2位プラデス、4人が10位以内で大量得点プジョルが独走優勝、UKYOが団体V2 Jプロツアー経済産業大臣旗「輪島ロード」

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
  • 一覧

 国内最高峰のロードレースシリーズ、Jプロツアーの今季第19戦「JBCF 輪島ロードレース」が10月9日、石川県輪島市で行われ、オスカル・プジョル(スペイン、チームUKYO)が得意の上りで独走に持ち込んで優勝した。2位もチームUKYOのベンジャミン・プラデス(スペイン)が入り、団体で争われる経済産業大臣旗も2年連続チームUKYOが獲得した。

オスカル・プジョル(スペイン、チームUKYO)が、第50回経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップとして開催された「JBCF 輪島ロード」を独走で制した Photo: Ikki YONEYAMAオスカル・プジョル(スペイン、チームUKYO)が、第50回経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップとして開催された「JBCF 輪島ロード」を独走で制した Photo: Ikki YONEYAMA

厳しい上りの難コース

 今年で第50回を迎えた経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップは、初めて輪島の地で行われた。曹洞宗のかつての大本山、總持寺祖院前をスタート・ゴールとする1周12.6kmの公道周回コースは、前半と後半に2度まとまった上りが待ち受ける厳しいもの。狭い下りや高速ダウンヒル、つなぎの平坦区間も力を抜けず、例年実力のある選手同士の戦いとなっている。初開催ではあるが“チャンピオンシップ”を名乗るのにふさわしい難コースだ。

スタート前に昨年団体優勝のチームUKYOから経済産業大臣旗が返還された Photo: Ikki YONEYAMAスタート前に昨年団体優勝のチームUKYOから経済産業大臣旗が返還された Photo: Ikki YONEYAMA
スタートラインに並んだP1の選手たち Photo: Ikki YONEYAMAスタートラインに並んだP1の選手たち Photo: Ikki YONEYAMA

 周回前半の上りは木々に囲まれた距離約2.5kmで、平均斜度8.8%とパンチのあるもの。一度下ってから後半には、海を横目に眺める約1.4kmの上りで、こちらも平均斜度7.3%と決して楽なものではない。

 最高峰のP1クラスタのレース前、前年の団体優勝であるチームUKYOから経済産業大臣旗が返還され、集団が門前町内をパレード走行したのちに、輪島市の梶文秋市長による号砲で、7周回・88.6kmの戦いがスタートを切った。

總持寺祖院を後ろにレースがスタート Photo: Ikki YONEYAMA總持寺祖院を後ろにレースがスタート Photo: Ikki YONEYAMA

前半からプジョルとトリビオが抜け出す

3周目の上り、プジョルとトリビオの2人が先行 Photo: Ikki YONEYAMA3周目の上り、プジョルとトリビオの2人が先行 Photo: Ikki YONEYAMA

 レースは1周目の上りから激しいアタック合戦が繰り広げられ、頂上までに7人が先行することになった。年間ポイントリーダーのルビーレッドジャージを着るホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)も入り、序盤からエース級の選手による逃げ集団だ。

 ところが下りで、ダミアン・モニエ(フランス、ブリヂストンアンカー サイクリングチーム)が落車。元全日本王者の佐野淳哉(マトリックスパワータグ)らが巻き込まれてしまう。モニエはリタイア、佐野も大きく遅れ、結局この先頭グループはメイン集団に吸収されることになった。

追走グループの先頭は阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン) Photo: Ikki YONEYAMA追走グループの先頭は阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン) Photo: Ikki YONEYAMA
メイン集団はいくつかに分断された状態 Photo: Ikki YONEYAMAメイン集団はいくつかに分断された状態 Photo: Ikki YONEYAMA

 2周目になっても続くアタック合戦の結果、上りに強いプジョルと、ルビーレッドジャージのトリビオが2人で抜け出す展開となった。メイン集団はいくつかに分断されたが、4周目までに30人弱にまとまり、宇都宮ブリッツェンやブリヂストンアンカーが追走のペースを作った。

補給所を通過する先頭の2人 Photo: Ikki YONEYAMA補給所を通過する先頭の2人 Photo: Ikki YONEYAMA
追走のメイン集団。先頭は井上和郎(ブリヂストンアンカー) Photo: Ikki YONEYAMA追走のメイン集団。先頭は井上和郎(ブリヂストンアンカー) Photo: Ikki YONEYAMA
5周目の上りを逃げ続ける先頭の2人 Photo: Ikki YONEYAMA5周目の上りを逃げ続ける先頭の2人 Photo: Ikki YONEYAMA
25人ほどのメイン集団 Photo: Ikki YONEYAMA25人ほどのメイン集団 Photo: Ikki YONEYAMA
残り2周。変わらず上りはプジョルがペースを作る Photo: Ikki YONEYAMA残り2周。変わらず上りはプジョルがペースを作る Photo: Ikki YONEYAMA

後半アンカーがチームで攻撃

 先行する2人は上り区間をプジョルが積極的に牽引。毎周回設定される山岳賞を、2周目以降全て取り続けていく。メイン集団との差は最大50秒以上まで開いたが、残り3周では約40秒と逃げ切れるかは微妙なところだ。

クライマーのプジョル、オールラウンダーのトリビオの、フォームの違いが興味深い Photo: Ikki YONEYAMAクライマーのプジョル、オールラウンダーのトリビオの、フォームの違いが興味深い Photo: Ikki YONEYAMA
ブリヂストンアンカーが上りで本格的に追走開始 Photo: Ikki YONEYAMAブリヂストンアンカーが上りで本格的に追走開始 Photo: Ikki YONEYAMA
先頭を射程圏内に捉えつつあるメイン集団 Photo: Ikki YONEYAMA先頭を射程圏内に捉えつつあるメイン集団 Photo: Ikki YONEYAMA

