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ブエルタ・ア・エスパーニャ2016 第21ステージキンタナが初のブエルタ総合優勝 最終ステージはニールセンがスプリント勝利

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 ブエルタ・ア・エスパーニャは9月11日に最終日を迎え、スペインの首都・マドリードへとフィニッシュする第21ステージが行われた。勝負はスプリントとなり、マウヌス・コー・ニールセン(デンマーク、オリカ・バイクエクスチェンジ)が優勝。今大会2勝目を挙げた。そして、個人総合ではナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)が、前日までのリードを守りきり、初の総合優勝を果たした。日本勢は、新城幸也(ランプレ・メリダ)が総合106位、別府史之(トレック・セガフレード)が120位で大会を終えた。

ブエルタ・ア・エスパーニャ2016個人総合上位3人の表彰。左から2位クリストファー・フルーム、総合優勝ナイロアレクサンデル・キンタナ、3位ヨアンエステバン・チャベス Photo: Yuzuru SUNADAブエルタ・ア・エスパーニャ2016個人総合上位3人の表彰。左から2位クリストファー・フルーム、総合優勝ナイロアレクサンデル・キンタナ、3位ヨアンエステバン・チャベス Photo: Yuzuru SUNADA

レース前半はパレード走行

 8月20日に開幕した今年のブエルタ。スペイン北西部のガリシア州で幕を開け、しばし同州をめぐった後、東へ。カンタブリア山脈、難関のピレネー山脈を越え、南部バレンシア州と舞台を移し、いよいよ首都マドリードへと帰還する日がやってきた。選手・関係者は、この日の午前中にマドリード近郊まで移動し、午後からのレーススタートに備えた。

 198選手が大会のスタートラインについたが、最終日まで残ったのは159選手。一行はラス・ロサスのスタートからしばらくは、ゆっくりとパレード走行。3週間の戦いの労をねぎらい合ったり、モトバイクからのリクエストに応えポーズを決めたりと、それぞれにマドリードを目指した。総合優勝を濃厚としたキンタナは、チームメートらとともに走りながら記念撮影を行った。

マドリード市街地に入り4人がリード

 レースが本格化したのは、マドリード市街地に入ってから。1周5.8kmのサーキットに入る直前に多少のコース変更がなされた関係で、当初の9周回から10周回とする措置が講じられた。

マイヨロホを着るナイロアレクサンデル・キンタナはアシストに囲まれながら集団内を走行 Photo: Yuzuru SUNADAマイヨロホを着るナイロアレクサンデル・キンタナはアシストに囲まれながら集団内を走行 Photo: Yuzuru SUNADA

 リードしたのは、ピーター・ケノー(イギリス、チーム スカイ)、カンタン・ジョレギ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)、ロイック・シェトゥ(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ)、さらにクーン・ボウマン(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ)が単独で合流。4人がメイン集団に対して最大で1分5秒差で先行した。

 だが、スプリント勝負をもくろむチームが逃げを許すことはなく、残り40kmあたりから本格的に前とのタイム差を縮めていく。その状況に、前を急いでいたメンバーが1人、また1人と逃げを諦め、集団へと戻っていった。結局、シェトゥが最後まで粘ったが、それもラスト1周の鐘を聞き、残すところ5kmとなったところでメイン集団にキャッチされた。

別府、新城もスプリント参戦

 逃げが吸収されると、勝負の行方はスプリントにゆだねられた。集団前方に選手たちが集まってくるが、特定のチームが主導権を握る展開とはならない。コース内にヘアピンカーブが多く設定されていることもあって、減速と加速を繰り返しているうちに集団内のポジションにも大きな変化が生まれる。

 最後のヘアピンカーブをクリアすると、残りは800m。オリカ・バイクエクスチェンジやエティックス・クイックステップのリードアウトマンが、エーススプリンターを前方へと引き上げる。最終コーナーを抜け、いよいよスプリント開始だ。

 コーナーのイン側から真っ先に加速したのは、ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、ティンコフ)。逆サイドからはジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ)も上がってくる。それでも、この日最もスピードに長けていたのはニールセンだった。ベンナーティとメールスマンの間から加速し、2人をかわすとそのままトップでフィニッシュ。初のグランツール出場ながら、この大会で2勝を挙げる活躍となった。

今大会2勝目をあげた マウヌス・コー・ニールセン Photo: Yuzuru SUNADA今大会2勝目をあげた マウヌス・コー・ニールセン Photo: Yuzuru SUNADA

 このスプリントには、新城と別府も参戦。両者とも、積極的にスプリントポジションを争い、最終局面に備えた。トップ10入りはならず、新城は12位、別府は13位で最終ステージを終えた。

大歓声の中でキンタナがマイヨロホに袖を通す

 個人タイムトライアルで争われた第19ステージで、後続にタイム差を一気に縮められたものの、それまでの貯金を生かしてトップの座を明け渡すことのなかったキンタナ。強固なアシスト陣にも支えられ、前日のステージを終えた時点で総合優勝に王手をかけていた。

