逃げ集団の争いはイランのエマミが制するジェラジャ・マレーシアが開幕 第1ステージでキナンの野中竜馬が6位と好スタート

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 UCI(国際自転車競技連合)アジアツアー2.2クラスのステージレース、「ジェラジャ・マレーシア 2016」(Jelajah Malaysia 2016)が10月18日に開幕した。全5ステージで行われるレースに、日本からはキナンサイクリングチームが2年連続の参戦。第1ステージでは野中竜馬がステージ6位と好スタートを切った。

サイン台でチーム紹介に臨んだキナンサイクリングチームの4選手。左から阿曽圭佑、中西重智、中西健児、野中竜馬 Photo: Syunsuke FUKUMITSUサイン台でチーム紹介に臨んだキナンサイクリングチームの4選手。左から阿曽圭佑、中西重智、中西健児、野中竜馬 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

日本人選手4人がチャレンジ

選手・スタッフそろって記念撮影 Photo: Syunsuke FUKUMITSU選手・スタッフそろって記念撮影 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 昨年は開催延期が続き、12月にレースが行われたが、今年は予定通りに10月の実施が決まった。キナンサイクリングチームは2年連続の招待を受け、日本人選手強化の一環として大会へ臨むこととなった。メンバーは野中を筆頭に、阿曽圭佑、中西重智、そしてトレーニー(研修生)としてチームに加わった中西健児(同志社大学体育会自転車競技部)が初のメンバー入り。この大会は最大で6選手が出場できるが、2枠残した4人で参加している点も、選手強化の意味合いを持つ。

 大会には9カ国・17チームが出場。第1ステージはマレーシアの首都・クアラルンプールから、同国北部のイポーを目指す206.5kmで行われた。コースは序盤に山岳ポイントが1カ所あるものの、おおむね平坦なレイアウト。ただし、暑さとの戦いであることも忘れてはならない。

野中が1人先頭集団に

逃げ集団でレースを進める野中竜馬 Photo: Syunsuke FUKUMITSU逃げ集団でレースを進める野中竜馬 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 レース序盤は逃げ狙いのアタックが頻発。キナン勢も各選手がきっちりチェックへと動き、いつ逃げが容認されても対応できる状態をつくる。

 しばしの攻防を経て、逃げが決まったのは40km手前。12人の先頭グループに野中が加わった。さらに、他チームの選手とともに中西健児がメイン集団からのブリッジを図る。これは失敗に終わるが、チームとしてはまずまずの出だしとなった。

 その後逃げの人数が増え、最大で16人に膨らんだ。有力チームはすべてエースクラスをこのグループへと送り込み、メイン集団に追撃の勢いは感じられない。キナン勢は形勢を優位にすべく、各選手がメイン集団から逃げへの合流を図るも、タイム差が大きかったこともあり、勝負を野中に託す形となった。

最大16人で進んだ逃げグループ Photo: Syunsuke FUKUMITSU最大16人で進んだ逃げグループ Photo: Syunsuke FUKUMITSU
レース前半、追走グループに加わった中西健児 Photo: Syunsuke FUKUMITSUレース前半、追走グループに加わった中西健児 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
チームカーへと下がって作戦を確認する中西重智 Photo: Syunsuke FUKUMITSUチームカーへと下がって作戦を確認する中西重智 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

エマミがステージ優勝

沿道の子供たちからも声援を受ける Photo: Syunsuke FUKUMITSU沿道の子供たちからも声援を受ける Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 先頭グループでは逃げ切りが濃厚となった残り20km地点で、3選手がアタックを仕掛けた。ここで野中がチェックに動くも食らいつくことはできず、5人による追走グループで前を目指した。だが、タイム差は開く一方。結局、アタックを決めた3選手による優勝争いとなり、最後は独走に持ち込んだ、ピシュガマン・サイクリングチームのラヒーム・エマミ(イラン)がステージ勝利を果たした。

 後続は18秒差で2選手がフィニッシュし、さらに約1分の差で野中たちのグループがやってきた。4位争いのスプリントとなり、野中は先頭こそ確保できなかったものの、ステージ6位でこのステージを終えた。

6位でフィニッシュした野中竜馬 Photo: Syunsuke FUKUMITSU6位でフィニッシュした野中竜馬 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
終盤に形成された追走グループを走る阿曽圭佑 Photo: Syunsuke FUKUMITSU終盤に形成された追走グループを走る阿曽圭佑 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 終盤はメイン集団でも動きがあり、いくつものグループに分裂。その中で阿曽と中西重智が前方のグループに入り、果敢に前をうかがった。最終的に、阿曽がトップから7分7秒差の21位、アシストを終えた中西重智と中西健児は9分48秒差のグルペットで、それぞれ54位と73位でフィニッシュした。

 野中を上位に送り込み、チームとしては上々の幕開けとなったキナンサイクリングチーム。第2ステージ以降、さらなる総合ジャンプアップを賭けて、果敢に挑むこととなる。

阿曽圭佑は21位フィニッシュ Photo: Syunsuke FUKUMITSU阿曽圭佑は21位フィニッシュ Photo: Syunsuke FUKUMITSU
グルペットでフィニッシュした中西重智 Photo: Syunsuke FUKUMITSUグルペットでフィニッシュした中西重智 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

●石田哲也監督
幸先はよい。これまで多かった逃げへの乗り遅れが今回まったくなく、要所でしっかりと反応できていたのは、選手たちにとっても自信になったのではないか。明日については、エマミを守りたいピシュガマン勢に対し、他の上位チームがどう動くのか。出方を探りながら、チームとして展開できればと思う。選手たちは調子がよく、連携もしっかり取れている

