男子アンダー23ではドイツのマティスが金メダル女子ジュニア個人タイムトライアルで下山美寿々は35位 UCIロード世界選手権

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 カタールの首都・ドーハで開催されている、UCI(国際自転車競技連合)ロード世界選手権は競技2日目となる10月10日、個人タイムトライアル種目がスタート。第1種目の女子ジュニアタイムトライアルには、日本ナショナルチームの先陣を切って下山美寿々(大阪教育大学附属高校天王寺校舎)が登場。13.7kmのコースを20分59秒55で走り35位だった。

女子ジュニア個人タイムトライアルの表彰。左から2位リサ・モルツェンティ、1位カロリーン・スウィンケルス、3位ジュリエット・ラボウス Photo: Yuzuru SUNADA女子ジュニア個人タイムトライアルの表彰。左から2位リサ・モルツェンティ、1位カロリーン・スウィンケルス、3位ジュリエット・ラボウス Photo: Yuzuru SUNADA

オランダのスウィンケルスが女王に輝く

女子ジュニア個人タイムトライアルコースマップ © DOHA 2016女子ジュニア個人タイムトライアルコースマップ © DOHA 2016

 前日の男女チームタイムトライアルに続き、個人種目の幕開けを告げる女子ジュニア個人タイムトライアル。ジュニアカテゴリーは17歳から18歳(1998~1999年生まれ)の選手が対象となり、将来を嘱望される選手たちが世界各国から集結する。

 今大会のメイン会場でもある人工島「ザ・パール・カタール」は、ドーハ市内有数のリゾート地。眼前に広がるペルシャ湾と市内各地にそびえ立つ高層ビル群を望むことができるスポットだ。とはいえ、選手たちにとっては綺麗な景色よりも、この人工島内にセッティングされたコースの難易度を感じずにはいられないはずだ。大小さまざまなコーナーが待ち受け、トップスピードにもっていく加速力と同時に、コーナーリングのテクニックも必要とされる。

下山美寿々の走り。前半からペースに乗り切れず、35位に終わった Photo: Yuzuru SUNADA下山美寿々の走り。前半からペースに乗り切れず、35位に終わった Photo: Yuzuru SUNADA

 女子ジュニア個人TTは、40人がエントリー。1分30秒おきに次々とコースへ繰り出す。日本勢では唯一のエントリーとなった下山は26番スタートと、有力選手と並ぶ好ポジションからの出走だ。

 第1走者のエレーナ・ピッローネ(イタリア)がマークした19分5秒44が基準タイムとなるが、しばらくこれを上回る選手が現れない。ようやくタイムが更新されたのは、ピッローネの10人後ろでスタートしたフランツィスカ・ブラウゼ(ドイツ)の18分56秒03。ここから18分台の争いとなる。

 さらに、スカイラー・シュナイダー(アメリカ)がブラウゼを4秒上回るタイムでフィニッシュ。やはり後半出走の選手たちが好タイムを出し始めた。

女子ジュニア個人タイムトライアルで優勝したカロリーン・スウィンケルスの走り Photo: Yuzuru SUNADA女子ジュニア個人タイムトライアルで優勝したカロリーン・スウィンケルスの走り Photo: Yuzuru SUNADA

 そんな中でスタートを切った下山だったが、前半からいまひとつ乗り切れず、7.4km地点の第1計測ポイントではシュナイダーから約1分の遅れ。ここから挽回したいところだったが、さらにタイム差が開く一方となり、20分59秒55でフィニッシュラインを通過。最終的に2分以上の差となってしまった。

 女子ジュニアナンバーワンを決める争いで、決定的なタイムが生まれたのはラスト4人目でコースへと飛び出したカルリーン・スウィンケルス(オランダ)の走り。第1計測でシュナイダーのタイムを14秒上回ると、後半はさらにペースアップし、30秒差をつける快走。この後にスタートしたリサ・モルツェンティ(イタリア)、ジュリエット・ラボウス(フランス)もハイペースで攻めたが、トップタイム更新とはならず。スウィンケルスの優勝が決まった。

ロードレースに向け明るい表情の下山

フィニッシュ後ミックスゾーンへとやってきた下山美寿々。個人TTこそ35位に終わったが、4日後のロードレースに向けて表情は明るい Photo: Syunsuke FUKUMITSUフィニッシュ後ミックスゾーンへとやってきた下山美寿々。個人TTこそ35位に終わったが、4日後のロードレースに向けて表情は明るい Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 今大会最初の種目を終え、ミックスゾーンへとやってきた下山。全身に汗を滴らせる姿は、午前中から気温37℃を記録した暑さに苦しんだことをうかがわせる。

 レースを振り返り、「序盤のハイペースと暑さがその後に響いてしまった」と悔やんだ。だが今回は、結果と同時に「もう1度ジュニアとして出られる来年の大会でメダルを獲得できるように」とのテーマを掲げ、大舞台の経験を積むことも念頭に置いていたという。

 14日に控えるロードレースに向けては、「今度はチームメイトと2人で走るので、きっと今日とは違う結果が出せると思う」と笑顔を見せる。個人TTの順位こそ振るわなかったが、レースを1本走ったことでよりリラックスしてロードのスタートを迎えられそうだ。