 そして、最終の第21ステージも危なげなくフィニッシュ。スプリントでの混乱を避け、集団後方でガッツポーズをしながら王座就位の瞬間に浸った。

 26歳のキンタナは、4度目のブエルタ出場で初の総合優勝。グランツール全体では、2014年のジロ・デ・イタリアに続く勝利となった。今年は、ツール・ド・フランスでの初優勝を目指したが、体調不良もあって総合3位にとどまっていた。それを受けて、リオデジャネイロ五輪を回避し、不調の原因を探るための検査を実施。再度コンディションを整えて、ブエルタでの再浮上を目指していた。

 狙い通りの勝利を果たし、マドリード中心部に設けられたポディウムで王者の証であるマイヨロホに袖を通した。スポットライトを浴び、大勢のコロンビア人応援団の歓声を受けながら、勝利を祝福を受けた。

ポイント賞を獲得したファビオ・フェッリーネ Photo: Yuzuru SUNADAポイント賞を獲得したファビオ・フェッリーネ Photo: Yuzuru SUNADA

 そのほか、総合2位にはクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)、同3位にはヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・バイクエクスチェンジ)が続いた。また、ポイント賞のプントスにはファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック・セガフレード)、山岳賞のモンターニャにはオマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ)、複合賞のコンビナーダはキンタナ、チーム総合時間賞にはBMCレーシングチームが輝いた。また、アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)が、個人総合では4位にとどまったものの、3週間通じての積極的な走りが評価され、スーパー敢闘賞に選ばれた。

新城、別府も完走

 今大会には、日本勢が2選手参戦。新城、別府ともにグランツールの経験は豊かで、それぞれブエルタは2回目、初出場だったが、実力通り完走を果たした。新城は10回目、別府は6回目のグランツール完走となる。

 新城は今大会途中から、チームのスプリンターを任され、平坦ステージではたびたび上位進出を狙って動いた。別府は、第18ステージで逃げてブエルタ日本人初の敢闘賞を獲得。また、ポイント賞がかかっていたフェッリーネのアシストとしても機能。ともにチームの主力選手としてのミッションを遂行した。

各賞ジャージ獲得選手の表彰。左からポイント賞ファビオ・フェッリーネ、個人総合優勝ナイロアレクサンデル・キンタナ、山岳賞オマール・フライレ Photo: Yuzuru SUNADA各賞ジャージ獲得選手の表彰。左からポイント賞ファビオ・フェッリーネ、個人総合優勝ナイロアレクサンデル・キンタナ、山岳賞オマール・フライレ Photo: Yuzuru SUNADA

 これにより、2016年のグランツールはすべて終了。トップシーンにおけるシーズンは残すところ1カ月半といったところだが、その間に1週間程度のステージレースや、秋のクラシック、そしてカタール・ドーハで開催されるロード世界選手権と、ビッグレースはまだまだ残されている。

第21ステージ結果
1 マウヌス・コー・ニールセン(デンマーク、オリカ・バイクエクスチェンジ) 2時間48分52秒
2 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、ティンコフ) +0秒
3 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ) +0秒
4 クリスティアン・スバラーリ(イタリア、ディメンションデータ) +0秒
5 ニキアス・アルント(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン) +0秒
6 ロレンゾ・マンザン(フランス、エフデジ) +0秒
7 ロマン・アルディ(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ) +0秒
8 ホナタン・レストレポ(コロンビア、チーム カチューシャ) +0秒
9 リュディゲル・ゼーリッヒ(ドイツ、ボーラ・アルゴン18) +0秒
10 サルヴァトーレ・プッチョ(イタリア、チーム スカイ) +0秒
12 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +0秒
13 別府史之(日本、トレック・セガフレード) +0秒

個人総合(マイヨロホ)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 83時間31分28秒
2 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +1分23秒
3 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・バイクエクスチェンジ) +4分8秒
4 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ) +4分21秒
5 アンドルー・タランスキー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック プロサイクリングチーム) +7分43秒
6 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ) +8分33秒
7 ダビ・デラクルス(スペイン、エティックス・クイックステップ) +11分18秒
8 ダニエル・モレノ(スペイン、モビスター チーム) +13分4秒
9 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール・ドラパック プロサイクリングチーム) +13分17秒
10 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、チーム ロットNL・ユンボ) +14分7秒
106 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +3時間34分56秒
120 別府史之(日本、トレック・セガフレード) +3時間56分12秒

ポイント賞(プントス)
1 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、アスタナ プロチーム) 100 pts
2 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 97 pts
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 93 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 オマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ) 58 pts
2 ケニー・エリッソンド(フランス、エフデジ) 57 pts
3 ロベルト・ヘーシンク(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) 37 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 8 pts
2 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 17 pts
3 ケニー・エリッソンド(フランス、エフデジ) 34 pts

チーム総合
1 BMCレーシングチーム 249時間48分23秒
2 モビスター チーム +4分43秒
3 キャノンデール・ドラパック プロサイクリングチーム +22分44秒

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