シクロクロスの醍醐味の泥レース野辺山初日、男子は小坂光が接戦を制して優勝 女子は坂口聖香が独走V
UCI(世界自転車競技連合)認定レースの「Raphaスーパークロス野辺山」が11月26日、長野県南牧村の滝沢牧場で開催され、小坂光(宇都宮ブリッツェン シクロクロスチーム)が接戦となった男子エリートレースを粘り勝ちし、自身初の野辺山優勝を果たした。また、女子エリートカテゴリーは全日本女王の坂口聖香(パナソニックレディース)が独走で勝利した。
泥と雪の高難易度な路面コンディション

コースには、数日前から降った雪が積もり、牧場ならではの深い土と相まってヘビーマッドコンディションとなった。昼間は溶けた雪が土と混ざり、水分が多い路面。また、夕方に差し掛かろうとする男子エリートカテゴリーの時間帯は気温が降下し、再び路面が凍り始める難易度が高いコースだった。
午後1時半にスタートとなったUCI女子エリートカテゴリーは5周回の設定。全日本チャンピオンジャージを着る坂口や與那嶺恵理(TEAM・eriy.jp)、今井美穂(CycleClub.jp)らがエントリーした。スタートが切られると、序盤から先頭に立ったのは、前週のマキノを制した坂口だった。
坂口は毎ラップ、ピットでバイクを交換しながらもリードを維持。後続では今井が20秒ほどの差で前方を追った。3位争いは序盤、武田和佳(Liv)と宮内佐季子(Club La. sista Offroad Team)によって展開されたが、「序盤に足元をすくわれ、杭と接触して順位を落とした」という與那嶺が2人を舗装区間でパスした。





最終ラップでもこの順位は変わらず、坂口は女王の貫禄を見せつける独走で優勝。2位は今井、3位には與那嶺だった。表彰式で坂口は「失敗がないよう、落ち着いて走った」とコメント。2週間後に行われる全日本選手権へ向けて弾みをつけた。
UCI女子エリート結果
1 坂口聖香(パナソニックレディース) 40分50秒
2 今井美穂(CycleClub.jp) +1分09秒
3 與那嶺恵理(TEAM・eriy.jp) +1分54秒
4 武田和佳(Liv) +2分2秒
5 宮内佐季子(Club La.sista Offroad Team)+3分2秒
沢田が健闘するも小坂に軍配
午後2時45分にスタートとなった男子エリートは60分間、8周回で開催された。スタートの合図が出されるとギャリー・ミルバーン(Speedvagen MAAP)と竹之内悠(Toyo Frame)が勢いよく飛び出し集団をリードする展開で始まった。しかし、程なくしてトップを形成したのは沢田時(ブリヂストンアンカー)、小坂、横山航太(シマノレーシング)の3人と、その後方にいたキャメロン・ベアード(Cannondale/Cyclocrossworld.com)だった。

4人は中盤以降も視界に入る距離までしか離れず、接戦を展開。4周目には沢田がピット横で転倒し、横山がトップに立つも5周目には沢田が先頭を奪取。混戦を呈したが、沢田がリードする展開は変わらなかった。しかし、6周目に入ると小坂がペースアップし、沢田をパス。リードを築いたまま最終周回に突入した小坂だが、背後には沢田の姿も迫っていた。

沢田は3秒程まで小坂との差を詰めるも、抜き返すことはできなかった。ゴールラインへ先に現れたのは小坂で、何度もガッツポーズをしてフィニッシュ。待望の野辺山での初優勝を飾った。2位は健闘した沢田、3位には程なくしてフィニッシュした横山が入った。長野県出身の小坂は表彰台の上で「野辺山は地元といってもいいレース。ようやく勝つことができた」と喜びをコメントした。
UCI男子エリート結果
1 小坂光(宇都宮ブリッツェン シクロクロスチーム) 58分30秒
2 沢田時(ブリヂストンアンカー) +11秒
3 横山航太(シマノレーシング) +19秒
4 キャメロン・ベアード(Cannondale/Cyclocrossworld.com) +58秒
5 ギャリー・ミルバーン(Speedvagen MAAP) +1分41秒