前に来たかったね~!」と秋が終わった記念に撮影? Photo: Kyoko GOTO外苑前の銀杏並木前で。「もう少し前に来たかったね~!」と秋が終わった記念に撮影? Photo: Kyoko GOTO
国会議事堂に向かう坂を上る。短いけど強めの斜度! Photo: Kyoko GOTO国会議事堂に向かう坂を上る。短いけど強めの斜度! Photo: Kyoko GOTO
Photo: Kyoko GOTOPhoto: Kyoko GOTO
Photo: Kyoko GOTOPhoto: Kyoko GOTO

 国道246号を走り、途中、銀杏の葉が舞い散る明治神宮外苑前を通過。ところどろこ残る銀杏並木を抜けて、国会議事堂経由で皇居前に到着し、サイクリングを楽しんだ。晴天のサイクリング日和に、初対面同士でも会話も弾むのはライドイベントの醍醐味。

皇居へと向かうサイクリストたち Photo: Kyoko GOTO皇居へと向かうサイクリストたち Photo: Kyoko GOTO
「ヨガのせいか体が軽く感じる」と話していた参加者の加藤綾子さん Photo: Kyoko GOTO「ヨガのせいか体が軽く感じる」と話していた参加者の加藤綾子さん Photo: Kyoko GOTO
信号待ちの瞬間、国会議事堂をバックにパチリ Photo: Kyoko GOTO信号待ちの瞬間、国会議事堂をバックにパチリ Photo: Kyoko GOTO

 皇居周辺でのライドを楽しんだあとはお待ちかねのランチタイム。元来た道を辿り、南青山にある「ライフ・クリエーション・スペース OVE(オーブ)」へと移動する。オーブは自転車部品大手のシマノが運営するコンセプトストア。カフェでは健康的な「食」や雑貨・家具などを取扱うほか、自転車で巡る「散走」イベントを開催するなど、自転車のあるライフスタイルを提案している。

 当日は同イベントのために、オーブのフードセラピストが考案した特別メニューが用意された。

イベントのためにOVEが用意した特別ランチメニュー。旬の野菜(自然素材)だけでつくられた、女性にうれしい体に優しい味わい Photo: Kyoko GOTOイベントのためにOVEが用意した特別ランチメニュー。旬の野菜(自然素材)だけでつくられた、女性にうれしい体に優しい味わい Photo: Kyoko GOTO
メニューを考案したフードセラピストの杉山映美子さん(左)と鈴木理枝さん Photo: Kyoko GOTOメニューを考案したフードセラピストの杉山映美子さん(左)と鈴木理枝さん Photo: Kyoko GOTO
美味しい食事を前に話もはずむ Photo: Kyoko GOTO美味しい食事を前に話もはずむ Photo: Kyoko GOTO

 玄米ごはんのおにぎりと野菜がたっぷり入った味噌汁、蒸かぼちゃのきのこと豆乳ソース、仙台あげ麩の柿酢甘酢あんかけなど、旬の自然素材をふんだに使った料理で、ライド後の身体に優しくしみこむ感じがちょうど良い。美味しい食事で会話もはずみ、参加した女性たちもはデザートまでぺろりと完食。温かいハーブティーを飲み終えると、最後の「カペルミュール cocoti渋谷店」に向かって、オーブをあとにした。

ゴールの「カペルミュール cocoti渋谷店」に向かって再出発! Photo: Kyoko GOTOゴールの「カペルミュール cocoti渋谷店」に向かって再出発! Photo: Kyoko GOTO

 参加者の加藤綾子さんはイベントの感想について、「サイクリストのために特化したヨガを体験したのは初めてで、自分の体と対話するということに気付けたことは良かった」と語り、ライド中も「ヨガで体がほぐれたせいか、体が軽く感じる」と効果を感じていた様子。

ゴールの「カペルミュール cocoti渋谷店」に到着 Photo: Kyoko GOTOゴールの「カペルミュール cocoti渋谷店」に到着 Photo: Kyoko GOTO

 また、元田ちさとさんは「『体の不調の原因はその部位と直接的でない場合もある』という話が印象的だった」とのこと。「ヒルクライムのときに違和感を感じていた部分が‟腸腰筋”という筋肉で、そのケアの方法を知ることができてよかった。今後はヨガを取り入れてケアをしていきたい」と話していた。

 大宅さんは「ヨガは繰り返し行うことで体に変化が起きてくるもの。自転車を長く楽しむためにも、自転車ライフの一環に体のケアをぜひ取り入れてほしいと思います」と語った。次回の「サイクリストのためのヨガ×ライド」は1月29日(日)9時30分からウエイブワン本社で実施する予定(定員:20人)。応募は、後日カペルミュールのFacebookで告知するとしている。

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