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日本ナショナルチーム11選手が集合別府と新城がチーム合流 UCIロード世界選手権公式練習に臨んだ日本代表

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 カタールの首都・ドーハで開催中のUCI(国際自転車競技連合)ロード世界選手権に臨んでいる日本ナショナルチームは10月13日午前、ロードレースの公式練習に臨んだ。前夜には、男子エリートロードレースに出場する別府史之(トレック・セガフレード)と新城幸也(ランプレ・メリダ)がチームに合流。いよいよ代表11選手が集合。トレーニングに前後して、別府と新城らがロードレースへの意気込みを語ってくれた。

日本ナショナルチームに合流した新城幸也(左)と別府史之。2人が出場する男子エリートロードレースは10月16日に行われる Photo: Syunsuke FUKUMITSU日本ナショナルチームに合流した新城幸也(左)と別府史之。2人が出場する男子エリートロードレースは10月16日に行われる Photo: Syunsuke FUKUMITSU

別府・新城ともに「周回コースに入ってからが勝負」

 宿泊するドーハ市内のホテルから、自走でメイン会場の「ザ・パール・カタール」へとやってきた日本ナショナルチームの選手たち。その先頭を引くのは別府と新城の2人。ともに前夜遅くにドーハ入りしたが、移動の疲れは見られず、その表情からは余裕すら感じられる。やはり本場ヨーロッパでプロとして長年活動しているだけあって、ビッグレースを前にしても落ち着いた佇まいだ。

トレーニングの合間に関係者と談笑する新城幸也 Photo: Syunsuke FUKUMITSUトレーニングの合間に関係者と談笑する新城幸也 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 「体調はよい。順調にきている」と話すのは新城。9月下旬以降レースから遠ざかっていたこともあり、「フランスの自宅を拠点にトレーニングを積んできた」と、ここまでの調整について説明してくれた。

 16日に控えるレースは257.3kmで争われるが、スタートから151kmは砂漠地帯を行くワンウェイコース。その後、ザ・パール・カタールの周回で決着する。これについては、「周回コースに入る段階でよい位置にいることが重要」とのこと。とはいえ、砂漠地帯は強い風が吹き、それを利用した集団分断やアタックが起こるであろうことも指摘。「(中盤までに)遅れてしまってはどうしようもない。周回に入るまで生き残って、そこからが勝負」と気を引き締めた。

チームスタッフとコースの確認を行う別府史之 Photo: Syunsuke FUKUMITSUチームスタッフとコースの確認を行う別府史之 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 一方の別府は、例年2月に行われるツアー・オブ・カタールを過去3度走っている点に強みがある。この経験を踏まえ、「砂漠へ出ると風が急激に強くなる。早い段階で人数が絞り込まれるのではないか」と見る。

 こちらもザ・パール・カタールに入ってからの勝負を見据えており、「周回コースに入ってからは普段のレースに近くなる」と想定。スピードを生かした戦いとなれば、逃げやスプリントを得意とする別府だけに、あらゆる展開に対応する構えだ。

メイン会場「ザ・パール・カタール」内でトレーニングライドを行う日本ナショナルチーム。引っ張るのはもちろん新城幸也と別府史之だ Photo: Syunsuke FUKUMITSUメイン会場「ザ・パール・カタール」内でトレーニングライドを行う日本ナショナルチーム。引っ張るのはもちろん新城幸也と別府史之だ Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 ザ・パール・カタールでの公式練習では、一回り以上年下の女子エリートや男女ジュニア選手たちと約1時間走った両者。無理のないペースで集団をコントロールする姿に、若い選手たちも厚い信頼を寄せているのが一目で分かる。大会期間中、選手・スタッフ一様に「とてもよい」と口にするチームの雰囲気だが、頼もしいリーダー2人の合流で、さらにムードが高まっているようだ。

「個人TTとはまったく違った戦いになる」と浅田監督

 大会は折り返しに差し掛かり、これからはロードレースでの戦いが待ち受ける。大会前半に行われた個人タイムトライアルには、全カテゴリー合わせて4人が日本から出場したが、いずれも中東特有の40℃近い暑さに苦しみ、悔しい結果に終わった。

7人体制で臨む日本ナショナルチームスタッフ。前列中央右が浅田顕監督 Photo: Syunsuke FUKUMITSU7人体制で臨む日本ナショナルチームスタッフ。前列中央右が浅田顕監督 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 日本ナショナルチームを指揮する浅田顕監督は、「暑さへの対策がもう少し必要だった。上位に入った海外の選手たちはみな、しっかりと準備をして臨んでいる。そこにチームとして大きな反省点がある」と、準備不足に陥った個人タイムトライアルを振り返った。

 仕切り直しとなるロードレースは、例年とは異なりほぼフラットなレイアウトでの戦い。主役は個人タイムトライアルから大きく変わることが予想される。浅田監督も「タイムトライアルとはまったく違う勝負になる。徐々に絞り込まれていく中で日本の選手が上手く展開に合わせて、最後スプリントに絡むことができれば」と語る。そして、「ハマれば上位を狙えるし、その逆もあり得る」と続け、決して簡単なレースとはいかないことを強調する。

