工具はともだち<101>自転車工具の第一歩はアーレンキーから

by 重田和麻 / Kazuma SHIGETA
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 今回も「工具はともだち」をお読みいただきありがとうございます。前回100回の節目を迎え、「工具はともだち100回記念プレゼント企画」にもたくさんのご応募をいただきありがとうございました。当選発表は発送をもって代えさせていただきますので、楽しみにお待ち下さいね!

JIS規格では「六角棒スパナ」

KTCの自転車用アーレンキー ©KTCKTCの自転車用アーレンキー ©KTC

 さて、100回の後は当然101回目という事で、これからどれだけ続けられるかわかりませんが、ひとつずつ積み重ねて行きたいと思いますので、皆様応援お願いいたします。今回何を書こうか悩んだのですが、やはり自転車工具の第一歩である「アーレンキー」についてお話ししたいと思います。

 自転車に乗られている皆さんは「アーレンキー」が六角棒レンチだという事は当たり前のようにご存じですが、世の中一般的には「アーレンキー」と言っても通じません。ホームセンター等でもスポーツバイクをご存じの店員さんでないと「アーレンキーどこにありますか?」とか聞いても、おそらく「???」です。私は日ごろ自動車のメカニックとお話しする機会が比較的多いのですが、自動車のプロメカニックでも知っている人はわずかです。

一般的なアーレンキー ©KTC一般的なアーレンキー ©KTC

 一般的には「六角棒レンチ」や「ヘキサゴンレンチ」と言われ、JIS規格では「六角棒スパナ」となっています。正直「六角棒スパナ」と呼ぶ方はほとんどいませんけど(笑)

 ボルト側はJIS規格では「六角穴付きボルト」と言われ、英語名が「Hexagon Socket Head Cap Screws」とありますので、「キャップスクリュー」とも言われています。

六角ボルト(左)と六角穴付きボルト ©KTC六角ボルト(左)と六角穴付きボルト ©KTC

 昔は普通の六角ボルトが一般的だったのですが、ボルトの出っ張りをなくせる点でデザイン性や軽量化など様々なニーズにより、今では、この六角穴付きボルトが非常に幅広い分野で使われています。スポーツバイクでも、今では六角穴付きボルトの方が多く使われていますよね。

 そんな六角穴付きボルトを回す「アーレンキー」ですが、どのように作られているかご存知でしょうか。作り方は大きく分けて2つあって、ひとつは「引き抜き」という工法、もうひとつは「切削」つまり「削りだし」です。

自転車には剛性の高い「切削」タイプ

 「切削」は読んで字のごとく想像がつくと思いますが、「引き抜き」と言われてもピンとこない方も多いのではないでしょうか。この「引き抜き」は金属の成形方法の一つで、簡単に言うと、六角の穴があいた成形型に金属棒材を通して、長~い六角棒を作ります。後は決められた寸法に切って、曲げれば出来上がり。非常にシンプルな作り方です。(当然、熱処理や表面処理も施します)

 この二つどちらがいいかは一概に言えませんが、「引き抜き」だと、どうしても型の関係上角が若干ですが丸くなります。また、精度は「引き抜き」に使う型に依存するので、良くも悪くも安定しますが、比較的公差はゆとりを持って設定されています。反対に「切削」は一本ずつ削り出すので、高い精度でしかも角がしっかり立った六角を作る事ができます。

切削加工なので、高精度で高剛性な丸軸タイプ ©KTC切削加工なので、高精度で高剛性な丸軸タイプ ©KTC
引き抜き加工のアーレンキー ©KTC引き抜き加工のアーレンキー ©KTC

 精度が高く、角が立つと何が良いかと言うと、六角穴付きボルトに差し込んだ際のギャップが少なくなる分、なめにくく、しっかりトルクを掛けることができます。さらに、軸を丸軸にできるため、剛性を高くする事ができるという利点もあります。KTCでも両方のタイプをラインナップしているのですが、自転車用はより高精度で剛性の高い「切削」タイプを採用しているんです。自転車で一番よく使う工具ですから、選ぶ際はそうした点も見ていただければと思います。

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重田和麻(しげた・かずま)

KTC(京都機械工具)入社後、同社の最高級ツール「nepros」(ネプロス)の立ち上げに携わった後、販売から企画、商品開発とさまざまな立場で同商品と歩みを共にしてきた。スポーツ自転車は初心者だが、工具についてはプロフェッショナル。これまでの経験を生かして、色々な角度からサイクリストに役立つ工具の情報を提供する。

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