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ブエルタ・ア・エスパーニャ2016 第18ステージ別府史之が逃げて日本人初の敢闘賞 ステージ優勝は集団スプリント制したニールセン

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 ブエルタ・ア・エスパーニャ第18ステージは9月9日、レケナからガンディアまでの200.6km争われ、集団スプリントをマウヌス・コー・ニールセン(デンマーク、オリカ・バイクエクスチェンジ)がステージ優勝し、ブエルタ初勝利を挙げた。日本勢では別府史之(トレック・セガフレード)が序盤から逃げ集団でレースを進め、積極的な走りから敢闘賞に輝いた。ブエルタでは日本人初の受賞となる。なお、個人総合はナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)が首位を守っている。

第18ステージの敢闘賞を獲得した別府史之。ポディウムで誇らしげな表情を見せた Photo: Yuzuru SUNADA第18ステージの敢闘賞を獲得した別府史之。ポディウムで誇らしげな表情を見せた Photo: Yuzuru SUNADA

別府ら5人、最大で6分30秒のリード

 厳しい上りが多く登場しているブエルタだが、このステージはスプリンターのための1日。スピードマンたちがわずかなチャンスと可能性に賭けて臨む。このステージを逃してしまうと、残すスプリントステージは最終日の第21ステージのみとなってしまう。一方で、総合争いを繰り広げている選手とチームにとっては、恵みの移動ステージ。トラブルなくステージを終えて、翌日からの勝負に備えたい。

別府史之らとともに逃げグループでレースを進めたカンタン・ジョレギ Photo: Yuzuru SUNADA別府史之らとともに逃げグループでレースを進めたカンタン・ジョレギ Photo: Yuzuru SUNADA

 コースは、前半にこのステージ唯一の2級山岳が控えるが、中盤からはおおむね下り基調。スピード感のあるレース展開に期待が膨らんだ。

 レースは、序盤から5選手がリード。この中に別府が含まれた。逃げメンバーはいずれも総合争いに関係しないことから、メイン集団は彼らのリードを容認。タイム差は最大で6分30秒差にまで広がった。

フィニッシュしたピエール・ローラン。別府史之らとともに逃げグループでレースを進めた Photo: Yuzuru SUNADAフィニッシュしたピエール・ローラン。別府史之らとともに逃げグループでレースを進めた Photo: Yuzuru SUNADA

 残り100kmを切ってからは、少しずつメイン集団がその差を縮めてきた。残り30kmを過ぎたところで、その差は45秒に。何とか逃げ切ろうと、残すところ27kmとなったところで逃げグループからカンタン・ジョレギ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)がアタック。すかさずルイ・ヴルヴァーク(ベルギー、ロット・ソウダル)が続くが、別府とピエール・ローラン(フランス、キャノンデール・ドラパック プロサイクリングチーム)もその後追いつき、4人で先頭交代のローテーションを繰り返す。

 しかし、健闘むなしく4人の逃げはラスト11kmで終わりを迎えた。スプリントでのフィニッシュに向け、また総合エースの危険回避のため、各チームの思惑がひしめくメイン集団のペースが上がっていたこともあって、別府らの太刀打ちは難しいものがあった。

混戦から抜け出したニールセン 新城は20位

 激しいポジション争いが展開されたメイン集団。最終局面を見据えて、スプリンターを擁するチーム ジャイアント・アルペシンがトレインを組んで集団先頭を引っ張った。残り3.5kmでヤン・バークランツ(ベルギー、アージェードゥーゼール ラモンディアル)が飛び出したが、これは1kmあまり進んだところで吸収。道幅の狭い区間やコーナーが連続するテクニカルな部分をクリアして、スプリント勝負へと持ち込まれた。

 最終コーナーを真っ先に抜けたのは、チーム ジャイアント・アルペシン。コースの右側から加速するのは、2日前の第16ステージを制したジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク、BMCレーシングチーム)。その逆サイドからは、ニールセンが伸びる。僅差の勝負となったが、わずかにニールセンがトップでフィニッシュラインを通過した。

