シートチューブ短く、スローピングに小柄なライダー用にジオメトリーを一新 キャノンデール「CAAD12」48サイズをインプレッション

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 アメリカのバイクメーカー「キャノンデール」の往年の“代名詞”といえばアルミフレームのCAADシリーズだ。カーボンフレーム全盛の時代でも、形状や素材を最適にしたアルミフレームでレースで戦えるバイクを送り出してきた。今回インプレッションを行ったのはレーシングアルミバイク「CAAD12 ULTEGRA」の2017年モデル。小柄なライダーでも本来の性能を引き出せるように、44から52サイズまでのジオメトリーがシートチューブ長を中心に一新された。埼玉県鶴ヶ島市にある「SAKURAMENT」の鈴木久仁寛店長が、秩父山脈でジャストサイズのCAAD12の性能を評価した。

下りでは身体の傾きに素直に追従し、ニュートラルなハンドリングが可能だった Photo: Shusaku MATSUO下りでは身体の傾きに素直に追従し、ニュートラルなハンドリングが可能だった Photo: Shusaku MATSUO

165cmで悩むジオメトリー

「SAKURAMENT」鈴木久仁寛店長は、元Jプロツアー選手とコンチネンタルチームのメカニックを務めた経験を持つ。身長は165cm。 Photo: Shusaku MATSUO「SAKURAMENT」鈴木久仁寛店長は、元Jプロツアー選手とコンチネンタルチームのメカニックを務めた経験を持つ。身長は165cm。 Photo: Shusaku MATSUO

 鈴木店長は自身で構える店舗での経験に加え、元Jプロツアーレーサーという肩書きを持つライダーだ。身長は165cmと小柄だが、パワフルな走りを得意としている。身長に対してフィットするポジションを出すには、フレームのジオメトリーで悩むことが多く、パーツ構成で辻褄を合わせてきたという。

 今回、ジオメトリーが一新されたのはCAAD12のうち、小さい方の44、48、50、52サイズの4種類だ。48サイズの場合、トップチューブ長は変わらず、シートチューブ長が2016年モデルに比べ4.8cmも短くなった(53.3cm➔48.7cm)。その結果、ホリゾンタルの形から、ややスローピング気味なシルエットになった。

 鈴木店長はインプレ用に用意されたCAAD12を準備しながら、各フレームサイズを測りつつ、ジオメトリーをチェック。「しっかりと落差を出して、僕でもすぐにポジションを出せそう」と期待を込めた。自らの数値にポジションを合わせると、早速走り慣れたコースへと向かった。

キャノンデール「CAAD12」48サイズ Photo: Shusaku MATSUOキャノンデール「CAAD12」48サイズ Photo: Shusaku MATSUO

――サイズ感はどうでしょうか?

鈴木:僕のように小柄なライダーで苦労するのは、ハンドルとサドルの落差や、パーツの選択肢が少ないことでしょう。しかし、CAAD12の48サイズは、無理にサドルを前方に押し出すことなく、後退比や落差を実現することができました。

 海外のフレームメーカーは56サイズを基本にして設計している”とはよく聞きますが、48サイズやそれ以下のサイズでも性能を発揮できるジオメトリーで設計されているバイクは頼り甲斐があります。きょうは自分のバイクの様に乗ることができたので、思ったよりも沢山上ってしまいました。

――踏み出しの軽さ、剛性はいかがですか?

鈴木:縦剛性がしっかりしています。踏み出し、またはスピードに乗ってからパワーをかけてもロスなく後輪に力を伝えてくれる感覚が強いですね。また、横方向へのウィップをリズミカルに演出してくれるのもポイントです。

偏平されたステーが振動吸収性を高める Photo: Shusaku MATSUO偏平されたステーが振動吸収性を高める Photo: Shusaku MATSUO
BB付近でスクエア型にテーパーしたシートチューブPhoto: Shusaku MATSUOBB付近でスクエア型にテーパーしたシートチューブPhoto: Shusaku MATSUO

 トルクに対してうまく追従してくれるので、気持ち良い加速が出来るのが魅力です。いい意味でアルミらしくなく、カーボンの良さも再現できていると思います。

フレームにベストマッチの「Siクランク」

――車体の安定感は?

上りでも安定感は発揮され、多少のラフな力の入力でも直進安定性を失わなかった Photo: Shusaku MATSUO上りでも安定感は発揮され、多少のラフな力の入力でも直進安定性を失わなかった Photo: Shusaku MATSUO

鈴木:小さめのサイズですが、非常に安定しています。直進安定性はもちろん、コーナー時のブレなさはビギナーでも不安を感じさせないほどでしょう。体の傾きに対して、非常にニュートラルにバイクを倒しこむことができます。また、ダンシングの際はハンドルが体の動きに機敏に反応しすぎないことも、ペダリングに集中できるポイントです。

――車体構成は?

フレームとの一体感を高めた「Siクランク」 Photo: Shusaku MATSUOフレームとの一体感を高めた「Siクランク」 Photo: Shusaku MATSUO

鈴木:持った瞬間に軽いと思いました。おそらく「Siクランク」が効いていますね。Siクランクは接合部が少ない造りなので、剛性を保ちつつ、軽量化に貢献しています。チェーンリング自体に剛性がないと変速性能が落ちますが、Siクランクではそれを感じさせません。車体との一体感も強く、フレームと合わせてマストで使いたいパーツですね。クランク長が165mmとフレームサイズに合わせてあり、短いフロントセンターでも爪先がフロントホイールに当たらないのは安全性につながっていると思います。

突き上げをいなすシートポスト

縦剛性が強く、リヤタイヤへのパワー伝達が強く、適度なウィップが推進力を生み出していた Photo: Shusaku MATSUO縦剛性が強く、リヤタイヤへのパワー伝達が強く、適度なウィップが推進力を生み出していた Photo: Shusaku MATSUO

 ホイールは軽量ではありませんが、それ以外のパーツはレースレベルでそのまま使用できるものです。できればホイールを変えてレースに挑みたいと思いましたが、逆にいうとそれ以外変えるべきパーツはないでしょう。ビギナーが買ったら何年も、中級者以上が買ってもその場から満足できるバイクになるはずです。

――振動吸収性は?

 チェーンステーとフォークがしっかりしており、走りの軸となっていますが、その他のパーツでライダーへの負担を軽減する役割に性能を振っていると感じました。特に新発売されたシートポスト「SAVE 25.4 CARBON(別売り)」が細身で、路面からの突き上げをいなしてくれているのがはっきりとわかりました。シートステーの潰し加工も効いているでしょう。アルミバイクですが、ロングライドでも不安になる必要はありません。


気がついたら獲得標高2000mを超え、「踏み続けられるレーシングアルミバイクだった」と感想を述べた鈴木店長 Photo: Shusaku MATSUO気がついたら獲得標高2000mを超え、「踏み続けられるレーシングアルミバイクだった」と感想を述べた鈴木店長 Photo: Shusaku MATSUO

 秩父の山を中心に走ったインプレッションライドは、獲得標高で2000mを超えた。鈴木店長は「カラダの違和感もなく、厳しいコースをハードに攻めることができた。特に自ら所有するバイクで出なかったタイムがストラバの区間で達成できたのは驚いた」とライド後のデータを見つめながら明かした。

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