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ブエルタ・ア・エスパーニャ2016 第20ステージラトゥールがゴール前の激しいアタック合戦を制して優勝 キンタナは総合優勝へ

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 ブエルタ・ア・エスパーニャ第20ステージが9月10日、ベニドルムからアルト・アイタナ・エスクゥアドロン・エイエルシト・デル・アイレまでの193.2kmで争われ、ピエールロジェ・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)がホンダルウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシングチーム)との激しいアタック合戦の末に勝利し、区間優勝を果たした。総合成績はナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)が堅実な走りで守り、マイヨロホ獲得に王手をかけた。別府史之(日本、トレック・セガフレード)は67位、新城幸也(日本、ランプレ・メリダ)は112位で完走している。

壮絶なアタック合戦を制し、区間優勝を果たしたピエールロジェ・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) Photo: Yuzuru SUNADA壮絶なアタック合戦を制し、区間優勝を果たしたピエールロジェ・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) Photo: Yuzuru SUNADA

実質的に総合優勝者が決定

 第20ステージは今大会最後の山岳コース。翌日の最終ステージを前に、実質的な総合成績を決めるステージとなった。5つの山岳が登場し、フィニッシュは超級山岳のアイタナ峠頂上でゴールするレイアウト。総合成績にくわえ、ポイント賞や山岳賞も僅差の争いが繰り広げられており、近年のブエルタらしい目が離せない展開が予想された。

 レースが始まって1時間は約30人ほどのライダーたちが逃げ集団の形成を試みる展開で、メイン集団を個人総合首位のキンタナ擁するモビスター チームがコントロールした。その逃げ集団内には、この日決定する山岳賞のポイントを僅差で争うオマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ)、ケニー・エリッソンド(フランス、エフデジ)も含まれていた。

チャベスが逆転を狙うアタック

総合3位のアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)に対し、逆転を狙うヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・バイクエクスチェンジ) Photo: Yuzuru SUNADA総合3位のアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)に対し、逆転を狙うヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・バイクエクスチェンジ) Photo: Yuzuru SUNADA

 山岳賞ジャージ獲得のため、エリッソンドは1つめの山岳から果敢に単独でアタックするも、後方から追い上げたフライレの集団に吸収される。エリッソンドが大きく失速するなか、フライレが先頭で通過し、5ポイントを獲得した。

 逃げとメイン集団の間でタイム差がつかず、メイン集団内の選手によるアタックなどが頻発して落ち着かない展開が続いたが、ルイスレオン・サンチェス(スペイン、 アスタナ プロチーム)とリュディ・モラール(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ)が2人で抜け出し、2分ほどのリードを築いた。また、その後ろでは14人の追走集団が形成され、ラトゥールやアタプマ、ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック・セガフレード)らが含まれ、メイン集団に対して最大10分を超えるリードを得た。

 一方、メイン集団では、残り45km付近の上りでオリカ・バイクエクスチェンジ勢がコントロールに加わり、強力に集団を牽引。そのままヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・バイクエクスチェンジ)をアシストする形で集団からアタックさせた。総合で4位のチャベスは3位のアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)に対してタイムを稼ぎ、逆転を狙いたい考えだ。

チャベスから遅れ、表彰台を逃したコンタドール Photo: Yuzuru SUNADAチャベスから遅れ、表彰台を逃したコンタドール Photo: Yuzuru SUNADA

 先頭で逃げていた2人だったが、追走集団の勢いが勝り、ラストの山岳アイタナ峠で吸収。同時に追走集団にいた選手によるアタック合戦が始まり、アタプマがリードした。しかし、後方からラトゥールが粘りの走りで追いつき、2人による幾度とないアタックの応酬はゴール前残り200mまで続いた。ラスト100mから腰を上げたスプリントでは、アタプマが後方から勝利を狙うも、横に並べずに失速。ラトゥールが先着してフィニッシュし、ステージ優勝を挙げた。

