雨の「ふじてん」をCyclist編集部が挑戦マウンテンバイクのダウンヒルを初体験 MTBの走破性を悪路で楽しむ

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 大自然を満喫できるツールとしてマウンテンバイク(MTB)は最適だろう。しかし、どこを走ればいいのか、どうやって走るのかは、ロードバイク出身で経験のない筆者にとっては未知数で全くわからない。そこで「まずはやってみよう」と2台のキャノンデールの最新MTB「Beast of the East 1」と「Bad Habit 2」とともに、“MTBの何が楽しいのか”を確かめに「ふじてんリゾート」へ向かった。

「Beast of the East 1」はファットバイクながら軽快で、安心感のある太いタイヤを装備 Photo: Shusaku MATSUO「Beast of the East 1」はファットバイクながら軽快で、安心感のある太いタイヤを装備 Photo: Shusaku MATSUO

 ふじてんスノーリゾートは山梨県南都留郡にあり、その名の通り冬場はスキー場として営業している。雪が降らない時期はサマーゲレンデやサバイバルゲームなど、豊富なアクティビティで遊ぶことが可能。今回はスキー場横に平行したマウンテンバイクコースを走ることにした。

都心からアクセスが良い好立地

冬の間はスキー場として運営している「ふじてん」。夏場はゲレンデとコースサイドをMTBのコースで使用している Photo: Shusaku MATSUO冬の間はスキー場として運営している「ふじてん」。夏場はゲレンデとコースサイドをMTBのコースで使用している Photo: Shusaku MATSUO

 ふじてんには東京都心から中央道を通り、約1時間半で到着。早速、バイクを降ろし、乗り始めようとすると同行した上級者から「それじゃ走れないよ」とダメ出しが入る。持参したキャノンデールBad Habit 2は前後にサスペンションを備えた本格的なMTB。サスペンションはエアボリュームを調節する機能があり、体重やコンディションに合わせて調節する必要がるとのことだった。極力パワーロスをなくすことに特化したロードバイクしか知らない記者にとっては聞けば聞くほど奥が深い。

 全くの初心者な記者はどのような装備で走ればいいのかもわからなかった。普段ロードバイクで使用するヘルメットにグローブ、スニーカーという出で立ちだったが、これでも正解とのこと。しかし、点在する岩や木の枝などから顎や後頭部を守るためのフルフェイスヘルメット、ニーガードなど、ダウンヒル系のコースであれば装備したほうが好ましいという。

体重をかけ、沈み具合でサスペンションの空気圧を確認 Photo: Shusaku MATSUO体重をかけ、沈み具合でサスペンションの空気圧を確認 Photo: Shusaku MATSUO
エアボリュームを確認しながらポンプでサスペンションへ空気を送り込む Photo: Shusaku MATSUOエアボリュームを確認しながらポンプでサスペンションへ空気を送り込む Photo: Shusaku MATSUO

バイクをリフトに乗せて頂上へ

頂上へはリフトを使ってバイクを運搬する Photo: Shusaku MATSUO頂上へはリフトを使ってバイクを運搬する Photo: Shusaku MATSUO

 コースは初級から中級、ジャンプゾーンがある上級まで数本に分かれてゲレンデの頂上から下る。頂上へはスキーで使用するリフトを使って上るが、人間と共にバイクを運べる光景が見慣れないだけあって面白い。リフトでは仲間と一緒に「どのコースを走ろうか」、「天気が悪いから路面も見づらい。気をつけて走ろう」など会話が弾み、期待が膨らむ。

 いざ、頂上でリフトから降りると、走路を確認し、いざコースイン。細い木の根が張り出し、路面が雨の流れで凸凹になっている。正直、最初はいつ滑り出すか感覚がわからず、相当怖かったが、慣れるとコントロールすることは難しくなく、極端な動きをしないため挙動が掴み易い。慣れてきてスピードが出せるようになってくると、「どのラインが一番速く走れるか」など瞬時に模索しながら走ることに快感を覚えた。

「これって降りられるの?」と思うほどの急斜面。勇気を出すと意外と簡単にクリアできた。MTBの性能ってすごい Photo: Shusaku MATSUO「これって降りられるの?」と思うほどの急斜面。勇気を出すと意外と簡単にクリアできた。MTBの性能ってすごい Photo: Shusaku MATSUO

 また、MTBの走破性は驚くべきものだった。常に落ち続け、ブレーキを断続的にかけ続けなければならないが、油圧ディスクを装備しており、指一本の軽い力で最適なストッピングパワーを発揮した。サスペンションは頼り甲斐があり、急に現れる障害物に乗っかっても対応してくれる。

 キャノンデールの代名詞ともいえる片持ちサスペンション「レフティ」を搭載したBeast of the East 1は、俊敏さと剛性を兼ね備えていた。また、性能もさることながら見た目のかっこよさも光る。セミファットバイクながらとても軽快で、太いタイヤを生かしてビギナーでも安定した走りを可能にした。

なるべく力まずに走ろうと試みたが、下りを数本終えると腕がパンパンになった Photo: Shusaku MATSUOなるべく力まずに走ろうと試みたが、下りを数本終えると腕がパンパンになった Photo: Shusaku MATSUO

 1本目を終え、2本、3本と回数をこなすと、身体が疲れていることに気づいた。握力は弱まり、手足はパンパンだ。ペダルをほとんど漕がず“落ちている”と思うかもしれないが、想像以上に体力を使うようだ。もちろん、上級者になれば無駄な力を使うことなく、スムーズにバイクをコントロールし、さらに安全に、また、速く走るのだろう。

 なるべく経験を積もうとコースを変えながら挑戦していたが、5本目を迎えて「慣れてきた」と安心した途端、濡れた木の根でフロントタイヤがスライドし、リカバリーできないまま一回転して落車した。しかし、擦過傷も骨折もなく再び走り出すことができた。疲れもあり、集中力が落ちてきたからだろう。それ以降は無理することなく、2本ほどダウンヒルを楽しんだ。

慣れてきて、速度が出てくると、次々と障害物を越えていける感覚にハマった Photo: Shusaku MATSUO慣れてきて、速度が出てくると、次々と障害物を越えていける感覚にハマった Photo: Shusaku MATSUO

 初めて本格的なMTBを本格的なコースで経験したが、「こんなところ走れるわけないでしょ」という急勾配や、悪路を難なく走破できるポテンシャルに驚いたとともに楽しむことができた。MTB出身のロードレース選手が抜群のコントロールテクニックを持っていることにも納得ができる。今回はダウンヒルを体験したが、クロスカントリー競技ではトラクションをかけ続ける技術なども学べるだろう。

 ロードバイクの楽しみしか知らなかった筆者だが、走破性、機材の奥深さにハマってしまった。夏が終わり、涼しくなる秋冬シーズンは積極的にコースやトレイルにチャレンジしてみたいと思う。

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