集団スプリントで地元トレンガヌが勝利キナンの中西重智が逃げグループで快走 ジェラジャ・マレーシア第3ステージ

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 UCI(国際自転車競技連合)アジアツアー2.2クラスのステージレース「ジェラジャ・マレーシア 2016(Jelajah Malaysia 2016)」は10月20日、169.1kmの第3ステージが行われ、日本チームとして唯一参戦中のキナンサイクリングチームは、前半に形成された逃げグループに中西重智が乗り、終始前方でレースを展開。惜しくもメイン集団に吸収されたものの、あわや逃げ切りかという快走を演じた。

逃げグループを率いる中西重智 Photo: Syunsuke FUKUMITSU逃げグループを率いる中西重智 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

中西重智が3人の逃げを形成

サイン台でチーム紹介を受ける4選手。左から野中竜馬、阿曽圭佑、中西健児、中西重智 Photo: Syunsuke FUKUMITSUサイン台でチーム紹介を受ける4選手。左から野中竜馬、阿曽圭佑、中西健児、中西重智 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 中盤戦を迎えた今大会、第3ステージは序盤に3つの山岳ポイントを越え、その後はおおむね平坦。コースレイアウトだけ見るとスプリンターに有利だが、前日までにイランのピシュガマン・ジャイアントチームの4人が総合上位を固め、後続に大差をつけていることもあり、逃げでチャンスをうかがうチームが増えると予想された。キナンサイクリングチームも同様に、中西重智、阿曽圭佑、野中竜馬、中西健児とそれぞれにチャンスがあれば逃げに加わるよう、チームオーダーが与えられた。

出走サインをする阿曽圭佑 Photo: Syunsuke FUKUMITSU出走サインをする阿曽圭佑 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
スタート前に集中する阿曽圭佑 Photo: Syunsuke FUKUMITSUスタート前に集中する阿曽圭佑 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
パレード走行中のプロトン。前方に見えるのは阿曽圭佑 Photo: Syunsuke FUKUMITSUパレード走行中のプロトン。前方に見えるのは阿曽圭佑 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 そして、そのねらいは中西重智が果たすこととなる。スタートから30kmを過ぎたあたりで仕掛け、これに同調した2人と前を急ぐ。ピシュガマン勢がコントロールするメイン集団は、3人の逃げを容認した。

 最大で約5分のリードを得た中西重智ら。それ以上にタイム差が開くことはなかったが、メイン集団も淡々と進み追撃姿勢は見られない。距離を追うごとに前を行く3人が有利となっていく。

中西重智(中央)を含む逃げグループ3人 Photo: Syunsuke FUKUMITSU中西重智(中央)を含む逃げグループ3人 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
総合首位のアルヴィン・モアゼミと並んで走る中西健児 Photo: Syunsuke FUKUMITSU総合首位のアルヴィン・モアゼミと並んで走る中西健児 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
メイン集団内で固まって走る。左から中西健児、野中竜馬、阿曽圭佑 Photo: Syunsuke FUKUMITSUメイン集団内で固まって走る。左から中西健児、野中竜馬、阿曽圭佑 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

100km以上の逃げも実らず

中西重智が快調に飛ばす Photo: Syunsuke FUKUMITSU中西重智が快調に飛ばす Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 中西重智は中盤と後半に合計3カ所設けられた中間スプリントポイントは他選手に譲り、ステージ狙いに集中。快調に飛ばしているかに見られたが、残り30kmを切ったあたりからメイン集団がペースアップ。逃げグループとのタイム差が急激に縮まり始めた。

 疲れの見え始めた逃げグループは、1人が脱落すると、フィニッシュまで残り20kmというところで中西も遅れてしまう。最後まで粘ったソー・ジュンヨン(韓国、KSPO)もラスト5kmで集団に吸収。スプリントによるフィニッシュ勝負の可能性が高まった。

メイン集団で走る阿曽圭佑はカメラを見つけVサイン Photo: Syunsuke FUKUMITSUメイン集団で走る阿曽圭佑はカメラを見つけVサイン Photo: Syunsuke FUKUMITSU
集団内のポジションを固める野中竜馬(右)と阿曽圭佑 Photo: Syunsuke FUKUMITSU集団内のポジションを固める野中竜馬(右)と阿曽圭佑 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 だが、わずかな可能性にかけてアタックが頻発。野中や中西健児がこれにトライし、先行する場面も見られたが、スプリントに向けてスピードの上がった集団がこの状況を許さなかった。

レース後半にトレンガヌサイクリングチームを中心にメイン集団のペースを上げる Photo: Syunsuke FUKUMITSUレース後半にトレンガヌサイクリングチームを中心にメイン集団のペースを上げる Photo: Syunsuke FUKUMITSU

大会は後半戦へ

 スプリントとなった勝負は、地元マレーシアのモハド・ハリフ・サレー(トレンガヌ サイクリングチーム)が優勝。激しさを増した集団内、阿曽がラスト300m地点で落車に巻き込まれるアクシデントはあったが、付き添ってフィニッシュした中西健児とともに救済措置によりトップとタイム差なしとなっている。また、見せ場を作った野中、中西重智もトラブルなくレースを終え、翌日のステージへとつなげている。

