全日本選手権ロード2012骨折を押して激走 五輪を手繰り寄せた新城

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全日本ロード選手権を疾走する新城幸也 =4月29日、岩手県八幡平市(米山一輝撮影)全日本ロード選手権を疾走する新城幸也 =4月29日、岩手県八幡平市(米山一輝撮影)

 最後の上りで引き離されて9位にとどまったが、走り終えた新城幸也(チームヨーロッパカー)の表情は安堵に包まれていた。29日に岩手・八幡平で行われた全日本ロード選手権。新城は優勝候補の筆頭だったが、実は4月1日にフランスのレースで左手首を骨折し、出場すら危ぶまれる状態に陥っていた。

 ケガの翌日に手術。帰国しリハビリを行ったが、自転車でのトレーニングを再開したのはレースの一週間前だった。それも1日2時間程度しか乗れなかったというから、この日の7時間近いレースに出場するのは“賭け”の部分が大きかった。しかし新城の背中を押したのは、欧州でのプロ生活を支えてくれる多くの人達の声援だった。

 ケガのニュースを聞いたファンからは千羽鶴が贈られた。自転車はこの日のためのスペシャルマシンが用意され、まだ握力の戻らない新城の負担を少しでも減らそうと、特別に最新の電動変速機が取り付けられた。

 左手の握力はまだ通常の半分ほど。たくましかった腕はやせ細り、全身の筋肉も落ちて体重は2キロ以上減ったという。「でも、おかげで上りが軽かったです」とあくまでポジティブだ。27歳。本格的に自転車競技を始めてから10年だが、この前向きな明るさで世界への道を切り開いてきた。

全日本ロード選手権を9位で終え、記者会見で安堵の表情を見せる新城幸也 =4月29日、岩手県八幡平市(米山一輝撮影)全日本ロード選手権を9位で終え、記者会見で安堵の表情を見せる新城幸也 =4月29日、岩手県八幡平市(米山一輝撮影)

 全日本を含めたポイント争いで、五輪代表選出が有力になった。選ばれれば、沖縄・石垣島出身者として初のオリンピック選手となる。昨年のプレ五輪で本番と同じコースを経験し、自分向きだと認識している。一昨年の世界選手権では9位に入った新城にとって、メダルは現実的な目標として捉えられている。

 今後は5月中旬にフランスでチームに合流し、下旬のレースで本格復帰するプラン。7月のツール・ド・フランス出場も目指していくという。良い意味で欲張りと言われるどん欲さは、大きなケガを経た今も健在だ。(産経デジタル 米山一輝)

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