工具はともだち<105>コンビネーションレンチのお話し(後篇) ~めがねはしっかりボルトに掛けよう~

by 重田和麻 / Kazuma SHIGETA
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 11月に入り、サイクルモードなど各地でサイクルイベントが開催されている中、私は11月6日に京都府南部で開催されました「ツアー・オブ茶いくるラインin京都やましろ」のメインスポンサーとして取材も兼ねて現場を見に行ってきました。今回初開催となるこのイベントは、今年5月に京都で初開催となったツアー・オブ・ジャパン(TOJ)京都ステージのコースや茶畑の景観を楽しみながらライドし、途中のエイドステーションでは地域のスイーツなどが楽しめるというもの。約54kmを走るビギナー向けコースと67kmを走る中級者コースの2コースが設定されていて、大人から子供まで楽しめるイベントでした。

ゴール地点では京都のゆるキャラ達が迎えてくれていました Photo: Kazuma SHIGETAゴール地点では京都のゆるキャラ達が迎えてくれていました Photo: Kazuma SHIGETA

イベント時も心強いメカニックサポーター

スタート地点のけいはんなプラザ Photo: Kazuma SHIGETAスタート地点のけいはんなプラザ Photo: Kazuma SHIGETA

 朝7時から続々と集まった総勢約190人は予定時刻8時30分に約15人ごとに分かれ、サイクルリーダーの下、京都府精華町の「けいはんなプラザ」を出発しました。

 私はというと、出発前にメカニックサポートのブースを訪問。今回、メカニックサポートをされていたのは京都府木津川市の「サイクルライフショップ白星」の辻さんと、京都府自転車競技連盟の桐山さん。同連載「工具はともだち」を執筆するようになってから自転車に関わることが増えましたが、やっぱり現場で見たり聞いたりすることが一番勉強になります。

メカニックブースではペダル調整とブレーキ調整が多かった Photo: Kazuma SHIGETAメカニックブースではペダル調整とブレーキ調整が多かった Photo: Kazuma SHIGETA

 結構たくさんの方がメカニックサポートのブースに訪れていましたが、その大半がペダル調整とブレーキ調整。いろいろな内容で飛び込んでくる依頼に的確に対応されているのを見て、「さすがはプロ!」と感心しておりました。ライド前の確認は安全のためにも大切ですから、少しでも違和感をおぼえたら、早めのチェックが肝要ですね。

普賢寺ふれあいの駅では地元キャラクターの一休さんがお出迎え Photo: Kazuma SHIGETA普賢寺ふれあいの駅では地元キャラクターの一休さんがお出迎え Photo: Kazuma SHIGETA

 スタートした皆さんは、子供を含めて全員がTOJのコースを通り、最初のエイドステーションの「普賢寺ふれあいの駅」へ到着。地元京田辺の観光大使でもある一休さんがお出迎えしてくれたり、一押しの「抹茶プリン」に舌鼓を打ったりと私も少しイベントを堪能しました。

 この「普賢寺ふれあいの駅」は11月26日に開催するKTC&サイクリストのイベント「私にもできる!ライド&メンテナンス」でも立ち寄る休憩所で、ツアー・オブ・ジャパン京都ステージのスタート地点にもなった場所なんです。11月26日のイベントが今から楽しみです。そして、今回のイベントを完走された参加者の皆様、スタッフの皆様お疲れ様でした!

少しの形状の違いで大きな差が現れる工具

 さて、イベント報告はこのくらいにして、今回は前回に続いてコンビネーションレンチのご紹介(後半)です。前回はコンビネーションレンチの片側であるスパナの形状変化についてご説明しましたが、今回はその反対側の「めがね」のお話しです。

ネプロスのコンビネーションレンチ ⒸKTCネプロスのコンビネーションレンチ ⒸKTC
以前に生産されていた45°めがね型コンビネーションレンチ ⒸKTC以前に生産されていた45°めがね型コンビネーションレンチ ⒸKTC

 通常のめがねは45°の角度が付いていたりしますが、一般的なコンビネーションレンチは15°の角度とやや浅い角度になっています。昔は45°のコンビネーションレンチもあったのですが、今では15°がスタンダード。15°の角度がついていると、ボルト・ナットに掛けた際、レンチが上側に逃げるので、レンチの下にクリアランスができて握り易くなります。

 逆側を使えば、裏側のナットの回り止めをする際にレンチを表側に出すことができ便利です。角度については、どれが正解という事はなく、作業によって変わってきます。例えばKTCのサイクルツール用の薄口コンビネーションレンチは一般の自転車のブレーキのダブルナットの締緩や狭い隙間での作業を考慮し薄手のタイプにし、更にロングのストレートにすることで締結物から逃がしています。

KTCの自転車用薄口コンビネーションレンチ ⒸKTCKTCの自転車用薄口コンビネーションレンチ ⒸKTC
両側をうまく使えばレンチを逃がせる ⒸKTC両側をうまく使えばレンチを逃がせる ⒸKTC

 片方はフラットで、片方が若干オフセットされていますので、裏表を使い分けることができます。そうしたことを考えると、いろいろな角度のレンチがあると様々な状況に対応できて便利です。

ネプロス(左)と一般品のめがねの口径 ⒸKTCネプロス(左)と一般品のめがねの口径 ⒸKTC

 また、「ネプロス」のめがねレンチは口径部に少し特徴があります。一般的なめがねの口径部はテーパー状になっているものが多いのですが、ネプロスのめがねはテーパーがほとんどありません。これは、テーパーがない事によって、ボルト・ナットの底からしっかり掛かり、めがね本来の用途である、本締めや大きなトルクを掛ける上で求められる「なめない」という事をより確実にするためのものなのです。製造的には難しいのですが、ネプロスのコンセプトの一つである「より使い良い」という観点から、あえてこちらを選択しています。

 工具の形状は一見大きな差がないようでいて、ほんの少しの違いが使い勝手や耐久性など様々な面に大きな差となって現れます。皆さんもいろいろな工具のちょっとした違いを見つけてみて下さい。

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Cyclist × KTC オリジナルデジラチェ工具セット Photo: SANKEI netShopCyclist × KTC オリジナルデジラチェ工具セット Photo: SANKEI netShop

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重田和麻(しげた・かずま)

KTC(京都機械工具)入社後、同社の最高級ツール「nepros」(ネプロス)の立ち上げに携わった後、販売から企画、商品開発とさまざまな立場で同商品と歩みを共にしてきた。スポーツ自転車は初心者だが、工具についてはプロフェッショナル。これまでの経験を生かして、色々な角度からサイクリストに役立つ工具の情報を提供する。

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