●阿曽圭佑
12人の逃げが行った段階で、そこに加わろうと追ったものの上手くいかなかった。総合を考えて前との差を縮めようと、集団でも何度か仕掛けたもののいずれも結果につながらなかった。残り10km手前で抜け出して、3人で何とかペースを上げてフィニッシュした。第2ステージは、上りで力の差が出ると思う。できるだけ前方に残って、総合順位を上げたい

●野中竜馬
最後まで勝負どころに残ることができたのはよかった。ただ消耗はしているので、明日までにできるだけ回復させたい。チャンスのある位置につけられたので、しっかりと狙っていきたい

●中西重智
無駄に動くことなく野中さんを逃げに送り込めてよかった。集団内では楽に走ることができていたが、残り40kmを切ってからイラン勢がペースを上げたことで少し消耗してしまって、追走グループで(阿曽)圭佑をアシストしきれなかったのは残念だった。明日はできるだけ野中さんと圭佑をアシストして上位へ送り出したい

●中西健児
アジアのレースがどんなものかを知るには十分な1日だった。メイン集団から逃げグループへのブリッジを図ったときは、イラン勢と韓国勢が強くて中切れしてしまった。雰囲気が分かったので、明日からもしっかり走りたい

通過する街では小学生の大応援も Photo: Syunsuke FUKUMITSU通過する街では小学生の大応援も Photo: Syunsuke FUKUMITSU

第2ステージはキャメロンハイランドが登場

 19日に行われる第2ステージは、スンガイ・シプトからキャメロンハイランドまでの113.4km。ツール・ド・ランカウイでもおなじみの山岳だが、今大会でもハイライトとなることは間違いない。レース中盤から後半にかけて1級山岳が待ち受け、その後2級山岳を越えてフィニッシュを迎える。大会初日から消耗度の高いレースとなったこともあり、続くクイーンステージでは主役の大幅な入れ替わりも考えられる。

 大会は22日まで行われる。第3ステージ以降はマレー半島東部、南シナ海沿いへと舞台を移し、クアラトレンガヌにフィニッシュする第5ステージで閉幕する。

ジェラジャ・マレーシア第1ステージ結果(206.5km)
1 ラヒーム・エマミ(イラン、ピシュガマン・ジャイアントチーム) 4時間44分5秒
2 ルストム・リム(フィリピン、セブンイレブン・サヴァ RVP フィリピン) +18秒
3 エドガー・ノハレス(スペイン、セブンイレブン・サヴァ RVP フィリピン)
4 ヌル・アミルル・ファクルディン・マルズキ(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム) +1分13秒
5 ジェシー・ジェームス・イワート(オーストラリア、セブンイレブン・サヴァRVPフィリピン)
6 野中竜馬(キナンサイクリングチーム)
7 アルヴィン・モアゼミ(イラン、ピシュガマン・ジャイアントチーム) +1分15秒
8 ニク・モハド・アズワン・ズルキフリエ(マレーシア、マレーシアナショナルチーム)
9 パク・スンベク(韓国、KSPO) +3分8秒
10 リエン・スクールハイス(オランダ、ブラックインク サイクリングチーム)
21 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +7分7秒
54 中西重智(キナンサイクリングチーム) +9分48秒
73 中西健児(キナンサイクリングチーム) +9分48秒

個人総合時間賞
1 ラヒーム・エマミ(イラン、ピシュガマン・ジャイアントチーム) 4時間43分55秒
2 ルストム・リム(フィリピン、セブンイレブン・サヴァ RVP フィリピン) +21秒
3 エドガー・ノハレス(スペイン、セブンイレブン・サヴァ RVP フィリピン) +24秒
4 ヌル・アミルル・ファクルディン・マルズキ(マレーシア、トレンガヌサイクリングチ ーム) +1分19秒
5 ジェシー・ジェームス・イワート(オーストラリア、セブンイレブン・サヴァRVPフ ィリピン) +1分23秒
6 野中竜馬(キナンサイクリングチーム)
7 アルヴィン・モアゼミ(イラン、ピシュガマン・ジャイアントチーム) +1分25秒
8 ニク・モハド・アズワン・ズルキフリエ(マレーシア、マレーシアナショナルチーム)
9 パク・スンベク(韓国、KSPO) +3分12秒
10 リエン・スクールハイス(オランダ、ブラックインク サイクリングチーム) +3分18秒
21 阿曽圭佑(キナンサイクリングチーム) +7分17秒
56 中西重智(キナンサイクリングチーム) +9分58秒
73 中西健児(キナンサイクリングチーム) +9分58秒

ヤングライダー賞
1 ジェシー・ジェームス・イワート(オーストラリア、セブンイレブン・サヴァRVPフィリピン)4時間45分18秒
23 中西健児(キナンサイクリングチーム) +8分35秒

チーム総合時間賞
1 セブンイレブン・サヴァ RVP フィリピン14 時間14分4秒6 キナンサイクリングチーム +16分19秒

ポイント賞
1 ラヒーム・エマミ(イラン、ピシュガマン・ジャイアントチーム)15pts
7 野中竜馬(キナンサイクリングチーム)6pts

山岳賞
1 バムバン・スリャディ(インドネシア、ブラックインク サイクリングチーム)

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キナンサイクリングチーム ロードレース

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