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梶原悠未がスプリント制し女子2連覇岡篤志がJPT復帰へ圧勝、才田直人は会心の逃げ切り ジャパンカップオープンレース詳報

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 宇都宮森林公園で開催の「2016 ジャパンカップサイクルロードレース」は10月22日、プロレースの前日にアマチュアのオープンレースが開かれ、男子第1組は岡篤志(弱虫ペダル サイクリングチーム)、第2組は才田直人(リオモ・ベルマーレ レーシングチーム)がそれぞれ最後独走で優勝した。女子のレースは梶原悠未(筑波大学)が集団スプリントを制して2連覇を達成した。

男子オープン第1組で優勝した岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)を、ゴールで待ち構えていた小林海(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)が祝福する Photo: Ikki YONEYAMA男子オープン第1組で優勝した岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム)を、ゴールで待ち構えていた小林海(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)が祝福する Photo: Ikki YONEYAMA

上りで耐えた梶原悠未が抜群のスプリント

 1周10.3kmの周回コースを3周する女子オープンは、地元栃木出身の人気選手、針谷千紗子(Live GARDEN Bici Stelle)の引退レースとなった。1周目から上りのアタックで集団が絞られ、下りで遅れた選手が追いつくことを繰り返す展開となった。

スタートする女子オープン Photo: Ikki YONEYAMAスタートする女子オープン Photo: Ikki YONEYAMA
毎周回上りでペースが上がったという女子オープンのメイン集団 Photo: Ikki YONEYAMA毎周回上りでペースが上がったという女子オープンのメイン集団 Photo: Ikki YONEYAMA
3周目の女子メイン集団 Photo: Ikki YONEYAMA3周目の女子メイン集団 Photo: Ikki YONEYAMA
集団中ほどで走る梶原。その後方には吉川も見える Photo: Ikki YONEYAMA集団中ほどで走る梶原。その後方には吉川も見える Photo: Ikki YONEYAMA

 最後のホームストレートに先頭集団に残ったのは10人。残り200mから爆発的な伸びをみせたのは昨年優勝の梶原だ。吉川美穂(Live GARDEN Bici Stelle)が追いすがるが届かず、梶原が先頭でゴールを切ってガッツポーズを決めた。3位には今季Jフェミニンツアーで首位を走るベテラン唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が入った。

ゴールスプリント勝負は早々に大勢が決まった Photo: Ikki YONEYAMAゴールスプリント勝負は早々に大勢が決まった Photo: Ikki YONEYAMA
2連覇のゴールを切ってガッツポーズする梶原 Photo: Ikki YONEYAMA2連覇のゴールを切ってガッツポーズする梶原 Photo: Ikki YONEYAMA

 梶原は「力がある選手がたくさん出ていて、最初から上りで皆がペースを上げていく展開だったので、それにしっかりついていけるように走った」とレースを振り返る。前年に比べて1分近く速い展開だったが、集団は逆に昨年より大きくなった。スプリントを得意とする吉川、坂口聖香(パナソニックレディース)をマークしながら、最後は絶妙のタイミングで得意とする先行を決めた。ロードとトラックの2刀流選手。冬場のトラックシーズンに向けては「できればメダルを狙いたい」と語り、またロードレースについても「平地は自信があるので、そういうコースで日本代表として選んでもらえる選手になりたい」と抱負を述べた。

ジャパンカップ女子2連覇の梶原 Photo: Ikki YONEYAMAジャパンカップ女子2連覇の梶原 Photo: Ikki YONEYAMA

 2位の吉川は苦手な上りで毎周回遅れながらも、2周目まではチームメイトの針谷とともに下りと平坦で追走して集団復帰。最終回は単独で追いつき、力を使い果たしながらも「針谷さんの引退レースなので、少しでも上位に」と渾身のスプリントをみせた。「追いついて良かった」と悔しさに安堵が混じる表情で、「来年は優勝を狙いたい」と意欲をみせた。

女子オープン結果(30.9km:10.3km×3周)
1 梶原悠未(筑波大学) 56分22秒
2 吉川美穂(Live GARDEN Bici Stelle) +0秒
3 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) +2秒
4 坂口聖香(パナソニックレディース)
5 西加南子(ルミナリア)
6 金子広美(イナーメ信濃山形) +3秒

本命・岡が「狙い通り」の優勝

 男子オープンは女子と同じ10.3kmのコースを、7周回で争われた。人数が多いため男子は2組に分けられ、第1組はジュニアとU23(23歳未満)の選手が中心となった。スタート前の下馬評は、今年Jエリートツアーで勝利を重ねている岡が最有力と目された。

スタートラインに並ぶ男子オープン第1組の選手たち Photo: Ikki YONEYAMAスタートラインに並ぶ男子オープン第1組の選手たち Photo: Ikki YONEYAMA
優勝候補最右翼と目された岡篤志(左) Photo: Ikki YONEYAMA優勝候補最右翼と目された岡篤志(左) Photo: Ikki YONEYAMA

 全国トップクラスの若手選手が集まった第1組は、1周目から第2組より速いペースで進んだ。2周目には7人の先頭集団が形成。岡を始め、徳田優(鹿屋体育大学)、樋口峻明(京都産業大学)、野本空(明治大学自転車部)、岸崇仁(シエルヴォ奈良ミヤタ-メリダレーシングチーム)、石原悠希(順天堂大学)、緒方尚彦(南光学園東北高等学校)からなる先頭集団は、第2集団から早々に数十秒のリードを奪い、その後も差を広げて逃げ切りを濃厚にした。