 ロードレースは今年1月のアジア選手権で優勝して今大会の出場枠を獲得しており、アジア女王として世界に挑むこととなる。

女子ジュニア個人タイムトライアル(13.7km)結果
1 カロリーン・スウィンケルス(オランダ) 18分21秒77
2 リサ・モルツェンティ(イタリア) +7秒
3 ジュリエット・ラボウス(フランス) +21秒
4 スカイラー・シュナイダー(アメリカ) +30秒
5 ハンナ・アレンスマン(アメリカ) +34秒
6 フランツィスカ・ブラウゼ(ドイツ) +34秒
7 シモーネ・エグ(デンマーク) +38秒
8 アレッシア・ヴィギリア(イタリア) +42秒
9 マデレイン・ファスナクト(オーストラリア) +43秒
10 エレーナ・ピッローネ(イタリア) +43秒
35 下山美寿々(大阪教育大学附属高校天王寺校舎) +2分37秒

男子アンダー23はドイツ勢がワン・ツー

男子アンダー23個人タイムトライアルコースマップ © DOHA 2016男子アンダー23個人タイムトライアルコースマップ © DOHA 2016

 女子ジュニアに続いて行われた男子アンダー23(23歳未満)個人タイムトライアル。こちらは19~22歳(1994~1997年生まれ)の選手が対象だ。男子種目ではエリートに次ぐ上から2番目のカテゴリーで、今後トッププロとして活躍する可能性を秘めた選手が多く控えている点がポイント。また、昨年からUCIワールドチーム所属の選手にも門戸を開いており、早くにプロデビューしたライダーたちがこの先の躍進を夢見る若き才能を迎え撃つ、といった構図も見もの。

 レース距離は、ザ・パール・カタール内のコースをおおむね2周回する28.9km。74人と多数のエントリーとなり、コース内での選手の接触や混同を避けるため、5つのグループに分けて実施された。

 競技開始早々、好走したのが2番出走のマルコ・マティス(ドイツ、ラドネット・ローズチーム)。終始ハイペースを刻み、フィニッシュタイム34分8秒09が基準となった。

男子アンダー23個人タイムトライアルで金メダルを獲得したマルコ・マティスの走り Photo: Yuzuru SUNADA男子アンダー23個人タイムトライアルで金メダルを獲得したマルコ・マティスの走り Photo: Yuzuru SUNADA

 しかし、最後の最後までこのタイムを更新する選手は現れず。有力選手がそろった最終の第5組でも各選手が軒並み失速。最終走者として登場した前回覇者のマッズ・ウルスシュミット(デンマーク、チーム ヴィルトゥプロ・ヴェロコンセプト)に至っては21位と沈んだ。

 この結果、暫定上位3選手が座ることのできるホットシートにもっとも長い時間待機していたマティスが初の世界王者に輝いた。途中3カ所に設けられていた中間計測ポイントでも、すべてトップタイムを記録する完全勝利だった。これまでトラックを主体にしてきた選手で、ロードではビッグレースでの実績がほとんどなかったが、これを機に名だたるプロチームからの注目が集まりそうだ。

男子アンダー23個人タイムトライアルで表彰を受けた上位3選手。左から2位マキシミリアン・シャフマン、1位マルコ・マティス、3位マイルズ・スコットソン Photo: Yuzuru SUNADA男子アンダー23個人タイムトライアルで表彰を受けた上位3選手。左から2位マキシミリアン・シャフマン、1位マルコ・マティス、3位マイルズ・スコットソン Photo: Yuzuru SUNADA

 マティスをトップに送り込んだドイツ勢は、マキシミリアン・シャフマン(クレインコンスタンティア)も2位に食い込み、ワン・ツーフィニッシュを達成。シャフマンは来季、エティックス・クイックステップ入りが決定している。

 また、3位にはマイルズ・スコットソン(オーストラリア、チーム イルミネイト)が入った。シャフマン、スコットソンはともに第2グループからの出走。前半スタートだった選手たちが上位を占めた。

 なお、このカテゴリーに日本人選手は出場していない。

男子アンダー23個人タイムトライアル(28.9km)結果
1 マルコ・マティス(ドイツ、ラドネット・ローズチーム) 34分8秒09
2 マキシミリアン・シャフマン(クレインコンスタンティア) +18秒
3 マイルズ・スコットソン(オーストラリア、チーム イルミネイト) +37秒
4 レナード・ケムナ(ドイツ、シュテルティング サービスグループ) +42秒
5 カスパー・アスグレーン(デンマーク、チーム ヴィルトゥプロ・ヴェロコンセプト) +50秒
6 ネルソン・パウレス(アメリカ、アグジオン・ヘーゲンズバーマン) +54秒
7 ジェフリー・カラン(アメリカ、アグジオン・ヘーゲンズバーマン) +1分5秒
8 トム・ボーリ(スイス、BMCレーシングチーム) +1分16秒
9 エディー・ダンバー(アイルランド、アグジオン・ヘーゲンズバーマン) +1分21秒
10 キャラム・スコットソン(オーストラリア、チーム イルミネイト) +1分22秒

大会3日目の11日には與那嶺らが登場

 11日の競技は、まず男子ジュニア個人タイムトライアル(28.9km)に沢田桂太郎(日本大学)と渡邉歩(エカーズ)が出場。85人がエントリーし、6グループに分けられたうち、沢田が第2組に登場。全体では25番目、日本時間午後3時19分にスタートする。渡邉は第5組に入り、全体では70番目。日本時間午後5時22分にスタートを切る。

 続いて行われる女子エリート個人タイムトライアル(28.9km)には、與那嶺恵理(ポワトゥー-シャラント・フュテュホスコープ・86)が出場。41人がエントリーし、4グループに分けて行われる。與那嶺は第2組、全体の18番目にスタート。日本時間午後8時9分にコースへ出る。

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