ブリッツェン増田成幸が「ルビーレッドジャージ」「第1回まえばしクリテリウム」でシマノの入部正太朗が今季初勝利 プジョルとの逃げ決まる

by 澤野健太 / Kenta SAWANO
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 ロードレースの国内最高峰のシリーズ戦「Jプロツアー」(JPT)の第17戦「第1回JBCF まえばしクリテリウム」が9月24日、群馬県前橋市の市内特設コースで開催された。前橋市の中心部を舞台にした初の公道レースで、入部正太朗(シマノレーシング)が共に逃げたオスカル・プジョル(チームUKYO)との一騎打ちを制し今季初勝利を飾った。Jプロツアーのポイントリーダーの証である「ルビーレッドジャージ」は増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が守った。

第1回まえばしクリテリウムで今季初勝利を挙げ、賞品のウクレレを弾く入部正太朗(中央)と2位のオスカル・プジョル(左)。右は3位のジョン・アヴェラストゥリ Photo: Kenta SAWANO第1回まえばしクリテリウムで今季初勝利を挙げ、賞品のウクレレを弾く入部正太朗(中央)と2位のオスカル・プジョル(左)。右は3位のジョン・アヴェラストゥリ Photo: Kenta SAWANO

自転車の町・前橋中心部で初開催

記念すべき第1回まえばしクリテリウムのスタートを切るP1の選手たち Photo: Kenta SAWANO記念すべき第1回まえばしクリテリウムのスタートを切るP1の選手たち Photo: Kenta SAWANO

 「自転車の町」を推進する前橋市内の中心部で行われた記念すべき第1回目のレース。最高峰のP1は3.5kmの周回コースを10周回、計35kmで争われた。群馬県庁や前橋市役所、前橋グリーンドームなど、スタートとゴールのある県庁通りをメインに市内の中心部を縫うような見所のあるコースで、直角コーナーが4カ所、180度のターンが2カ所あり、テクニカルなレイアウトになっている。

豪華な群馬県庁前の直角コーナーを抜けていくメイン集団 Photo: Kenta SAWANO豪華な群馬県庁前の直角コーナーを抜けていくメイン集団 Photo: Kenta SAWANO
5周目に単独で逃げるハビエル・サルダ・ペレス Photo: Kenta SAWANO5周目に単独で逃げるハビエル・サルダ・ペレス Photo: Kenta SAWANO

 午後2時20分、大勢の地元ファンが歓声を送る中、109人の選手が初めて前橋市の公道でレースする「第1回まえばしクリテリウム」のスタートを切った。地元の「群馬グリフィン」を先頭にパレードランが終わると、住吉宏太(チームUKYO)らが散発的にアタックを仕掛けるが決まらず。3周目までは、マトリックスパワータグ、宇都宮ブリッツェン、チームUKYO勢を中心に集団をコントロールしていた。4周目までは落ち着いたレースが続いた。



5周目に3人が逃げ

5周目の中央大橋から戻って来たところで逃げ集団は(左から)オスカル・プジョル、入部正太朗、ハビエル・サルダ・ペレスの3人になる Photo: Kenta SAWANO5周目の中央大橋から戻って来たところで逃げ集団は(左から)オスカル・プジョル、入部正太朗、ハビエル・サルダ・ペレスの3人になる Photo: Kenta SAWANO

 5周目にレースが動いた。ハビエル・サルダ・ペレス(ヴィクトワール広島)が中盤で単独でエスケープ。利根川にかかる中央大橋を渡る前には5秒ほどの差をメイン集団につけた。

 180度ターンし、中央大橋を戻ってくる約1kmの直線でプジョルと入部がこれにブリッジをかけ、3人の逃げになった。6周目にペレスが脱落したが、メイン集団の中で入部とプジョルを追う積極的な動きはない。6周目を終えメイン集団との差は7秒ほどになった。

6周目、オスカル・プジョルに(手前)と苦しそうな表情で逃げる入部正太朗 Photo: Kenta SAWANO6周目、オスカル・プジョルに(手前)と苦しそうな表情で逃げる入部正太朗 Photo: Kenta SAWANO
中盤、グリーンドーム前橋をバックに走るメイン集団 Photo: Kenta SAWANO中盤、グリーンドーム前橋をバックに走るメイン集団 Photo: Kenta SAWANO

マトリックス、ブリッツェン猛追も

逃げる2人をメイン集団の先頭で追うマトリックスパワータグ勢 Photo: Kenta SAWANO逃げる2人をメイン集団の先頭で追うマトリックスパワータグ勢 Photo: Kenta SAWANO

 逃げグループが2人になってからは、ほぼプジョルが前を引く展開。「プジョル選手がめちゃくちゃ強くて、付いていくので精一杯だった。途中で叫ばれたが、クレバーに付いていくだけだった」と入部は振り返る。メイン集団は後半、マトリックスパワータグの6人、後ろに宇都宮ブリッツェンが一列になり必死の猛追を開始したが、差は大きく詰まらなかった。

