表彰台ならずも連携に手応え中西健児がラスト3kmのアタックで見せ場 ジェラジャ・マレーシア最終ステージ

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 UCI(国際自転車競技連合)アジアツアー2.2クラスのステージレース「ジェラジャ・マレーシア2016」(Jelajah Malaysia 2016)は最終日となる10月22日、第5ステージが行われた。キナンサイクリングチームは勝利にこそつながらなかったものの、中西健児がラスト3kmでアタック。メイン集団からの飛び出しを図り、レースの最終局面で見せ場を作った。

集団内で並んで走る中西重智(手前)と野中竜馬 Photo: Syunsuke FUKUMITSU集団内で並んで走る中西重智(手前)と野中竜馬 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 18日に開幕した今年のジェラジャ・マレーシアが、いよいよ最後の戦いを迎えた。ケママンをスタートし、マレー半島東部の主要都市・クアラトレンガヌを最終目的地とする142.7km。南シナ海沿いを走るルートは、平坦でこそあるものの、風向きによっては波乱を呼ぶ可能性もあった。

スタートを静かに待つ野中竜馬 Photo: Syunsuke FUKUMITSUスタートを静かに待つ野中竜馬 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
現地の女性ファンからの人気が高かった中西健児 Photo: Syunsuke FUKUMITSU現地の女性ファンからの人気が高かった中西健児 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
集団内を走る野中竜馬 Photo: Syunsuke FUKUMITSU集団内を走る野中竜馬 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 キナン勢は、前日同様に野中竜馬、中西重智、中西健児の3選手が出走。パレード走行を経てアクチュアル(正式)スタートが切られると、すぐさま逃げ狙いのアタックの応酬となり、キナン勢も積極的に絡むが逃げグループ形成までには至らず。アタックとメイン集団による吸収との繰り返しの末、4人の逃げが決まったのはスタートから約50km走ったところだった。このグループにキナン勢は入らず、メイン集団でレースを進めていった。

 逃げる4人とメイン集団との差は、さほど大きく広がることはなく、後半にかけて少しずつ縮小傾向にあった。しかし、前を急ぐ選手たちも粘りを見せ、残り5kmを切ってもメイン集団は4人をキャッチできず。逃げ切りか、メイン集団が吸収してからのスプリントか、勝負の行方は混沌となった。

集団内を走る中西重智 Photo: Syunsuke FUKUMITSU集団内を走る中西重智 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
南シナ海沿いを走るプロトン Photo: Syunsuke FUKUMITSU南シナ海沿いを走るプロトン Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 ここで見せ場を作ったのはキナンの中西健児。2選手の動きに乗じ、メイン集団から逃げグループへのブリッジを狙った。これは1kmほど進んだところで吸収されてしまったが、活性化する集団の中で存在感を示した。

 熾烈を極めたステージ優勝争いだったが、逃げグループ内でレースを進めたパク・スンベク(韓国、KSPO)が2秒差でメイン集団をかわして、トップでフィニッシュラインへ。フィニッシュでのポイントと、この日の中間スプリント3カ所のうち2つを1位で通過したことで、逆転でのポイント賞獲得も決まった。

レース終盤に入り、トレインを形成。右から中西健児、中西重智、野中竜馬 Photo: Syunsuke FUKUMITSUレース終盤に入り、トレインを形成。右から中西健児、中西重智、野中竜馬 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
逃げ切り勝利を挙げたKSPOのパク・スンベク Photo: Syunsuke FUKUMITSU逃げ切り勝利を挙げたKSPOのパク・スンベク Photo: Syunsuke FUKUMITSU
ラスト3kmでのアタックで見せ場を作った中西健児。アジアのレースに徐々に適応している Photo: Syunsuke FUKUMITSUラスト3kmでのアタックで見せ場を作った中西健児。アジアのレースに徐々に適応している Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 キナン勢は、野中がメイン集団と同タイムでフィニッシュし26位。アシストに徹した 中西重智が69位、中西健児は70位だった。

 総合は第2ステージからのリードを守りきったアルヴィン・モアゼミ(イラン、ピシュガマン・ジャイアントチーム)が2位に3分以上のタイム差をつけて優勝。キナン勢は、中西健児が31位、野中竜馬が42位、中西重智が44位という結果だった。

 マレーシアを巡る5日間の戦いは、これで閉幕。2年連続の参戦を果たしたキナンサイクリングチームは、各ステージで選手たちが挑戦する姿勢を見せ続けた。選手間の連携もマッチしており、あとは大きなリザルトを手にするだけといえそうだ。今季は終盤に差し掛かっているが、引き続きレース出場が予定されており、残るシーズンで成果を出したいところだ。

