Jエリートツアーは弱虫ペダルチームが席巻チームUKYOが2年連続団体優勝、個人総合はトリビオが3度目V JBCF年間表彰
JBCF(全日本実業団自転車競技連盟)が国内で主催するJBCFロードレースシリーズ「Jプロツアー」「Jフェミニンツアー」などが11月5日の千葉・幕張新都心クリテリウムをもって全戦終了となり、同日幕張メッセで開催のサイクルモード2016のメインステージにおいて年間表彰式が行われた。Jプロツアーの個人総合優勝はホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)が3度目の獲得。団体総合優勝はチームUKYOが獲得し、賞金100万円が贈られた。
渡辺航さん「ロードレースにお返しをしたい」

ジュニア選手を対象とした「Jユースツアー」は福田圭晃(横浜高校自転車競技部)が総合優勝。この日は島根県で開催の全日本ジュニアロードレースに出場のため不在だったが、リーダージャージ「アクアブルージャージ」が贈られた。
女子の「Jフェミニンツアー」では唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が総合優勝。上りが厳しいレースを中心に年間を通じてオールラウンドな強さを発揮した。リーダージャージの「シスターローズジャージ」をステージ上で着てファンにアピールした。

男子の下部シリーズとなる「Jエリートツアー」は岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)が、最終戦の幕張新都心クリテリウムも制して総合優勝に花を添えた。リーダージャージの「ネクストイエロージャージ」は次世代への期待を込めたネーミング。「今シーズンはたくさん優勝できて、今までとは違う勉強ができた」という岡は、来季はJプロツアーのトップチーム「宇都宮ブリッツェン」入りが決まっている。
上記3ツアーを合わせたJエリートツアー団体総合優勝には「弱虫ペダルサイクリングチーム」が獲得。ロードチームは今年設立したばかりだが、2部門で個人総合優勝という活躍で団体でも栄冠に輝いた。チーム監督でマンガ『弱虫ペダル』作者の渡辺航さんは「ロードレースにいつも僕はお返しをしたいと思っています。来年も走りますのでよろしくお願いします」とさらなる活躍を誓った。
プレッシャーを力に変えたチームUKYO

トップカテゴリーのJプロツアーの表彰では、まずU23(23歳未満)個人総合1位の小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)が表彰された。「ピュアホワイトジャージ」に袖を通した小野寺は、「自分自身でもびっくりするくらい成長できた1年間」とシーズンを振り返り、表彰台で毎回披露してきた“ポーズ”をこの日も決めてみせた。
続いて個人ランキングの上位3人が表彰された。年間3位のベンジャミン・プラデス(スペイン、チームUKYO)は「団体優勝に加えて個人でも表彰台に上がれて嬉しい」と喜びのコメント。年間2位の増田成幸(宇都宮ブリッツェン)は「チームは史上最多勝を挙げられ大成功だったが、団体総合も個人総合も持っていかれたので悔しさが残る。また来年取れるように努力して勝てるように頑張りたい」と来季のリベンジを誓った。

そして個人総合優勝に輝いたトリビオ。来日4シーズンで3度目となる年間総合の「ルビーレッドジャージ」に袖を通し、輪島塗の優勝カップを高々と掲げた。コメントを求められると「本当にありがとうございます。このジャージを取れてとても嬉しい」とはっきりした日本語を交えて笑顔で声援に応えた。
団体総合優勝はチームUKYOが2年連続で獲得。キャプテンの畑中勇介は「23戦、1年間長い戦いでした」とシーズンを振り返った。夏場は宇都宮ブリッツェンにポイント差を詰められて辛い時期もあったが、片山右京監督から「上(本場ヨーロッパ)を目指しているチームはどんなレースでも勝たなくてはいけない」とプレッシャーをかけられたことが、そこからのチーム一丸での奮起につながったという。「無事この場で皆さんの前に立てるのが嬉しい」と畑中は堂々とした表情で喜びを語った。