 8周目には中村龍太郎(イナーメ信濃山形)と木村圭佑(シマノレーシング)がメイン集団から抜け出し、逃げの2人にブリッジしようとしたが追いつかず。8周を終え、メイン集団と逃げの2人の差は15秒ほどに広がった。レースは9周目途中から宇都宮ブリッツェン勢の追撃が始まる。16秒差で最終周に入ると、大久保陣、阿部嵩之、増田ら7人全員で必死に逃げの2人を追いかけた。

オスカル・プジョル(左)とのスプリントを制し、第1回まえばしクリテリウムを制した入部正太朗 Photo: Kenta SAWANOオスカル・プジョル(左)とのスプリントを制し、第1回まえばしクリテリウムを制した入部正太朗 Photo: Kenta SAWANO

得意クリテリウムで勝利

 最終コーナー手前では、約3秒差。後ろから“赤い軍団”が迫る中、入部はプジョルと最後の力を振り絞りスパート。2人でほぼ横並びになりながらハンドルを投げてゴールラインを割った。入部は勝利を確信し下を向いたまま右手でガッツポーズ。わずかな差で今季初勝利を手にした。

 宇都宮クリテリウム2位。みやだクリテリウム3位とクリテリウムが得意の入部だが「やっと優勝することができた。9割をプジョル選手に引いてもらったが、先行する練習をしてきた結果が出た」と喜んだ。シマノレーシングの野寺秀徳監督も「逃げれば勝ちにつながる可能性が大きい選手。来季につながる走りをしてくれた」とキャプテンの勝利を喜んだ。

ルビーレッドジャージの増田成幸(右)とU23リーダージャージを着る小野寺玲 Photo: Kenta SAWANOルビーレッドジャージの増田成幸(右)とU23リーダージャージを着る小野寺玲 Photo: Kenta SAWANO
入部正太朗(左)の勝利を喜ぶシマノレーシングの野寺秀徳監督 Photo: Kenta SAWANO入部正太朗(左)の勝利を喜ぶシマノレーシングの野寺秀徳監督 Photo: Kenta SAWANO

 リーダージャージを守った宇都宮ブリッツェンの増田だったが「大久保選手を含め7人で最後に“鬼引き”したが追いつけなかった。あと40~50mあれば、逃げの2人を捕まえられた」と残念そうな表情。チームメートでU23リーダージャージの小野寺玲は「楽しいレースでした。明日の赤城山ヒルクライムも頑張ります」と気持ちを入れ替えた。

Jプロツアー第17戦「JBCFまえばしクリテリウム」結果 (35.0km)
1 入部正太朗(シマノレーシング)47分07秒
2 オスカル・プジョル(スペイン、チームUKYO)
3 ジョン・アベラストゥリ(スペイン、チームUKYO)+2秒
4 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
5 大久保陣(宇都宮ブリッツェン)
6 ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)
7 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
8 畑中勇介(チームUKYO)+3秒
9 吉田隼人(マトリックスパワータグ)
10 サルヴァドール・グアルディオラ(スペイン、チーム UKYO)

Jプロツアーリーダー(ルビーレッドジャージ)
増田成幸(宇都宮ブリッツェン)

U23リーダー(ピュアホワイトジャージ)
小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)

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前橋市民、初の公道レースを満喫

初めて見る自転車レースに驚く前橋市の金子さん一家 Photo: Kenta SAWANO初めて見る自転車レースに驚く前橋市の金子さん一家 Photo: Kenta SAWANO

 「自転車の町」を目指す前橋市で、初めて開催する市街地でのクリテリウム。地元の自転車ロードレースファンだけでなく、初めて観戦する市民も、そのスピード感に酔いしれた。前橋市の金子有砂美さんは夫の裕亮さんと初観戦。「タイヤや車輪が回転する音、そして選手たちが集団で通るときの風の強さに驚きました」と興奮していた。コース近くに住む斉藤隆章さんは「宇都宮でも盛り上がっていると聞いているが、前橋もそうなったらいいねえ。参加人数が少ないのだろうけど、次回は女子の華やかなレースも見てみたい」と期待した。

近所で行われた「まえばしクリテリウム」を観戦する前橋市民 Photo: Kenta SAWANO近所で行われた「まえばしクリテリウム」を観戦する前橋市民 Photo: Kenta SAWANO
群馬グリフィンの選手と一緒にパレードランを行った前橋市の山本龍市長 Photo: Kenta SAWANO群馬グリフィンの選手と一緒にパレードランを行った前橋市の山本龍市長 Photo: Kenta SAWANO

 群馬グリフィンの選手とともにセレモニーランした前橋市の山本龍市長は「1回目だからまだまだかもしれないけれど、初めて見る人には印象の残るレースになったのではないか。まえばしクリテリウムを見て、少しでもロードバイクに乗ってみたいという人が増えてくれればいい」と総括した。

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