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ブエルタ・ア・エスパーニャ2016 第17ステージマティアス・フランクが終盤の激坂を独走し優勝 キンタナは総合トップをキープ

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 ブエルタ・ア・エスパーニャ第17ステージは9月7日、カステリョンからルセーナ.カミンス・デル・ペニャゴロサまでの177.5kmで争われ、終盤の上りで独走に持ち込んだマティアス・フランク(スイス、イアム サイクリング)がステージ優勝を挙げた。総合争いは、首位のナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)を筆頭に上位4選手が同タイムでフィニッシュ。日本勢は、新城幸也(ランプレ・メリダ)が10分11秒差の69位、別府史之(トレック・セガフレード)が13分40秒差の101位でステージを終えている。

終盤の独走で第17ステージを制したマティアス・フランク Photo: Yuzuru SUNADA終盤の独走で第17ステージを制したマティアス・フランク Photo: Yuzuru SUNADA

28人がレースをリード メイン集団は容認姿勢

 今年のブエルタもいよいよ最終週へと突入。残り5ステージですべてが決まる。最終日、第21ステージ以外はスペイン南部のバレンシア州が舞台となる。

 その皮切りの第17ステージは、終始上り基調。序盤から中盤にかけて2級山岳が2つ、3級山岳を1つ越え、最後に難関の1級山岳カミンス・デル・ペニャゴロサが待ち受ける。フィニッシュ前3.8kmで平均勾配12.5%。ラスト1kmを切って最大勾配21%の区間が現れる。それ以外にも20%前後のポイントが数多く、路面もコンクリート舗装と、選手たちを苦しめる。さらに休息日明けとあって、リズムを崩す選手が出てくることも考えられた。

この日の最初の峠を下る新城幸也 Photo: Yuzuru SUNADAこの日の最初の峠を下る新城幸也 Photo: Yuzuru SUNADA

 レースは前半に28人が先行開始。総合争いを脅かす選手が含まれていなかったことから、リーダーチームのモビスター チームがこれを容認。5分から6分の差で、逃げグループ、メイン集団ともに淡々と進んでいった。また、逃げが決まる前に迎えた20km地点の2級山岳では、オマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ)が1位通過。山岳賞首位のケニー・エリッソンド(フランス、エフデジ)との差を3ポイントとしている。

 メイン集団では、残り70kmを切ったところでBMCレーシングチームがペースコントロールを開始。逃げグループとの差に大きな変動は見られなかったが、ここまで集団の統率を担っていたモビスター チームとしては恵みの展開となった。

 大人数で進む逃げグループだが、複数メンバーを送り込んだチームが多かったこともあり、単騎でレースを進めてきた選手がこの流れを断ち切ろうと動く場面が出てきた。残り31kmでは、マキシム・ブエ(フランス、エティックス・クイックステップ)がアタック。これはチェックされてしまうが、残り29.5km地点でダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ プロチーム)が代わってアタックすると、ブエとフランクが反応。やがてブエが逃げグループへと戻り、カタルドとフランクの2人が先を急ぐ形となった。

最後の上りでフランクがアタック 追い上げをかわす

 先頭に立ったフランクとカタルドは快調に飛ばした。そのまま2人でこの日最後の上りとなるカミンス・デル・ペニャゴロサへと入った。

終盤に追い上げを見せたレオポルド・ケニッグ(左)とロベルト・ヘーシンク Photo: Yuzuru SUNADA終盤に追い上げを見せたレオポルド・ケニッグ(左)とロベルト・ヘーシンク Photo: Yuzuru SUNADA

 両者の形勢がはっきりしたのは、残り2.6km。フランクがペースを上げると、カタルドがついていくことができなかった。斜度が厳しくなる区間もしっかりとしたペダリングで上るフランク。後方では、レオポルド・ケニッグ(チェコ、チーム スカイ)やロベルト・ヘーシンク(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ)がペースを上げ、フランクへの合流を試みる。

 しかし、上りに強いフランクが後続の追い上げをかわし、そのままフィニッシュへ。ブエルタでは自身初のステージ優勝を挙げた。

 フランクから6秒後、フィニッシュ目前で猛然とペースを上げたケニッグが2位、さらに5秒差でヘーシンクが3位。フランクと逃げたカタルドは5位だった。

総合上位陣に大きな変動なし

 メイン集団は、最後の上りを前にオリカ・バイクエクスチェンジとモビスター チームとでペースアップ。好ポジションでエースを上りに送り出そうと試みる。

 そして、上りに入ると真っ先にアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ)がアタック。これをきっかけに集団は崩壊。すかさず対応したのはキンタナ。さらに、サイモン・イェーツ(イギリス)の引き上げでヨアンエステバン・チャベス(コロンビア)も加わった。その後ろからは、クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)も続く。