勝負は集団スプリントで決した。勝利したのはマウヌス・コー・ニールセン(右端) Photo: Yuzuru SUNADA勝負は集団スプリントで決した。勝利したのはマウヌス・コー・ニールセン(右端) Photo: Yuzuru SUNADA
チームメートと勝利を喜ぶマウヌス・コー・ニールセン Photo: Yuzuru SUNADAチームメートと勝利を喜ぶマウヌス・コー・ニールセン Photo: Yuzuru SUNADA

 23歳のニールセンは、これがブエルタ初勝利。もっとも、初のグランツール出場だ。今大会は第3ステージで3位に入っており、以降はエースのヨアンエステバン・チャベス(コロンビア)やサイモン・イェーツ(イギリス)のアシストに徹していたが、再びやってきたチャンスをきっちりとものにした格好だ。

 また、混戦のスプリントに新城幸也(ランプレ・メリダ)も参戦。ポジションに恵まれず、後方からの追い上げを強いられたが、20位でフィニッシュした。

 総合上位陣もニールセンと同タイムでこのステージを終えており、順位とタイム差に変動はなかった。依然、キンタナが総合首位のマイヨロホを守っている。

別府がステージ敢闘賞を獲得

 このステージで見せ場を作った別府。逃げ切りこそならなかったが、存在感はしっかりと発揮した。その走りを受けて、ステージ敢闘賞が与えられた。

 ブエルタのステージ敢闘賞は、主にツイッターによるファン投票によって決められる。レース中に主催者が敢闘賞候補として3選手をピックアップし、その中からファンが選ぶ形だ。第18ステージにおいては、別府がノミネートされ、もっとも得票数を得たこととなる。

 別府のグランツールでの敢闘賞は、2009年ツール・ド・フランス第21ステージ、2011年ジロ・デ・イタリア第10ステージフーガ賞に続いて3回目。ワールドクラスでのキャリアに、さらなる勲章が加わった。

第18ステージ結果
1 マウヌス・コー・ニールセン(デンマーク、オリカ・バイクエクスチェンジ) 4時間54分31秒
2 ニキアス・アルント(ドイツ、チーム ジャイアント・アルペシン) +0秒
3 ジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク、BMCレーシングチーム) +0秒
4 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、ティンコフ) +0秒
5 ヨナス・ヴァンフネヒテン(ベルギー、イアム サイクリング) +0秒
6 キール・レイネン(アメリカ、トレック・セガフレード) +0秒
7 ミカエル・シュヴァルツマン(ドイツ、ボーラ・アルゴン18) +0秒
8 ジャンニ・メールスマン(ベルギー、エティックス・クイックステップ) +0秒
9 クリスティアン・スバラーリ(イタリア、ディメンションデータ) +0秒
10 ロレンゾ・マンザン(フランス、エフデジ) +0秒
20 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +0秒
140 別府史之(日本、トレック・セガフレード) +4分4秒

個人総合(マイヨロホ)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 74時間30分3秒
2 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +3分37秒
3 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・バイクエクスチェンジ) +3分57秒
4 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ) +4分2秒
5 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ) +6分3秒
6 アンドルー・タランスキー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック プロサイクリングチーム) +7分34秒
7 サムエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシングチーム) +8分12秒
8 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール・ドラパック プロサイクリングチーム) +8分13秒
9 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ プロチーム) +8分28秒
10 ダビ・デラクルス(スペイン、エティックス・クイックステップ) +8分52秒
109 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +3時間7分12秒
120 別府史之(日本、トレック・セガフレード) +3時間26分16秒

ポイント賞(プントス)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 93 pts
2 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 86 pts
3 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、アスタナ プロチーム) 76 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ケニー・エリッソンド(フランス、エフデジ) 56 pts
2 オマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ) 53 pts
3 ロベルト・ヘーシンク(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) 34 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 8 pts
2 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 18 pts
3 ケニー・エリッソンド(フランス、エフデジ) 32 pts

チーム総合
1 BMCレーシングチーム 222時間25分47秒
2 モビスター チーム +19分30秒
3 キャノンデール・ドラパック プロサイクリングチーム +30分49秒

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