 残り2周の上りで、ブリヂストンアンカーが攻撃に出た。ここまで下りと平坦中心にペースを作っていたが、一気に上りでもペースアップを仕掛けたのだ。メイン集団は崩壊し、先頭から約20秒差でアンカーの西薗良太、トマ・ルバ(フランス)、愛三工業レーシングの中根英登、そしてUKYOのプラデスという、4人の追走グループが形成された。

 いっぽう先頭では後ろを気にしたトリビオが後退して追走グループに合流。プジョルが単独先頭となって、残り1周へと突入した。

追走を振り切ってプジョルが優勝

 最終周回、先頭のプジョルは苦痛に表情を歪めながらも、力強い走りで逃げ切りを目指す。追走の5人は、ルバのためにペースを上げ続けた西薗が脱落し、優勝争いに残った唯一の日本人選手の中根が、視界に捉えたプジョル目掛けてアタックを仕掛けた。

 しかしこれはプジョルのチームメイトのプラデスがチェックし、もう少しというところで潰されてしまう。追走グループからはさらにルバも攻撃に出るが、これもプラデスが追随。散発的な動きとプラデスの動きから、追走グループは先頭のプジョルを捕まえるチャンスを、ものにすることができなかった。

独走で最終周回に入ったプジョル Photo: Ikki YONEYAMA独走で最終周回に入ったプジョル Photo: Ikki YONEYAMA
追走の4人。中根が積極的に走るがプラデス(右)がしっかりマーク Photo: Ikki YONEYAMA追走の4人。中根が積極的に走るがプラデス(右)がしっかりマーク Photo: Ikki YONEYAMA
先頭のプジョル、追走のプラデスと中根、そしてルバとトリビオが一直線上に Photo: Ikki YONEYAMA先頭のプジョル、追走のプラデスと中根、そしてルバとトリビオが一直線上に Photo: Ikki YONEYAMA
何度もガッツポーズをしてゴールに飛び込んだプジョル Photo: Ikki YONEYAMA何度もガッツポーズをしてゴールに飛び込んだプジョル Photo: Ikki YONEYAMA

 結局、レース前半から飛び出したプジョルが独走で逃げ切り優勝。ガッツポーズで總持寺祖院前にゴールした。ルバとプラデスの2位争いはプラデスに軍配が上がり、チームUKYOがワン・ツーフィニッシュを決めた。UKYO勢は10位までに4人を送り込んで大量得点。一方でここまでチームランキング1位の宇都宮ブリッツェンは、エースの増田成幸がけがで欠場し、雨澤毅明の13位が最高と厳しい結果に終わった。

2位争いのスプリントをプラデスが制して、チームUKYOがワン・ツー Photo: Ikki YONEYAMA2位争いのスプリントをプラデスが制して、チームUKYOがワン・ツー Photo: Ikki YONEYAMA
4位争いはトリビオが中根を抑えて先着 Photo: Ikki YONEYAMA4位争いはトリビオが中根を抑えて先着 Photo: Ikki YONEYAMA

 各チーム上位3人のポイント合計で争われる経済産業大臣旗は、チームUKYOが2年連続で獲得。2位ブリヂストンアンカー、3位マトリックスパワータグとなった。年間個人ポイント争いは、ルビーレッドジャージをトリビオ、U23(23歳未満)のピュアホワイトジャージを小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)が、それぞれ守っている。

JBCFチャンピオンジャージを着たプジョルに、輪島塗の優勝カップが贈られた Photo: Ikki YONEYAMAJBCFチャンピオンジャージを着たプジョルに、輪島塗の優勝カップが贈られた Photo: Ikki YONEYAMA
リーダージャージは変わらず、ルビーレッドジャージがトリビオ(右)、ピュアホワイトジャージが小野寺 Photo: Ikki YONEYAMAリーダージャージは変わらず、ルビーレッドジャージがトリビオ(右)、ピュアホワイトジャージが小野寺 Photo: Ikki YONEYAMA
オリジナルの「将軍」ソックスを履くプジョル Photo: Ikki YONEYAMAオリジナルの「将軍」ソックスを履くプジョル Photo: Ikki YONEYAMA
山岳賞は各周回に輪島塗の品々が贈られた。1周目はルバ、2周目以降はプジョルが総取り Photo: Ikki YONEYAMA山岳賞は各周回に輪島塗の品々が贈られた。1周目はルバ、2周目以降はプジョルが総取り Photo: Ikki YONEYAMA
団体表彰の上位3チーム Photo: Ikki YONEYAMA団体表彰の上位3チーム Photo: Ikki YONEYAMA

P1結果(88.6km)
1 オスカル・プジョル(スペイン、チームUKYO) 2時間27分55秒
2 ベンジャミン・プラデス(スペイン、チームUKYO) +31秒
3 トマ・ルバ(フランス、ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) +31秒
4 ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ) +39秒
5 中根英登(愛三工業レーシングチーム) +40秒
6 ロイック・デリアック(フランス、ニールプライド・ナンシンスバル サイクリングチーム) +2分07秒
7 ロドリゴ・アラケ(スペイン、チームUKYO) +2分08秒
8 西薗良太(ブリヂストンアンカー サイクリングチーム) +2分23秒
9 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、チームUKYO) +2分23秒
10 畑中勇介(チームUKYO) +3分40秒

P1団体成績
1 チームUKYO(プジョル、プラデス、アラケ) 5650pts
2 ブリヂストンアンカー サイクリングチーム(ルバ、西薗、初山) 2200pts
3 マトリックスパワータグ(トリビオ、田窪、吉田) 1500pts

この記事のタグ

JPT2016・レース Jプロツアー2016

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

サイクリストTV

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載

連載