●石田哲也監督
日本人選手だけで果敢に挑んだことは、きっと今後につながるだろう。今回のような走りができれば、きっと成績にも直結してくる。来シーズンが楽しみだ。

●野中竜馬
今回は日本人選手だけで臨んで、みんなで結果を出そうと話し合っていた。第1ステージでは僕が、第2ステージでは阿曽が、第3ステージでは中西重智がそれぞれ逃げることができたが、チームとして1度は表彰台に上がっておきたかったというのが本音。それでも、大会全体を通して自分たちが動くべき局面で動けていたし、これがフルメンバー(今大会は6人)だったら、もっとよい形ができると思う。4人の連携も完璧だったと思うし、あとは目に見えて分かる結果を出すだけだ。

●中西重智
全然走れずに終わってしまった昨年のことがあったので、大会前は少し不安だった。各ステージみんなで動いていって、その中で自分がアタックに成功した第3ステージは、逃げ切れずに本当に悔しい。大会が終わってみればすごくあっけなく感じられて、もっと何かできたのではないかとも思うが、これが今の実力だと捉えている。何より、5日間楽しめたのはよかった。

●中西健児
大会前に自分が思っていた以上に、レースではアタックができて、チームメートへのアシストもでき、しっかりと走れてよかった。アタックや逃げの展開となることが多いUCIアジアツアーは、自分にとって得意なレースが多いのではないか。

■ジェラジャ・マレーシア第5ステージ結果(142.7km)
1 パク・スンベク(韓国、KSPO) 3時間14分37秒
2 イルワンディ・ラカセク(マレーシア、NSC・マイクロンサイクリングチーム) +2秒
3 ダディ・スリャディ(インドネシア、トレンガヌサイクリングチーム)
4 ソー・ジュンヨン(韓国、KSPO)
5 モハド・ハリフ・サレー(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム)
6 モハド・ザムリ・サレー(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム)
7 モハメド・エリャス・モハメドユーソフ(シンガポール、シンガポールサイクリングフ ェデレーション)
8 チェク・モハマド・シャミル・チェクロムリ(マレーシア、ペルサダ・DCC)
9 ライアン・マキャナリー(オーストラリア、ペガサスコンチネンタルサイクリングチーム)
10 モハンマド・サウフィ・マットセナン(マレーシア、ペルサダ・DCC)
26 野中竜馬(キナンサイクリングチーム) +2秒
69 中西重智(キナンサイクリングチーム) +1分34秒
70 中西健児(キナンサイクリングチーム) +2分4秒

■個人総合時間賞
1 アルヴィン・モアゼミ(イラン、ピシュガマン・ジャイアントチーム) 17時間53分54秒
2 アミール・コラドウズ(イラン、ピシュガマン・ジャイアントチーム) +3分2秒
3 レザ・ホッセイニ(イラン、ピシュガマン・ジャイアントチーム) +3分4秒
4 ラヒーム・エマミ(イラン、ピシュガマン・ジャイアントチーム) +3分34秒
5 マーク・ジョン・レクサー・ガレド(フィリピン、セブンイレブン・サヴァRVPフィリピン) +5分49秒
6 エドガー・ノハレス(スペイン、セブンイレブン・サヴァRVPフィリピン)+7分3秒
7 ニク・モハド・アズワン・ズルキフリエ(マレーシア、マレーシアナショナルチーム)+7分31秒
8 マルセロ・フェリペ(フィリピン、セブンイレブン・サヴァ RVP フィリピン) +7分38秒
9 ルストム・リム(フィリピン、セブンイレブン・サヴァRVPフィリピン)+9分4秒
10 ゴン・ヒョソク(韓国、KSPO) +9分57秒
31 中西健児(キナンサイクリングチーム) +30分29秒
42 野中竜馬(キナンサイクリングチーム) +38分43秒
44 中西重智(キナンサイクリングチーム) +40分19秒

■ヤングライダー賞
1 ジェシー・ジェームス・イワート(オーストラリア、セブンイレブン・サヴァRVPフィリピン) 18時間4分8秒
10 中西健児(キナンサイクリングチーム) +20分15秒

■チーム総合時間賞
1 ピシュガマン・ジャイアントチーム 53時間43分53秒
7 キナンサイクリングチーム +1時間8分23秒

■ポイント賞
1 パク・スンベク(韓国、KSPO) 51pts
21 野中竜馬(キナンサイクリングチーム) 9pts
22 中西重智(キナンサイクリングチーム) 9pts
39 中西健児(キナンサイクリングチーム) 1pts

■山岳賞
1 アミール・コラドウズ(イラン、ピシュガマン・ジャイアントチーム) 50pts
14 中西重智(キナンサイクリングチーム) 3pts

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