スプリントに持ち込みたいと話す吉川美穂 Photo: Syunsuke FUKUMITSUスプリントに持ち込みたいと話す吉川美穂 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 それでも、チャンスを見出すべく、今回の日本ナショナルチームは各カテゴリーにスプリンターを選出している。女子エリートの吉川美穂(Live GARDEN BICI STELLE)は、「中盤までをしっかりクリアして、得意のスプリントに持ち込みたい」と述べると、女子ジュニアの細谷夢菜(浦和工業高校)も「スプリントなら自信がある。体が小さい分、集団の中に潜んで、好ポジションから勝負したい。大集団スプリントは望むところ」と続く。男子ジュニアの沢田桂太郎(日本大学)からも、「スプリントのかかりはよい」と力強い声が返ってきた。

 日本人選手が出場するロードレース種目は、14日から最終の16日まで続く。世界への扉を開くべく、日本ナショナルチームのモチベーションは高まっている。

全11選手がそろった日本ナショナルチーム。決戦のときが迫っている Photo: Syunsuke FUKUMITSU全11選手がそろった日本ナショナルチーム。決戦のときが迫っている Photo: Syunsuke FUKUMITSU

男子U23ロードはノルウェーのハルヴォルセンが優勝

 13日午後からロードレース競技がスタート。男子アンダー23ロードレースが、ザ・パール・アタールを10周回する165.7kmで争われ、ノルウェーのクリストファー・ハルヴォルセン(チーム ヨーケル・ビグトルゲ)が大集団スプリントを制し優勝した。

男子アンダー23ロードレースは、スプリントを制したクリストファー・ハルヴォルセンが優勝。5位のアームングレンダール・ヤンセンもガッツポーズ Photo: Yuzuru SUNADA男子アンダー23ロードレースは、スプリントを制したクリストファー・ハルヴォルセンが優勝。5位のアームングレンダール・ヤンセンもガッツポーズ Photo: Yuzuru SUNADA

 レースは最大で9人の逃げが終始先行する展開。約3分の差をキープし進行したメイン集団は、ノルウェーが主にコントロール。逃げは粘りを見せたものの、ラスト1周でキャッチされ、優勝争いの行方はスプリントにゆだねられた。

 ノルウェー、ドイツ、フランスが入れ替わってトレインを前方へと送り込み、スプリントポジションを固めていく。そして残り200m、パスカル・アッカーマン(ドイツ、ラドネット・ローズチーム)がスプリントを開始。その脇から伸びてきたのはハルヴォルセン。フィニッシュライン手前でアッカーマンをかわし、ホイール半分の差で優勝を決めた。

 あと一歩及ばなかったアッカーマンは2位。イタリアのヤクブ・マレチュコ(ウィリエールトリエスティーナ・サウスイースト)が3位に続いた。

 なお、日本勢は今シーズン、このカテゴリーでの出場枠確保ができず、選手派遣を行っていない。

男子アンダー23ロードレース(165.7km)結果
1 クリストファー・ハルヴォルセン(ノルウェー、チーム ヨーケル・ビグトルゲ) 3時間40分53秒
2 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ラドネット・ローズチーム) +0秒
3 ヤクブ・マレチュコ(イタリア、ウィリエールトリエスティーナ・サウスイースト)
4 フィル・バウハウス(ドイツ、ボーラ・アルゴン18)
5 アームングレンダール・ヤンセン(ノルウェー、チーム ヨーケル・ビグトルゲ)
6 ジェーソン・ローンデス(オーストラリア、ドラパック プロフェッショナルサイクリング)
7 イヴァン・ガルシア(スペイン、クレインコンスタンティア)
8 アクセル・ノンメラ(エストニア、レオパード プロサイクリング)
9 ジョナサン・ディッベン(イギリス、チーム ウィギンス)
10 アラン・バナシェク(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコヴィチェ)

男子アンダー23ロードレースの表彰。左から2位パスカル・アッカーマン、1位クリストファー・ハルヴォルセン、3位ヤクブ・マレチュコ Photo: Yuzuru SUNADA男子アンダー23ロードレースの表彰。左から2位パスカル・アッカーマン、1位クリストファー・ハルヴォルセン、3位ヤクブ・マレチュコ Photo: Yuzuru SUNADA

大会6日目は男女ジュニアロードレース

 14日は、男女ジュニアロードレースが行われる。下山美寿々(大阪教育大学附属高校天王寺校舎)と細谷夢菜(浦和工業高校)が出場する女子は、日本時間午後2時30分スタート。ザ・パール・カタール内に設けられた15.2kmのサーキットをおおよそ4周回する、74.5kmで争われる

 日本時間午後7時15分スタートの男子は、8周回する135.5km。沢田桂太郎(日本大学)、渡邉歩(EQADS)、蠣崎優仁(伊豆総合高校)、重満丈(北中城高校)の4人がスタートラインに並ぶ。

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