スプリント勝負は、モハド・ハリフ・サレー(左から2人目)が勝利 Photo: Syunsuke FUKUMITSUスプリント勝負は、モハド・ハリフ・サレー(左から2人目)が勝利 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
落車の影響を受けた阿曽圭佑(右)と中西健児は救済措置によりタイム差がつかず Photo: Syunsuke FUKUMITSU落車の影響を受けた阿曽圭佑(右)と中西健児は救済措置によりタイム差がつかず Photo: Syunsuke FUKUMITSU
レースを振り返る3選手。左から野中竜馬、中西健児、中西重智 Photo: Syunsuke FUKUMITSUレースを振り返る3選手。左から野中竜馬、中西健児、中西重智 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 21日に行われる第4ステージは、マチャン(MACHANG)からゴン・バダ(GONG BADAK)までの125.2km。大会は後半戦を迎え、マレー半島東部、南シナ海沿いでの戦いへと移る。細かいアップダウンこそあれど、山岳ポイントが設けられず、スプリンターや逃げが有利な展開となることが予想される。キナン勢もこれまで同様、あらゆる局面でチャンスをうかがいながら勝利を狙い続ける。

●石田哲也監督のコメント
ピシュガマン勢が集団コントロールを始めるとなかなか逃げが決まらない中で、中西重智がアタックを成功させられたのは諦めずにトライをし続けた結果。積極的に動く姿から、4選手がそれぞれ逃げでチャンスを作ろうとしている様子が見られる。終盤に捕まってしまったが、それまで粘っていたし、フィニッシュ直前の中西健児と野中のアタックからも懸命に戦っている実感がある。また、中西健児が指示通り動いている点も評価したい。毎日誰かが活躍しているだけに、あとはリザルトがついてくればもっとうれしい。

●阿曽圭佑のコメント
ラストの直線は、どこもチーム単位で動いている様子がなかったので、もがけば自分にもチャンスがあるのではないかと思って構えていたが、落車に巻き込まれてしまい、そこで終わった。

●野中竜馬のコメント
集団に捕まってしまったとはいえ、アタックのかかりはよかったので、残り2ステージも可能性はあると感じている。できれば逃げて勝負をしたいと思うが、それが難しければスプリントで狙っていきたい。

●中西重智のコメント
逃げが決まったのはスタートから30km付近。下りで集団のペースが緩んでいたので、自分からアタックしたら他の選手が続いてきて、そのまま逃げが決まった。韓国の選手(ソー・ジュンヨン)がかなりの時間先頭を引いていて、結局フィニッシュまで残り20kmになろうかというところでアタックされてしまった。最後は逃げグループの中でも脚が合わなくなってきていた。

ジェラジャ・マレーシア第3ステージ結果(169.1km)
1 モハド・ハリフ・サレー(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム) 4時間0分49秒
2 パク・スンベク(韓国、KSPO) +0秒
3 イルワンディ・ラカセク(マレーシア、NSC・マイクロンサイクリングチーム)
4 モハド・ザムリ・サレー(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム)
5 モハマド・イッザト・ヒルミ・アブドゥルハリル(マレーシア、チームタイアケア・ドクターダグー-PBNK)
6 ライアン・マキャナリー(オーストラリア、ペガサスコンチネンタルサイクリングチーム)
7 ナビル・オマール・モハドバクリ(マレーシア、NSC・マイクロンサイクリングチーム)
8 ムハンマド・アエレ・ロスリ(マレーシア、セランゴール・MBPJ)
9 バムバン・スリャディ(インドネシア、ブラックインク サイクリングチーム)
10 ソー・ジュンヨン(韓国、KSPO)
64 野中竜馬(キナンサイクリングチーム) +42秒
68 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +0秒
69 中西健児(キナンサイクリングチーム) +0秒
71 中西重智(キナンサイクリングチーム) +4分16秒

個人総合時間賞
1 アルヴィン・モアゼミ(イラン、ピシュガマン・ジャイアントチーム) 11時間58分5秒
2 アミール・コラドウズ(イラン、ピシュガマン・ジャイアントチーム) +3分2秒
3 レザ・ホッセイニ(イラン、ピシュガマン・ジャイアントチーム) +3分4秒
4 ラヒーム・エマミ(イラン、ピシュガマン・ジャイアントチーム) +3分27秒
5 エドガー・ノハレス(スペイン、セブンイレブン・サヴァRVPフィリピン)+7分3秒
6 マルセロ・フェリペ(フィリピン、セブンイレブン・サヴァRVPフィリピン) +7分38秒
7 マーク・ジョン・レクサー・ガレド(フィリピン、セブンイレブン・サヴァRVPフィリピン) +8分36秒
8 ルストム・リム(フィリピン、セブンイレブン・サヴァRVPフィリピン)+9分5秒
9 ゴン・ヒョソク(韓国、KSPO) +9分57秒
10 ヌル・アミルル・ファクルディン・マルズキ(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム) +9分58秒
13 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +11分49秒
28 中西健児(キナンサイクリングチーム) +26分36秒
43 中西重智(キナンサイクリングチーム) +37分45秒
44 野中竜馬(キナンサイクリングチーム) +38分43秒

ヤングライダー賞
1 ジェシー・ジェームス・イワート(オーストラリア、セブンイレブン・サヴァRVPフィリピン) 12時間8分12秒
8 中西健児(キナンサイクリングチーム) +16分29秒

チーム総合時間賞
1 ピシュガマン・ジャイアントチーム 35時間56分26秒
6 キナンサイクリングチーム +1時間1分14秒

ポイント賞
1 モハド・ハリフ・サレー(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム) 30pts
13 中西重智(キナンサイクリングチーム) 9pts
15 野中竜馬(キナンサイクリングチーム) 8pts
25 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) 3pts

山岳賞
1 アミール・コラドウズ(イラン、ピシュガマン・ジャイアントチーム) 50pts
6 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) 15pts
15 中西重智(キナンサイクリングチーム) 3pts

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