ロード個人タイムトライアルで獲得力走で男女とも銀メダル 不屈の精神の鹿沼由理恵、進化を証明した藤田征樹

  • 一覧

 リオデジャネイロ・パラリンピックの自転車競技、9月14日に行われたロード個人タイムトライアルで、日本勢は男女揃って銀メダルを獲得した。自転車競技では初出場の鹿沼由理恵(楽天ソシオビジネス)と、3度目の出場となる藤田征樹(日立建機)。それぞれが壁と戦い、乗り越えてのメダルだった。

◇         ◇

自転車女子で日本勢初のメダル

 心も体も強いからこそ手にした銀メダルだ。自転車女子タンデム個人ロードタイムトライアル(視覚障害)で鹿沼由理恵(楽天ソシオビジネス)はトラブルを乗り越え、表彰台に立った。「最後まであきらめなくてよかった。本当にうれしい」と疲労困憊の中、笑みを浮かべた。

女子タンデム個人ロードタイムトライアル(視覚障害)で力走する鹿沼由理恵(左)。右はパイロットの田中まい (共同)女子タンデム個人ロードタイムトライアル(視覚障害)で力走する鹿沼由理恵(左)。右はパイロットの田中まい (共同)

 レースが始まる数分前に、ギアが変えられず最も重い段しか使えないことに気づいた。本人もパイロットの田中まい(日本競輪選手会)も初めての経験だったが、動揺せずスタートを切った。

 30kmの長丁場。「疲れを抑えるには小まめにギアチェンジした方がいいけど、今までの練習を信じた」。鹿沼は持ち前の脚力と持久力をつぎ込んだ。「脚を止めるのは簡単だけどあきらめなかった。ギアが変わらないからこそ頑張れた」と不屈の精神で走破した。

 2010年バンクーバー大会のノルディックスキー距離で7位入賞した実績を持つ天性のアスリートだ。権丈監督も「すごい。あのギアで走り続けるなんて考えられない。根性もあった」と驚く力走で自転車女子では日本勢初のメダルに輝いた。

(共同通信)

金には届かず…複雑な思いも胸を張る

個人タイムトライアルをゴールした藤田征樹。納得の走りに笑みがもれた (共同)個人タイムトライアルをゴールした藤田征樹。納得の走りに笑みがもれた (共同)

 銀メダルがもたらした感情は複雑だった。自転車男子ロードタイムトライアル(運動機能障害C3)で藤田征樹(日立建機)は1分8秒62の大差をつけられて初優勝を逃した。「優勝は1人しかできない。銀メダルを取れるのも1人」と胸を張った後、ゴールを悔しそうな目で振り返った。

 海岸通りの長く平坦な直線に強い風が吹き抜けた。「最初からプッシュ。抑えたら駄目」とスタートから飛ばした。平均時速45km台後半のハイスピードでこぎ続け、勝負どころとみていた残り5kmからのラストスパートに余力を振り絞った。

 「最後までできた」と自分の走りには納得している。権丈監督は「彼の中で組み立てたレースをやり遂げた」と感心しきりだ。藤田が「フィジカルが強くなって、フォームもよくなった」と自負する進化を、前回ロンドン大会の3位を上回る成績で証明した。

 出場3大会で通算3個目の銀。悲願の金にまたも届かず「残念ではある」と本音も漏らした。「相手は世界チャンピオンで、偉大な選手。1分差は力負けですね」。この悔しさが、35歳で迎える東京大会への活力となるか。

(共同通信)

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

2016リオパラリンピック パラリンピック

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載