厳しい上りを攻める総合上位陣。左からヨアンエステバン・チャベス、ナイロアレクサンデル・キンタナ、アルベルト・コンタドール。後方はクリストファー・フルーム Photo: Yuzuru SUNADA厳しい上りを攻める総合上位陣。左からヨアンエステバン・チャベス、ナイロアレクサンデル・キンタナ、アルベルト・コンタドール。後方はクリストファー・フルーム Photo: Yuzuru SUNADA

 さらにチャベスがアタック。キンタナとコンタドールは落ち着いて対処するが、フルームが幾分出遅れる。そして、残り数百メートルのところでコンタドールが再びペースアップ。そのまま前を譲らず、フィニッシュ前へとやってきた。しばらく後方に取り残されていたフルームもギアチェンジし、追いついてきた。結局、コンタドールを先頭に、フルーム、キンタナ、チャベスの順で同タイムフィニッシュとなった。

 この結果、上位4選手の順位とタイム差は変わらず。キンタナが総合首位を守り、マイヨロホをキープ。2位のフルームとは3分37秒差。3位チャベスは3分57秒差、4位コンタドールは4分2秒差でキンタナを追う形が続く。

この日のポディウムにはホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ)も姿を見せた。すでに引退を発表しているが、今後数レース出場の見通しだ Photo: Yuzuru SUNADAこの日のポディウムにはホアキン・ロドリゲス(スペイン、チーム カチューシャ)も姿を見せた。すでに引退を発表しているが、今後数レース出場の見通しだ Photo: Yuzuru SUNADA

第17ステージ結果
1 マティアス・フランク(スイス、イアム サイクリング) 4時間34分38秒
2 レオポルド・ケニッグ(チェコ、チーム スカイ) +6秒
3 ロベルト・ヘーシンク(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) +11秒
4 ペリョ・ビルバオ(スペイン、カハルラル・セグロスRGA) +14秒
5 ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ プロチーム) +16秒
6 ホセ・エラダ(スペイン、モビスター チーム) +29秒
7 アクセル・ドモン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル) +48秒
8 バルト・デクレルク(ベルギー、ロット・ソウダル) +57秒
9 クリスティアン・ドゥラセク(クロアチア、ランプレ・メリダ) +1分2秒
10 アイマル・スベルディア(スペイン、トレック・セガフレード) +1分4秒
69 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +10分11秒
101 別府史之(日本、トレック・セガフレード) +13分40秒

個人総合(マイヨロホ)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 69 時間35分32秒
2 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +3分37秒
3 ヨアンエステバン・チャベス(コロンビア、オリカ・バイクエクスチェンジ) +3分57秒
4 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ) +4分2秒
5 サイモン・イェーツ(イギリス、オリカ・バイクエクスチェンジ) +6分3秒
6 アンドルー・タランスキー(アメリカ、キャノンデール・ドラパック プロサイクリングチーム) +7分34秒
7 サムエル・サンチェス(スペイン、BMCレーシングチーム) +8分12秒
8 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、キャノンデール・ドラパック プロサイクリングチーム) +8分13秒
9 ミケーレ・スカルポーニ(イタリア、アスタナ プロチーム) +8分28秒
10 ダビ・デラクルス(スペイン、エティックス・クイックステップ) +8分52秒
110 新城幸也(日本、ランプレ・メリダ) +3時間7分12秒
119 別府史之(日本、トレック・セガフレード) +3時間22分13秒

ポイント賞(プントス)
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 93 pts
2 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 86 pts
3 ファビオ・フェッリーネ(イタリア、アスタナ プロチーム) 76 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 ケニー・エリッソンド(フランス、エフデジ) 56 pts
2 オマール・フライレ(スペイン、ディメンションデータ) 53 pts
3 ロベルト・ヘーシンク(オランダ、チーム ロットNL・ユンボ) 34 pts

複合賞(コンビナーダ)
1 ナイロアレクサンデル・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 8 pts
2 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) 18 pts
3 ケニー・エリッソンド(フランス、エフデジ) 32 pts

チーム総合
1 BMCレーシングチーム 207時間42分14秒
2 モビスター チーム +19分30秒
3 キャノンデール・ドラパック プロサイクリングチーム +30分34秒

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