序盤からハイペースの展開となった男子オープン第1組 Photo: Ikki YONEYAMA序盤からハイペースの展開となった男子オープン第1組 Photo: Ikki YONEYAMA
2周目に形成された7人の先頭グループが決定的なものに Photo: Ikki YONEYAMA2周目に形成された7人の先頭グループが決定的なものに Photo: Ikki YONEYAMA
先頭グループの中でも岡は終始余裕をみせた Photo: Ikki YONEYAMA先頭グループの中でも岡は終始余裕をみせた Photo: Ikki YONEYAMA
最終周回に突入した先頭グループ Photo: Ikki YONEYAMA最終周回に突入した先頭グループ Photo: Ikki YONEYAMA
集団内でチャンスをうかがう岡 Photo: Ikki YONEYAMA集団内でチャンスをうかがう岡 Photo: Ikki YONEYAMA

 先頭集団7人の中での戦いが始まったのは残り2周。岡と樋口のアタックで集団が割れかけるが、これは吸収される。そして残り1周、上り始めの急勾配で徳田がアタック。これには岡のみが反応し、少し離れて野本、さらに離れて残る3人が追う展開になった。

 「今日は何としても勝ちたかった」という強い気持ちで臨んだという岡。上りの頂上手前で徳田のペースが落ちたところを、狙い澄ましたようにアタック。徳田を突き放して単独先頭に立った。結局、この隊列がゴールまで崩れず、岡がジャパンカップオープン初優勝を飾った。

ガッツポーズのあと、両手を「1」にしてみせた岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム) Photo: Ikki YONEYAMAガッツポーズのあと、両手を「1」にしてみせた岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム) Photo: Ikki YONEYAMA
残り1周で仕掛けたものの2位に敗れた徳田優(鹿屋体育大学) Photo: Ikki YONEYAMA残り1周で仕掛けたものの2位に敗れた徳田優(鹿屋体育大学) Photo: Ikki YONEYAMA

 岡は昨年まではU23ナショナルチームに所属し、若手の登竜門的な海外レースを多く経験してきた実力派。しかしスランプから今年は国内をベースに、国内第2カテゴリーのJエリートツアーでレース活動を行っていた。来季は国内最高峰のJプロツアーチーム入りが決まっている。「今年はたくさん勝たせてもらって少し自信も取り戻せたので、来年はまた厳しいところで勝てるよう、成長できるようにしたい」と来季に向けて抱負を語った。

男子オープン第1組結果(72.1km:10.3km×7周)
1 岡篤志(弱虫ペダルサイクリングチーム) 1時間52分23秒
2 徳田優(鹿屋体育大学) +11秒
3 野本空(明治大学自転車部) +15秒
4 岸崇仁(シエルヴォ奈良ミヤタ-メリダレーシングチーム) +32秒
5 石原悠希(順天堂大学) +34秒
6 緒方尚彦(南光学園東北高等学校) +35秒

才田が逃げ切りで昨年のリベンジ

スタートする男子オープン第2組 Photo: Ikki YONEYAMAスタートする男子オープン第2組 Photo: Ikki YONEYAMA

 男子オープン第2組は、エリートとマスターズの選手を中心としたメンバーで、第1組と同様に7周回で行われた。序盤から小さなアタックは繰り返されるものの、大きく集団が割れることはなく全体に大集団のまま、徐々にその人数を減らしながら静かに進む展開となった。

男子オープン第2組、2周目の上り Photo: Ikki YONEYAMA男子オープン第2組、2周目の上り Photo: Ikki YONEYAMA
4周目、元全日本TT王者の中村龍太郎(イナーメ信濃山形)がアタック Photo: Ikki YONEYAMA4周目、元全日本TT王者の中村龍太郎(イナーメ信濃山形)がアタック Photo: Ikki YONEYAMA

 終盤、残り2周の上りで才田が単独アタックを決めた。集団の動きはここでも鈍く、散発的な追走は起こるものの、有力選手が見合って組織的な追走にはならない。約25秒という微妙な差で残り1周に入った才田だが、そのままゴールまで逃げ切りに成功。こちらもジャパンカップオープン初優勝となった。

残り2周の上りでアタックした才田が独走で最終周回へ Photo: Ikki YONEYAMA残り2周の上りでアタックした才田が独走で最終周回へ Photo: Ikki YONEYAMA
単独先頭を逃げる才田 Photo: Ikki YONEYAMA単独先頭を逃げる才田 Photo: Ikki YONEYAMA
才田を追うメイン集団 Photo: Ikki YONEYAMA才田を追うメイン集団 Photo: Ikki YONEYAMA

 「昨年失ったものを取り戻したかった」とゴール後に述べた才田。実は昨年の同レースでも終盤逃げながら、ゴール前300mで捕まり優勝を逃していた。ゴールスプリントは苦手。「集団で行っても不利になるばかり」とアタックして栄冠を勝ち取った。23歳から競技を始めたという、遅咲きの31歳。今後については「Jプロツアー表彰台や、国内のUCIレースに出られたらチャンスを狙いたい」と話した。

逃げ切ってゴールした才田 Photo: Yoshihiko FUKUMOTO Photo: Ikki YONEYAMA逃げ切ってゴールした才田 Photo: Yoshihiko FUKUMOTO Photo: Ikki YONEYAMA
優勝した才田 Photo: Ikki YONEYAMA優勝した才田 Photo: Ikki YONEYAMA

男子オープン第2組結果(72.1km:10.3km×7周)
1 才田直人(リオモ・ベルマーレ レーシングチーム) 1時間56分21秒
2 寺崎武郎(バルバレーシングクラブ) +12秒
3 中村龍太郎(イナーメ信濃山形)
4 辻元尚希(スミタ・エイダイ・パールイズミ・ラバネロ)
5 西沢倭義(シエルヴォ奈良ミヤタ-メリダレーシングチーム)
6 青木峻二(ウォークライド・シクロアカデミア)

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