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ブエルタ・ア・エスパーニャ2016 第19ステージフルームが個人タイムトライアルで圧勝 首位キンタナとの差を1分21秒に縮める

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 ブエルタ・ア・エスパーニャ第19ステージが9月9日、37kmの個人タイムトライアルが行われ、総合2位につけるクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)が唯一46分台の驚異的なタイムで区間優勝。総合首位のナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)とのタイム差を1分21秒に縮めた。日本勢は新城幸也(ランプレ・メリダ)がフルームから6分12秒差の82位、別府史之(トレック・セガフレード)が8分24秒差の143位でゴールしている。

得意の個人タイムトライアルで圧勝したクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) Photo: Yuzuru SUNADA得意の個人タイムトライアルで圧勝したクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) Photo: Yuzuru SUNADA

スペシャリスト有利なコース

 地中海沿いのハベアからカルペに至るこの日のコースは、スタート直後にビーチ沿いを抜けたあと、中盤にかけては内陸で若干のアップダウンをこなし、後半は再び海沿いにコーナーの多い区間を抜けてゴールする。アップダウンはあるものの平坦系に分類される、タイムトライアルスペシャリストに有利なステージだ。

前日逃げて敢闘賞を獲得した別府史之 Photo: Yuzuru SUNADA前日逃げて敢闘賞を獲得した別府史之 Photo: Yuzuru SUNADA

 総合上位勢ではフルームの有利は想定内。フルームがどこまでタイム差を縮めるか、逆にキンタナがどこまで失うタイムを小さく留められるかが、ステージ最大の焦点となった。総合表彰台をめぐる争いにも注目だ。

 この日まで残った161人が、総合最下位から1人ずつ1分ごとにスタートしていく。総合上位10人のみ、2分差をつけてのスタートとなる。

カストロビエホが好走で暫定トップに

 レースは序盤15人目にスタートした、ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、チーム ロットNL・ユンボ)が48分20秒の好タイムを記録し、その後しばらく暫定トップに君臨した。これを中盤に更新したのがイヴ・ランパールト(ベルギー、エティックス・クイックステップ)で、47分59秒と初めて47分台を記録した。

 総合100位以内の選手がゴールし始めると、総合55位のトビアス・ルドヴィグソン(スウェーデン、チーム ジャイアント・アルペシン)がランパールトのタイムを2秒更新するが、このとき走行中のホナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター チーム)が、中間計測ポイントの最速タイムを次々に大幅更新する走りを見せていた。

好走を見せたカストロビエホ Photo: Yuzuru SUNADA好走を見せたカストロビエホ Photo: Yuzuru SUNADA

 総合39位につけるカストロビエホは暫定トップのルドヴィグソンから、さらに40秒速い47分17秒のタイムでゴール。総合上位勢の走りを待ち構えた。

フルームが異次元のスピード

 総合上位勢ではフルームが下馬評通りの強さを見せた。12km地点の第1計測でカストロビエホを28秒も上回り、中間地点付近では2分前にスタートした、総合3位のヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・バイクエクスチェンジ)を異次元のスピードで抜き去った。

 一方で最終スタートのキンタナは、第1計測でフルームから46秒遅れ。ゴールでは2分以上のタイムを失う計算になる。また総合4位につけるアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)は、キンタナを上回るペースで走るものの、フルームと勝負できるスピードではない。

首位のキンタナは順位を守ったが、タイム差は半分以下まで削られてしまった Photo: Yuzuru SUNADA首位のキンタナは順位を守ったが、タイム差は半分以下まで削られてしまった Photo: Yuzuru SUNADA

 結局、第1計測でついたタイム差がほぼゴールまで均等に広がり、フルームが圧勝。キンタナはフルームから2分16秒差をつけられたが、前日までの3分半のタイム差がものを言い、総合で1分以上の差をキープした。

 コンタドールが表彰台圏内の総合3位に浮上した一方で、3位のチャベス、5位のサイモン・イェーツ(イギリス)と、オリカ・バイクエクスチェンジの2人がそれぞれ4位、6位と順位を一つずつ落としている。

ブエルタは最終山岳決戦へ

区間82位とまずまずの走りを見せた新城幸也 Photo: Yuzuru SUNADA区間82位とまずまずの走りを見せた新城幸也 Photo: Yuzuru SUNADA

 総合トップ10の順位も全体に入れ替わった。前日まで総合7位だったサムエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシングチーム)は途中までライバル勢を上回る好走を見せていたが、終盤のコーナーで落車を喫して、全身泥だらけでゴール。総合順位も12位まで落としてしまった。代わってダニエル・モレノ(スペイン、モビスター チーム)が総合8位とトップ10圏内に浮上している。

 3週間のブエルタも残すはあと2日。総合争いは翌第20ステージが、実質の最終決戦となる。ベニドルムからアルト・アイタナ エスクゥアドロン・エイエルシト・デル・アイレに至る193.2kmは、ほぼ全行程が山岳を走るコース。2級山岳を4つ越えた最後に待ち受けるのは、超級山頂ゴール。距離21kmで最大斜度13.3%の戦いを経てマイヨロホを獲得した選手が、今年のブエルタを制することになる。

第19ステージ結果
1 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 46分33秒
2 ホナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター チーム) +44秒
3 トビアス・ルドヴィグソン(スウェーデン、チーム ジャイアント・アルペシン) +1分24秒
4 イヴ・ランパールト(ベルギー、エティックス・クイックステップ) +1分26秒
5 ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー、チーム ロットNL・ユンボ) +1分47秒
6 レオポルド・ケニッグ(チェコ、チーム スカイ) +1分51秒
7 アンドルー・タランスキー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック プロサイクリングチーム) +1分54秒
8 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ) +1分57秒
9 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、トレック・セガフレード) +1分58秒
10 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム) +2分10秒
82 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +6分12秒
143 別府史之(日本、トレック・セガフレード) +8分24秒

個人総合(マイヨロホ)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 75時間18分52秒
2 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +1分21秒
3 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ) +3分43秒
4 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・バイクエクスチェンジ) +4分54秒
5 アンドルー・タランスキー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック プロサイクリングチーム) +7分12秒
6 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ) +7分32秒
7 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ プロチーム) +10分1秒
8 ダニエル・モレノ(スペイン、モビスター チーム) +10分7秒
9 ダビ・デラクルス(スペイン、エティックス・クイックステップ) +10分11秒
10 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール・ドラパック プロサイクリングチーム) +11分14秒
109 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +3時間11分8秒
122 別府史之(日本、トレック・セガフレード) +3時間32分24秒

ポイント賞(プントス)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 93 pts
2 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 91 pts
3 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 87 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ケニー・エリッソンド(フランス、エフデジ) 56 pts
2 オマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ) 53 pts
3 ロベルト・ヘーシンク(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) 34 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 8 pts
2 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 16 pts
3 ダビ・デラクルス(スペイン、エティックス・クイックステップ) 34 pts

チーム総合
1 BMCレーシングチーム 224時間56分20秒
2 モビスター チーム +14分26秒
3 キャノンデール・ドラパック プロサイクリングチーム +32分39秒

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