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栗村修の“輪”生相談<83>20代男性「自転車メーカーへの就職はどのようにすればいいですか?」

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いつも記事を拝見しております。毎回異なるテーマが取り上げられており、楽しみにしています。

 私の悩みなのですが、自転車メーカーへの就職はどのようにすればできるのか、また、現実的な選択としては良いものなのかどうかです。経歴としましては、大卒で一般企業(水質検査業務)に3年勤め、転職して営業職に就いて2カ月が経過したところです。

 自転車の経験は趣味でクロスバイクに乗っている程度です。ロードバイクは金額が金額なのでまだ購入できておりません。購入予定はありますが…。また、自転車の知識、経験ともに現時点でかなり不足しています。

 今からショップのアルバイトをしてからメーカーの正社員になるのも不安がありますし、実際にメーカーの正社員になっても一般的に年収が低いと言われている業界なので、収入面での不安があります。

 しかしながら自転車への興味は依然ありますし、自転車を多くの人に提供する仕事がしたいとは思っています。

 趣味のままの方がいいのか、挑戦してみるべきなのか、非常に迷っています。挑戦するとしても、可能なのかどうかもわかりません。

 何かアドバイスをいただけますでしょうか? よろしくお願いいたします。

(20代男性)

 自転車メーカーとありますが、企業はいろいろです。

 まず有名なのは、なんといってもコンポーネント最大手のシマノですよね。しかしシマノは自転車界の枠を外して見ても、非常に優秀な企業です。就職は簡単ではないと思います。

 僕もシマノには、選手、コーチとして関わりましたが、新卒でシマノに入る人たちは、いわゆる「いい大学」を出て、しかも自転車の経験も豊富、というパターンが多かったように思います。つまりシマノへの就職は難易度が高いんですよ。

 他の企業としては、完成車メーカーや、海外メーカーの日本法人でしょうか。ただそういう企業は、最近は業界経験者や元選手などの即戦力を採用する傾向にあるように感じます。もちろん、新卒採用も行っているでしょうが、中途採用の場合はやはり直ちに自転車について語れる人材を採ることが多いと思います。「知識が不足している」という質問者さんの現状では、ちょっと厳しいかもしれません。

 とはいえ、自転車の知識や経験は一朝一夕で身につくものではありません。じゃあ諦めるしかないのかというとそんなことはなく、営業力があれば武器になるはずです。

例年、新入社員の「サイクリング入社式」を実施している自転車メーカーのホダカ =2014年4月 Photo: Naoi HIRASAWA例年、新入社員の「サイクリング入社式」を実施している自転車メーカーのホダカ =2014年4月 Photo: Naoi HIRASAWA

 質問者さんは現在営業職に就いているとのことですが、営業力には業界を問わず、普遍的なところがあると思います。特に国内の輸入代理店などは、自分で製品を開発するのではなく、輸入し、売ることに徹しているわけですよね。つまり営業力が重要な世界なんですよ。そこを磨かれてはいかがでしょうか。道が開けるかもしれません。

 収入についても、外資系の日本法人ならばたぶん、歩合制があると思うんですよね。営業力で結果が出せるならば、他の業界と比べても決して悪くないと思いますよ。逆に言えば、結果を出してナンボではあるのですが…。

 しかし代理店やメーカーばかり見るのではなく、ショップに目を向けるのもいいと、僕は思いますね。ユーザーに近く、彼らが求めているものが見えやすいからです。物事は、多面的に見たほうがいいですからね。

 ショップから代理店やメーカーに行ってもいいですし、ショップに入ったらショップに魅力を感じるようになるかもしれません。甘い世界ではありませんが、独立という選択肢もあります。本当に成功すれば、勤めでは決して稼げないような収入を手にできる可能性もあります(簡単ではありませんが…)。

 輪界は意外とジャンルを超えて業界を渡り歩く人も少なくない世界ですから、節度を守っていれば色々とチャレンジするのもありだと思います。

 そしてもっとも大事なことは、自転車への愛です。その愛を、色々な職業を経験しつつ育むのは、アリではないでしょうか。

(編集 佐藤喬)

回答者 栗村修(くりむら おさむ)

 一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役、ツアー・オブ・ジャパン 大会ディレクター、スポーツ専門TV局 J SPORTS サイクルロードレース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまでお寄せください。

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