 単独でアイタナ峠を上ったチャベスは、後方のコンタドールに対して1分30秒ほどのリードで先行。総合3位のコンタドールに1分11秒の差をつけられていたチャベスは、このリードを守りきれれば3位表彰台獲得の可能性が高まる。チャベスはメイン集団に捕まることなく、9位でフィニッシュした。

キンタナがマイヨロホを堅守

 注目されたマイヨロホを巡る攻防だったが、首位を狙うクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)が動いたのは最後の山岳アイタナ峠だった。ゴールまで残り5kmになると、キンタナに対して幾度とアタックを仕掛けるが、キンタナは冷静にフルームに対応した。キンタナは振り切られることなく、余裕を残した表情でフィニッシュ地点まで走り、最後はスプリントでフルームを下してゴール。翌日の最終ステージは平坦でタイム差がほぼつかないため、キンタナは実質総合優勝を決定的にした。総合2位のフルームはキンタナに対して拍手を送りながらのゴールとなった。

事実上、総合優勝を確定したナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) Photo: Yuzuru SUNADA事実上、総合優勝を確定したナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) Photo: Yuzuru SUNADA
ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)に対し、拍手を送るクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) Photo: Yuzuru SUNADAナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)に対し、拍手を送るクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) Photo: Yuzuru SUNADA

 また、総合3位をかけた争いは、チャベスがこのステージで築いたタイム差をコンタドールが埋めることなく逆転。13秒のリードでチャベスが総合3位へと浮上した。また、山岳賞争いはエリッソンドが中盤以降のポイント争いに絡むことがなく、フライレが僅か1ポイント差で制した。アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)が着用していたポイント賞ジャージはこの日区間3位に入ったフェッリーネに渡るなど、最終ステージを前に逆転劇が相次ぐ1日となった。

 翌日の最終ステージはラス・ローザスからマドリードまでの104.8km。平坦ステージとなり、総合や各ジャージはほぼ決定したことから、スプリンターによるステージ優勝争いが展開されるだろう。

第20ステージ結果
1 ピエールロジェ・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) 5時間19分41秒
2 ホンダルウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシングチーム) +2秒
3 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック・セガフレード) +17秒
4 マティアス・フランク(スイス、イアム サイクリング) +40秒
5 ロベルト・ヘーシンク(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) +1分3秒
6 バルト・デクレルク(ベルギー、ロット・ソウダル) +1分28秒
7 リュディ・モラール(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ) +2分2秒
8 リリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー) +3分1秒
9 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・バイクエクスチェンジ) +3分17秒
10 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +4分3秒
67 別府史之(日本、トレック・セガフレード) +27分51秒
112 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +27分51秒

個人総合(マイヨロホ)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 80時間42分36秒
2 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +1分23秒
3 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・バイクエクスチェンジ) +4分8秒
4 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ) +4分21秒
5 アンドルー・タランスキー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック プロサイクリングチーム) +7分43秒
6 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ) +8分33秒
7 ダビ・デラクルス(スペイン、エティックス・クイックステップ) +11分18秒
8 ダニエル・モレノ(スペイン、モビスター チーム) +13分4秒
9 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール・ドラパック プロサイクリングチーム) +13分17秒
10 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、チーム ロットNL・ユンボ) +14分7秒
106 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +3時間34分56秒
120 別府史之(日本、トレック・セガフレード) +3時間56分12秒

ポイント賞(プントス)
1 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック・セガフレード) 100 pts
2 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 97 pts
3 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 93 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 オマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ) 58 pts
2 ケニー・エリッソンド(フランス、エフデジ) 57 pts
3 ロベルト・ヘーシンク(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) 37 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 8 pts
2 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 17 pts
3 ケニー・エリッソンド(フランス、エフデジ) 33 pts

チーム総合
1 BMCレーシングチーム 241時間21分47秒
2 モビスター チーム +4分43秒
3 キャノンデール・ドラパック プロサイクリングチーム +22分44秒

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